荒川 雄一
アラカワ ユウイチ「国富 3048兆円!」
-
こんにちは!
さて先般、内閣府が2013年度の国民経済計算確報を発表しました。
それによれば、日本全体の資産から負債を差し引いた正味資産(国富)が、6年ぶりに増加し、3048.7兆円になりました。
内訳としては、国民総資産が7.2%増加し9294.6兆円になったのに対し、負債額も6245.9兆円と増加しましたが、正味資産である「国富」は、前年より2.1%増加しました。
要因としては、「円安」が進行したことにより、外貨建て資産の評価額が引き上げられたことが挙げられます。
対外純資産は、前年比9.7%増加し、1994年以降最大の325兆円と、国富の10.7%を占めています。
その他、住宅などの有形固定資産が最も大きく、3.1%増の1501.2兆円となっています。
ちなみに、現在の基準で「国富」が最大だったのは、2007年の3158兆円でした。そこから5年連続減少し、今回増加に転じることができました。
今後、国内の不動産価格の大幅な上昇などを見込むのは難しいため、「国富」を維持していくためには、現在、企業が積極的に行っているM&Aなどによる対外投資を伸ばしていくことが考えられます。
企業に比べると、個人はまだまだ投資額は大きくはないですが、対外純資産を増やすことにより、将来の「円安」対策にも繋げることができます。
他国に類を見ない財政赤字を抱える日本にとっては、「外貨」を含めた多様な資産に分散しておくことが、日本の国を維持するための“備え”になることだけは間違いないといえるでしょう。
それでは、今週末も穏やかで平和な日々となりますように!
「お金の基本」のコラム
「増加する金融詐欺」(2024/04/25 14:04)
「2023年の家計の金融資産」(2024/04/11 14:04)
「2023年の日本の経常収支」(2024/03/07 14:03)
「長期低迷する日本経済」(2023/12/21 15:12)
「日本の基礎的財政収支(PB)」(2023/10/19 12:10)