藤森 哲也(不動産コンサルタント)- コラム「不動産業者も見落とす、物件購入の落とし穴‐【不確定な契約条件の注意点/地盤チェック⑥】」 - 専門家プロファイル

藤森 哲也
将来必要なお金を把握せずに、家を買うのって怖くないですか?

藤森 哲也

フジモリ テツヤ
( 不動産コンサルタント )
株式会社アドキャスト 代表取締役
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不動産業者も見落とす、物件購入の落とし穴‐【不確定な契約条件の注意点/地盤チェック⑥】

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不動産購入の基礎知識 不動産購入塾 2013-09-27 17:31

今回の確認方法には、中古戸建てや古屋付きといった、既存の建物がある場合に

 

行えるチェックポイントです。

 

 

前回でも少し触れました『建物の基礎や外壁に亀裂はないかどうか』です。

 

また、『既存の建物に傾きなどがないかどうか』の確認です。

 

 

これらにも、実際は問題のないクラックや傾きもあるので、合わせて解説いたします。

 

 

まず、基礎や外壁の亀裂に関してですが、これは新築の住宅で発見することは、

 

なかなかありません。建ってから時間が経過しているからこそ、地盤や構造に

 

問題があった際現れ、チェックが可能になるポイント(中古住宅のメリット)です。

 

新築で問題のあるクラックがあれば、どんでもない話です。

 

 

 

 

 

 

 

 

クラックには大きく分けると、「構造クラック」と「ヘアークラック」とがあります。

 

ヘアークラックとは、塗装の乾燥収縮などによって、髪の毛程度の幅(概ね0.3m未満)

 

のヒビが入ることです。深さもあまりなく、構造に問題はないと言われています。

 

 

 

問題なのは構造クラックです。

 

 

ヒビの幅が0.3m以上有り、その深さが5mm以上ある場合、構造クラックの可能性が

 

高いと思われます。

 

この構造クラックにも、せん断(斜め45℃にヒビ)や、曲げ(基礎下部に縦ヒビ)といった

 

種類があり、せん断クラックがある場合は不同沈下、曲げクラックがある場合は相対沈下

 

の可能性が予見できます。

 

地盤の沈下が起こる原因として、軟弱地盤の対策を疎かにしていることも、

 

可能性の一つとしてあげられます。

 

現在の新築は昔と比べ、地盤改良はそれなりに行われていますので、建築時期の

 

古い建物(時間も経過している為確認に有効)である場合は、よくチェックしてみると

 

よいと思います。

 

また、地盤地下の原因が地中埋設物の影響であったりすると、その大きさや範囲などに

 

よっては撤去費用が相当かかる場合がありますし、傾いた建物に住むのも安全とは言え

 

ません。ジャックアップなどを行うにも費用は決して安くありません。

 

 

そういった視点からも、建物をチェックした際、不安のあるクラックがあれば、

 

専門家に問題あるものかどうか、考えられる原因の検証なども合わせて行って

 

おくことが賢明でしょう。

 

 

 

 

 

では次に、建物は実際に傾いているかどうかですが、水平器という器具を使います。

 

よくパチンコ玉やビー玉を置いて、転がるかどうかで判断する方法が紹介されている

 

ことがありますが、その判断方法は問題のないレベルの傾斜でも転がってしまうことが

 

あります。

 

 

問題のある傾斜とはどの程度かと申しますと、

 

「住宅紛争処理の参考となるべき技術基準」(平成12年建設省告示第1653号)によれば、

 

3/1000未満の傾斜を「構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が低い」、3/1000以上

 

6/1000未満の傾斜を「構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が一定程度存する」、

 

6/1000以上の傾斜を「構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が高い」としています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水平器でいいますと

 

 

 

 

 

 

 

 

画像のようなのイメージになります。

 

 

これも、不安に感じる傾きがあり、ミリ単位の測定をして判断するには、専門家に

 

オートレーザーなどを使って調査してもらう必要があります。

 

 

但し、お風呂場やベランダなど排水口がある場所では、その排水口に向かって

 

傾斜がついてないと水の流れが起きませんから、そういった場所では水平器による、

 

判断は正確ではなくなります。(地盤や構造に問題ある必要以上の傾きか判断が困難)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地盤チェック③では近隣のボーリングデータについて説明しましたが、地盤を判断する

 

参考の情報には、ボーリングデータ以外のものでも、ネットや法務局で取得できるもが

 

あります。

 

 

次回は、ボーリングデータ以外の参考になる情報についてご紹介いたします。

 

 

 

 

 

 

【33】不確定な契約条件の注意点-20:地盤改良費① 

http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-114390/

【34】不確定な契約条件の注意点-21:地盤改良費② 

http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-115260/

【35】不確定な契約条件の注意点-22:地盤改良費③ 

http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-115269/

【36】不確定な契約条件の注意点-23:地盤改良費④ 

http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-120267/

【37】不確定な契約条件の注意点-24:地盤改良費⑤ 

http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-120333/

【38】不確定な契約条件の注意点-25:地盤改良費⑥

http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-120780/

【39】不確定な契約条件の注意点-25:地盤改良費⑦ 

http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-120869/

【40】不確定な契約条件の注意点-25:地盤改良費⑧ 

http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-122956/

 

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