人事自らを変えよう - 組織戦略・組織作り - 専門家プロファイル

安達瑠依子
sougen7 代表 人事コンサルタント
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対象:人事労務・組織

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人事自らを変えよう

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人事のあり方

ベンチャー企業の人事が遭遇すること

ベンチャー企業で長年、人事中心に仕事をしてきた関係で、その会社で初めて新卒を採用するとか人事制度を導入するなどという機会が多々ありました。 

ベンチャーは社員数が急速に増えている状況であることが多く、なおかつ創業当時のメンバーと会社が成長しかかった段階で中途入社で入ってくるメンバーとのカルチャーギャップや処遇の不均衡など、カオスのような状況で離職率も高いという特徴があります。

その解決のために人事部門というのは、黒子のような働き方ではなく、リーダーシップがなくては果たす事ができません。  カリスマ社長のように強いリーダーシップを発揮する経営者とともに、人事をテコにして組織改革や人材開発をしていくうえでは、そのカリスマ社長を納得させる専門性とリーダーシップが人事部門には求められます。

社長をその気にさせない限り、どんな制度やしくみを導入しても定着し、結果が出るところまで社員も頑張ることはありません。 業績に貢献しない人事は必要とされません。

逆説的には、ベンチャー企業における人事はそのような状況の中でもまれストレッチされる事で力を伸ばす事ができると言えるでしょう。

人事は自ら変ろう

ではもっと広く日本の企業における人事はどうでしょうか?ある時期、経営者の中に「人事部不要論」が喧伝されたことがありました。

私自身、ある経営者からそのような意見を直接聞いたことがあります。人事がやっていることは、仕事のための仕事であって、企業の業績に貢献しない。効果のない研修がいい例であると。現場が人を教育し人事権を掌握したほうが良い結果を生むなど。

人事は労務から採用、制度や人員計画などの企画、研修等の人材開発などどれをとっても専門性が高く、一人前になるのには経験と研鑽が必要です。

近年、日本では人事部門はいつのまにか経営のパートナーから業務を分割してアウトソーシングできる管理業務の部門になってしまいました。

一方で戦略人事という言葉も多く耳にしましたが、人事は戦略的どころか「情報の中継地点」でしかない事が増えたのではないでしょうか。

「人のプロ」であるはずが、社員の事もわからない、自ら経営に対して発信することがないのでは、確かにすべてをアウトソーシングされかねません。 アウトソーシングや外部のコンサルは上手に使い、内製化し自社でやるべきもの、上手に外部リソースを使うほうがパフォーマンスがよいもの、をコスト面だけでなく長期的な戦略の中で決定していくべきです。 

人事が今、何に注力すべきか経営とのコンセンサスはあるでしょうか?部門として企業の中でリーダーシップを発揮することが非常に少なくなったように思います。人事部門自体が保守的でチャレンジをする性質が育っていません。そのような力のない部門が厳しい景気の中で企業によい風をふかせて、会社をリードするというのは無理な話です。

長引く不況と成果主義のつけ、目標管理制度の運営の失敗、リストラ、新卒でさえ簡単に会社を糾弾する労務トラブルやメンタルヘルスの増加、もしくは採用マシーンとなった人事を多く見ます。疲弊していると言っても過言ではないでしょう。だからこそ、人事にはゼロベースで考える必要があります。

人事部門を批判するような内容になりましたが、わたくしは人事がリーダーシップを発揮すれば企業に多大な貢献があると思っています。  

今、「社員に最高のパフォーマンスを発揮させるのにはどうしたらよいか」という課題に人事が自ら実験として行動を起こす必要があると思います。人事自身が最高のパフォーマンスを発揮する時です。

「目標管理」に関するまとめ

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