- 塚本 有紀
- フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
- 大阪府
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
神戸ポートピアホテルにある「トランテアン」へ
神戸市中央区港島中町6丁目10-1
神戸ポートピアホテル31階
http://www.portopia.co.jp/restaurant/trente.html
近江牛のしゃぶしゃぶの入ったごぼうのスープ
以前このホテルにあった「アラン・シャペル」が終了。新しいレストランはホテルの開業31年であること、31階にあることを掛け合わせ、「trente en un31」という名前になったのだそうです。
このレストランはリヨンのマチュー・ヴィアネイさん率いるメール・ブラジィエLa mere Brazierと提携していて、メニューにもそのレストランのメニュー「メニュー クラシック」があるのです。これはブラジィエさんが1921年にレストランを始めた頃からのものなのだそう!
私は以前マチュー・ヴィアネイさんの講習会に参加したことがあります。講座では、現代に生きるクラシック料理が披露されました。私はクラシックが大好きです。クラシックをふまえ、かつ現代的に少し軽く、美しく、蘇らせる技にとても感銘を受けました。
だからまたリヨンに行くことがあったら、ぜひこのレストランに行ってみたいと思い続けていたのです。
ズワイガニ、ポテトのパレ Palets tiedes de crabe 'Zuwai', poireau et pomme de terre
アーティチョークとフォワグラのテリーヌ Artichaut et foies gras
上の段はブレス産のプーラール(雌鶏)とフォワグラ、下の段がアーティチョークです。大好きなものばかりの組み合わせ!
オマール海老と小野菜のカソレット、アプサンの香り Cassolette de homard et petits légumes, jus de carapaces a l'absinthe
水ではなく、生クリームでオマールの殻を煮出し、フランスのバターで繫いでいるのだそう。何とも言えないぎゅっと詰まった滑らかなコクを感じます。
カソレットとは両端に耳のついた、円形の陶器の浅いグラタン皿のことです。そのまま料理の名前にもなります。アプサンはにがよもぎのお酒。
オマール好きな私にはもうたまらない味!
リー・ド・ヴォーのグルノーブル風、キノコとポテト添え Pomme de ris de veau a la Grenoble champignons et pomme de terre
リ・ド・ヴォとは仔牛の胸腺のことで、お乳を飲むために喉元にある器官です。お乳を飲むためのものなので、仔牛の間だけ存在します。ちょっとむちっとした食感で、これまたメニューにあるとまず注文してしまう存在。
フォンを使ったオーソドックスな茶色いソースは私にはとても和める、なじんだ味わいです。
このメニューばかり注文されるお客さんがあるのが、よく分かります。
私もまた食べたいと思います。
ワインはヴォーヌ・ロマネの2006年
同席者がブルゴーニュにぶどう摘みに行ってこられたこと、私ももうひとかたもブルゴーニュが大好き!
というわけで、盛り上がって注文してみました。
びっくりするくらいの、ものすごく強い花の香りに充ち満ちています。華やか! ここまで花を感じるワインは初めてです。
チーズのワゴンのあと、マドレーヌとソルベのアヴォン・デセール(この二つもスペシャリテ)
一直線のパリ・ブレストとノワゼットのアイスクリーム Paris-Brest en ligne directe, glace aux noisettes caramélisées, pralin
私は長い時間に裏打ちされたクラシック料理がとても好きなのですが、かつこれを現代向けに蘇らせる技に興味があります。深いおいしさが、「心ゆくまで食べた!」という実感を伴って感じられるのです。
大満足で帰ってきました(大阪に着くと、地下鉄の最終がちょうど行ったところでした・・。しまった!)。
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