「君子は器ならず」から考えること - 医療経営全般 - 専門家プロファイル

福岡 浩
有限会社業務改善創研 代表取締役 業務改善コンサルタント
神奈川県
経営コンサルタント

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閲覧数順 2016年12月10日更新

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「君子は器ならず」から考えること

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君子は器ではない。

器とは特定の用途に使う道具のことを意味します。そのことから、ある用途だけに有効な道具のような存在ではなく、君子たる人間は幅広く自由にその働きを示すべきだと訳されるそうです。

そこからさらに考えると、ただひとつのことしか役に立たない者はただの道具と同じである。リーダーとなるべき人間は、そんな専門性をもっている「器」=「道具」を、全体を見回して的確に使いこなす人間であるという訳が導かれます。つまり、リーダーはジェネラリストであれということです。

しかし、最初からジェネラリストになるわけではありません。まずは勉学に励み専門家=スペシャリストにならなければならない。ジェネラリストになるには段階が必要なのです。

孔子がこの言葉を語ったのは、弟子たちがその段階に進んだ時に、スペシャリストに留まっていては、世の中を導くリーダーにはなれないと、弟子たちを諭すためだったとも考えられるのです。

得てしてジェネラリストは高所のみから見下ろして、職人的なスペシャリストを軽く見がちなものです。スペシャリストを適材適所で使いこなすこと、さらには両方を兼ね備えていることが、上に立つ者が持つべき資質であると孔子は示唆しています。

(『生きるための「知力」をつける論語』佐久協:監修・池田書店より抜粋)

 

医療や介護の現場にも当てはまることです。

医師と病院長、看護師と看護師長、介護支援専門員と主任介護支援専門員または管理者、介護職員とフロアリーダーまたはユニット長・・・・・

会社であれば、営業担当者と営業第一係長、お客様相談担当者とお客様相談室長、ビルメンテナンス技術者と技術開発部長・・・・・

スペシャリストからジェネラリストになるためのプログラムがあるようでないのか、ないうようであるのか、

ピーター・ドッラカーは、その著書『プロフェッショナルの条件』で、ジェネラリストに関して、「ジェネラリストについて意味ある唯一の定義は、自らの狭い専門知識を、知識の全領域の中に正しく位置づけられる人のことである」と記している。

 

となれば、時期が来たから医院長になり、勤務年数や年齢で看護師長になるのではなく、長い経験のなかで身に付けた様々な知識の一つとして専門的知識を位置付けられていることだと言えるのではないか。専門職の中には後進を育成できる人とできない人がいて、できない人が劣るわけではないが、できる人はあらゆる機会に指導方法を研究し、模索しているのだろう。

プロ野球やサッカーの監督も元は一選手だった。トップクラスの選手としての長いキャリアの結果、監督やコーチに就任することになる。並の選手は別の職業に就くのだろう。プロ野球界では、現役時代の実績と名声で監督になり、監督しての指導力に疑問が残る例もある。

また、プロサッカー界では、指導者ライセンスを取得しなければ、Jリーグのチームなどの監督にはなれない。C級から始まり、B、A、S級を取得して指導者としての道が開かれる。それでも結果が出せなければ、すぐに解任される。

スペシャリストからジェネラリストへの道はそうそう簡単ではない。後進を指導し育て上げて戦力にしていく能力は全く別物なのだろうか。専門性を極めた人が、自分自身の価値観や尺度で後進を評価したり、判断することはよくある。それが得てして上手くいかない大きな原因になっていることが多い。

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