事業者破産における破産管財業務(研修)を受講しました。 - 借金・債務整理全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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事業者破産における破産管財業務(研修)を受講しました。

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債務整理

eラーニングで日本弁護士連合会の研修を受講しました。

講座名       事業者破産における破産管財業務の留意点

 研修実施日  2010年6月23日開催

 実施団体名  日本弁護士連合会       

 

 [講師]
石井 三一 弁護士(愛知県弁護士会) 
吉川 武 弁護士(札幌弁護士会) 
髙木 裕康 弁護士(第2東京弁護士会)
桐山 昌己 弁護士(大阪弁護士会) 
吉岡 隆典 弁護士(福岡県弁護士会)
服部 一郎 弁護士(愛知県弁護士会)

 

 

 

No

 

講座タイトル

時間

 

 

 

01

 

事業者破産における破産管財業務の留意点 パート1

01:48:26

 

 

 

 

 

02

 

事業者破産における破産管財業務の留意点 パート2

01:27:43

 

 

 

 

 
 

03:16:09

 

 

 

     

 

 

 

 

 

 

 

 

                       

 

・契約の取り扱い

 

(双務契約)

第53条  双務契約について破産者及びその相手方が破産手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、破産管財人は、契約の解除をし、又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。

 前項の場合には、相手方は、破産管財人に対し、相当の期間を定め、その期間内に契約の解除をするか、又は債務の履行を請求するかを確答すべき旨を催告することができる。この場合において、破産管財人がその期間内に確答をしないときは、契約の解除をしたものとみなす。

 前項の規定は、相手方又は破産管財人が民法631条 前段の規定により解約の申入れをすることができる場合又は同法642条1項 前段の規定により契約の解除をすることができる場合について準用する。

第54条  前条1項又は第2項の規定により契約の解除があった場合には、相手方は、損害の賠償について破産債権者としてその権利を行使することができる。

 前項に規定する場合において、相手方は、破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存するときは、その返還を請求することができ、現存しないときは、その価額について財団債権者としてその権利を行使することができる。

 

(継続的給付を目的とする双務契約)

第55条  破産者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、破産手続開始の申立て前の給付に係る破産債権について弁済がないことを理由としては、破産手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。

 前項の双務契約の相手方が破産手続開始の申立て後破産手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、財団債権とする。

 前2項の規定は、労働契約には、適用しない。

 

(賃貸借契約等)

第56条 53条1項及び第2項の規定は、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を設定する契約について破産者の相手方が当該権利につき登記、登録その他の第三者に対抗することができる要件を備えている場合には、適用しない。

 前項に規定する場合には、相手方の有する請求権は、財団債権とする。

 

(委任契約)

第57条  委任者について破産手続が開始された場合において、受任者は、民法655条 の規定による破産手続開始の通知を受けず、かつ、破産手続開始の事実を知らないで委任事務を処理したときは、これによって生じた債権について、破産債権者としてその権利を行使することができる。

 

(市場の相場がある商品の取引に係る契約)

第58条  取引所の相場その他の市場の相場がある商品の取引に係る契約であって、その取引の性質上特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができないものについて、その時期が破産手続開始後に到来すべきときは、当該契約は、解除されたものとみなす。

 前項の場合において、損害賠償の額は、履行地又はその地の相場の標準となるべき地における同種の取引であって同一の時期に履行すべきものの相場と当該契約における商品の価格との差額によって定める。

 第54条1項の規定は、前項の規定による損害の賠償について準用する。

 第1項又は第2項に定める事項について当該取引所又は市場における別段の定めがあるときは、その定めに従う。

 第1項の取引を継続して行うためにその当事者間で締結された基本契約において、その基本契約に基づいて行われるすべての同項の取引に係る契約につき生ずる第2項に規定する損害賠償の債権又は債務を差引計算して決済する旨の定めをしたときは、請求することができる損害賠償の額の算定については、その定めに従う。

 

 

法人税法の改正により、解散事業年度の制度はなくなった。                                                                                             

 

・破産管財人の未払い給与等の源泉徴収義務はない。

最判平成23年1月14日

 破産管財人は,破産債権である所得税法199条所定の退職手当等の債権に対する配当の際にその退職手当等について所得税を徴収し,これを国に納付する義務を負うものではない。

                                                              

労働者健康福祉事業団の賃金及び退職金の立替払い                                                              

                                                              

・担保権消滅請求制度(破産法186条~)                                                              

                                                              

(担保権消滅の許可の申立て)

第186条  破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法 若しくは会社法 の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。)が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者の一般の利益に適合するときは、破産管財人は、裁判所に対し、当該財産を任意に売却し、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額に相当する金銭が裁判所に納付されることにより当該財産につき存するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる。ただし、当該担保権を有する者の利益を不当に害することとなると認められるときは、この限りでない。

 破産管財人が、売却によってその相手方から取得することができる金銭(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等(当該消費税額及びこれを課税標準として課されるべき地方消費税額をいう。以下この節において同じ。)に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「売得金」という。)の一部を破産財団に組み入れようとする場合 売得金の額から破産財団に組み入れようとする金銭(以下この節において「組入金」という。)の額を控除した額

 前号に掲げる場合以外の場合 売得金の額

 前項1号に掲げる場合には、同項の申立てをしようとする破産管財人は、組入金の額について、あらかじめ、当該担保権を有する者と協議しなければならない。

 第1項の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面(以下この節において「申立書」という。)でしなければならない。

 担保権の目的である財産の表示

 売得金の額(前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額)

 第1号の財産の売却の相手方の氏名又は名称

 消滅すべき担保権の表示

 前号の担保権によって担保される債権の額

 第1項1号に掲げる場合には、組入金の額(第1号の財産が複数あるときは、組入金の額及びその各財産ごとの内訳の額)

 前項の規定による協議の内容及びその経過

 申立書には、前項1号の財産の売却に係る売買契約の内容(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものを含む。)を記載した書面を添付しなければならない。

 第1項の申立てがあった場合には、申立書及び前項の書面を、当該申立書に記載された第3項4号の担保権を有する者(以下この節において「被申立担保権者」という。)に送達しなければならない。この場合においては、第10条3項本文の規定は、適用しない。

 

(担保権の実行の申立て)

第187条  被申立担保権者は、前条1項の申立てにつき異議があるときは、同条5項の規定によりすべての被申立担保権者に申立書及び同条4項の書面の送達がされた日から1月以内に、担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を裁判所に提出することができる。

 裁判所は、被申立担保権者につきやむを得ない事由がある場合に限り、当該被申立担保権者の申立てにより、前項の期間を伸長することができる。

 破産管財人と被申立担保権者との間に売得金及び組入金の額(前条1項2号に掲げる場合にあっては、売得金の額)について合意がある場合には、当該被申立担保権者は、担保権の実行の申立てをすることができない。

 被申立担保権者は、第1項の期間(第2項の規定により伸長されたときは、その伸長された期間。以下この節において同じ。)が経過した後は、第190条六項の規定により第189条1項の許可の決定が取り消され、又は同項の不許可の決定が確定した場合を除き、担保権の実行の申立てをすることができない。

 第1項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面が提出された後に、当該担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合には、当該書面は提出されなかったものとみなす。民事執行法188条 において準用する同法63条 又は同法192条 において準用する同法129条 (これらの規定を同法 その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定により同項の担保権の実行の手続が取り消された場合も、同様とする。

 第189条1項の不許可の決定が確定した後に、第1項の担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合において、破産管財人が前条1項の申立てをしたときは、当該担保権の実行の申立てをした被申立担保権者は、第1項の規定にかかわらず、同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を提出することができない。

 

(買受けの申出)

第188条  被申立担保権者は、第186条1項の申立てにつき異議があるときは、前条1項の期間内に、破産管財人に対し、当該被申立担保権者又は他の者が第186条3項1号の財産を買い受ける旨の申出(以下この節において「買受けの申出」という。)をすることができる。

 買受けの申出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。

 第186条3項1号の財産を買い受けようとする者(以下この節において「買受希望者」という。)の氏名又は名称

 破産管財人が第186条3項1号の財産の売却によって買受希望者から取得することができる金銭の額(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において買受希望者の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「買受けの申出の額」という。)

 第186条3項1号の財産が複数あるときは、買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額

 買受けの申出の額は、申立書に記載された第186条3項2号の売得金の額にその二十分の一に相当する額を加えた額以上でなければならない。

 第186条3項1号の財産が複数あるときは、第2項3号の買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額は、当該各財産につき、同条3項2号の売得金の額の各財産ごとの内訳の額を下回ってはならない。

 買受希望者は、買受けの申出に際し、最高裁判所規則で定める額及び方法による保証を破産管財人に提供しなければならない。

 前条3項の規定は、買受けの申出について準用する。

 買受けの申出をした者(その者以外の者が買受希望者である場合にあっては、当該買受希望者)は、前条1項の期間内は、当該買受けの申出を撤回することができる。

 破産管財人は、買受けの申出があったときは、前条1項の期間が経過した後、裁判所に対し、第186条3項1号の財産を買受希望者に売却する旨の届出をしなければならない。この場合において、買受けの申出が複数あったときは、最高の買受けの申出の額に係る買受希望者(最高の買受けの申出の額に係る買受けの申出が複数あった場合にあっては、そのうち最も先にされたものに係る買受希望者)に売却する旨の届出をしなければならない。

 前項の場合においては、破産管財人は、前条1項の期間内にされた買受けの申出に係る第2項の書面を裁判所に提出しなければならない。

10  買受けの申出があったときは、破産管財人は、第186条1項の申立てを取り下げるには、買受希望者(次条1項の許可の決定が確定した後にあっては、同条2項に規定する買受人)の同意を得なければならない。

 

(担保権消滅の許可の決定等)

第189条  裁判所は、被申立担保権者が第187条1項の期間内に同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を提出したことにより不許可の決定をする場合を除き、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を当該許可に係る売却の相手方とする第186条1項の許可の決定をしなければならない。

 前条8項に規定する届出がされなかった場合 第186条3項3号の売却の相手方

 前条8項に規定する届出がされた場合 同項に規定する買受希望者

 前項2号に掲げる場合において、同項の許可の決定が確定したときは、破産管財人と当該許可に係る同号に定める買受希望者(以下この節において「買受人」という。)との間で、第186条4項の書面に記載された内容と同一の内容(売却の相手方を除く。)の売買契約が締結されたものとみなす。この場合においては、買受けの申出の額を売買契約の売得金の額とみなす。

 第186条1項の申立てについての裁判があった場合には、その裁判が確定するまでの間、買受希望者(第1項2号に定める買受希望者を除く。)は、当該買受希望者に係る買受けの申出を撤回することができる。

 第186条1項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

 第186条1項の申立てについての裁判又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第10条3項本文の規定は、適用しない。

 

(金銭の納付等)

第190条  前条1項の許可の決定が確定したときは、当該許可に係る売却の相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額に相当する金銭を裁判所の定める期限までに裁判所に納付しなければならない。

 前条1項1号に掲げる場合 第186条1項各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額

 前条1項2号に掲げる場合 同条2項後段に規定する売得金の額から第188条5項の規定により買受人が提供した保証の額を控除した額

 前項2号の規定による金銭の納付があったときは、第188条5項の規定により買受人が提供した保証の額に相当する金銭は、売得金に充てる。

 前項の場合には、破産管財人は、同項の保証の額に相当する金銭を直ちに裁判所に納付しなければならない。

 被申立担保権者の有する担保権は、第1項1号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付があった時に、同項2号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付及び前項の規定による金銭の納付があった時に、それぞれ消滅する。

 前項に規定する金銭の納付があったときは、裁判所書記官は、消滅した担保権に係る登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。

 第1項の規定による金銭の納付がなかったときは、裁判所は、前条1項の許可の決定を取り消さなければならない。

 前項の場合には、買受人は、第2項の保証の返還を請求することができない。

 

(配当等の実施)

第191条  裁判所は、前条4項に規定する金銭の納付があった場合には、次項に規定する場合を除き、当該金銭の被申立担保権者に対する配当に係る配当表に基づいて、その配当を実施しなければならない。

 被申立担保権者が一人である場合又は被申立担保権者が二人以上であって前条4項に規定する金銭で各被申立担保権者の有する担保権によって担保される債権を弁済することができる場合には、裁判所は、当該金銭の交付計算書を作成して、被申立担保権者に弁済金を交付し、剰余金を破産管財人に交付する。

 民事執行法85条 及び第88条 から第92条 までの規定は第1項 の配当の手続について、同法88条 、第91条及び第92条の規定は前項の規定による弁済金の交付の手続について準用する。

 

    第3節 商事留置権の消滅

第192条  破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき商法 又は会社法 の規定による留置権がある場合において、当該財産が第36条の規定により継続されている事業に必要なものであるとき、その他当該財産の回復が破産財団の価値の維持又は増加に資するときは、破産管財人は、留置権者に対して、当該留置権の消滅を請求することができる。

 前項の規定による請求をするには、同項の財産の価額に相当する金銭を、同項の留置権者に弁済しなければならない。

 第1項の規定による請求及び前項に規定する弁済をするには、裁判所の許可を得なければならない。

 前項の許可があった場合における第2項に規定する弁済の額が第1項の財産の価額を満たすときは、当該弁済の時又は同項の規定による請求の時のいずれか遅い時に、同項の留置権は消滅する。

 前項の規定により第1項の留置権が消滅したことを原因とする同項の財産の返還を求める訴訟においては、第2項に規定する弁済の額が当該財産の価額を満たさない場合においても、原告の申立てがあり、当該訴訟の受訴裁判所が相当と認めるときは、当該受訴裁判所は、相当の期間内に不足額を弁済することを条件として、第1項の留置権者に対して、当該財産を返還することを命ずることができる。

                                         

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