対象:ペットの医療・健康
慢性腎不全
腎不全状態が3ヶ月以上持続した場合を慢性腎不全としています。 腎不全は発症しても、3ヶ月以内に治療によって回復する場合があるからです。
腎不全を判定する一番の方法は糸球体濾過量(GRF)の測定ですが、これを測定していただける施設は、武蔵野市の日本獣医生命科学大学の腎臓学教室しかありません。それで、GRFと相関があるクレアチニンで判定することになります。
1988年結成されたinnternational Real Interest Society(IRIS)が人の医学で用いられているシステムに基づいて、慢性腎不全(CRD)の病期を4分類しました。
そのIRIS分類システムは前述の血中クレアチニン濃度に基づいていますが、マーティさんのワンちゃんが慢性腎不全であったとすると、ステージ3の初期に相当します。そして、残念ながら、この段階で残された腎機能は10〜20%しかありません。
ステージ3のワンちゃんでは、多飲多尿だとか、尿比重の低下(1.03以下)、腎性高血圧、高リン血症、代謝性アシドーシスがみられます。代謝性アシドーシスが進んでいますと、食欲が出ませんので積極的な点滴などの治療が必要になります。
点滴によって、高窒素血症(BUNが高い)やアシドーシスが改善し、食欲が回復しますと、腎臓用の処方食、活性ビタミンDやカルシウム剤の投与、高血圧のコントロールなどで腎不全の進行を抑制します。
この時期に適切な治療を開始しないと、急速に尿毒症性腎不全から末期腎不全に移行して助けられなくなってしまうことがあります。
腎不全の治療によく慣れた先生に相談されてもいいと思います。
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この回答の相談
獣医の井上先生へ質問です。10歳のラブラドールを飼っています。ここ数日食事を食べず、少し食べてもしばらくすると嘔吐してしまうので獣医さんへ昨日連れて行きました。結果は慢… [続きを読む]
マーティさん (新潟県/41歳/男性)
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