介護サービス情報の公表制度の調査員を終えて - 医療経営全般 - 専門家プロファイル

福岡 浩
有限会社業務改善創研 代表取締役 業務改善コンサルタント
神奈川県
経営コンサルタント

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対象:医療経営

原 聡彦
原 聡彦
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2016年12月03日更新

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介護サービス情報の公表制度の調査員を終えて

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平成18年度から始まった『介護サービス情報の公表制度』については、介護事業者はじめ業界関係者の間で様々な批判や評価があります。「実地指導や監査があるのに、こんな制度は必要ない」という意見や「年に一度、事業所としての振り返りの良い機会だ」といった積極的な意見もあります。調査員として5年間携わってみて言えることは、介護事業者、特に管理者の管理能力の差がはっきりとしていることです。管理者の責務である「一元的に事業所を管理する」という業務が理解できていて、それをひたすら実行しようとしている管理者がいる一方で、制度の理解もままならず、不満や批判だけは一人前に口にする管理者もいます。時には、一調査員に喧嘩を売る攻撃的な管理者もいました。内心は売られたケンカだから堂々とそのケンカを買ってやろうと思いながら、ぐっとこらえてバカを相手にケンカするのはつまらないと自分に言い聞かせ、「そんなにご不満があるなら、保険者や県の指導係にお申し出ください」と笑顔で売られたケンカをかわしました。5年間で200件余りの居宅サービス、施設サービスなど、ほぼすべての事業にわたり調査に関わりました。例えば、居宅介護支援事業所の調査では必ずケアプランを見ますので、第1表や第2表の内容を一瞬で読み込んでいます。(本来は調査員が読む必要はない)そこに書かれている文章の書き方で、そのケアマネのスキルレベルも大方想像できます。だから文章力の差は歴然です。記録を書く時間がもったいないという意見をよく耳にしますが、介護報酬の請求は何を根拠にしているのかわかっているのだろうかといつも首をかしげてしまいます。

個人的な意見としては、介護事業者の中には事業を止めていただいた方が利用者にとっても良いと思える事業者もいますが、それはそのうち立ち行かなくなるだろうと思います。また、利用者やその家族のアセスメントがしっかりしていて、的確な介護サービスを提供している事業所もあります。それはそれで素晴らしいと思う反面、事業としての運営、経営がおざなりになっている事業者も意外に多いと感じます。例えサービスの質が良くても経営的に立ち行かなくなるリスクがあることに気付いていないのが気になります。利用者が喜んでくれるサービスを提供していれば、事業は継続できると楽観的に考えている事業経営者は、良いサービスを提供している自分に酔っているようにも見てしまいます。

介護保険サービスの事業者は今後も新しく指定を受けて誕生するでしょうが、廃業する事業者も増えていると聞いています。特に神奈川県は年間300事業所が指定を受けながら、翌年にはその二割強が廃止しているそうです。簡単に開業できるイメージがあるのか、いとも簡単に介護事業を始めておいて、これまた簡単に店仕舞いしてしまう事業経営者は、どんな理念を掲げて介護事業に参入しているのだろうか。

事業運営の継続性を真剣に考えて、業務改善創研にコンサルティングを依頼しようとする介護事業者がもっと増えるよう期待しています。

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