贈与により財産を取得した人には贈与税の納税義務が発生します。
その贈与税を計算するベースとなる財産の課税価格は「贈与の時の相続税評価額」です。
単純に財産の贈与を受けた時にはこれで贈与税の計算は終了です。
しかし、特殊な贈与として「負担付贈与」というものがあります。
例えば
土地を贈与する見返りに、残りの借入金を負担してくれ
といったケースです。
つまり、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産(=債務)も併せて贈与するというケースです。
これを「負担付贈与」といいます。
負担付贈与の場合、通常の贈与と若干異なります。
負担付贈与の場合、マイナスの財産をも引き継ぐわけですから、贈与税の計算にあたっては
贈与財産の価額-負担額
に対して贈与税が課税されます。
ここで注意したいのが「贈与財産の価額」です。
負担付贈与の場合には、通常の贈与と異なり「その取得の時における通常の取引価額に相当する金額」となることです。
「その取得の時における通常の取引価額に相当する金額」とは、つまりは「時価」です。
例えば、上記のケースで、土地の時価が2,000万円、相続税評価額が1,500万円、借入金が1,200万円だったとします。
通常の贈与であれば、贈与税の課税価格は1,500万円ですが
負担付贈与であれば、2,000万円-1,200万円=800万円となります。
1,500万円-1,200万円=300万円とはならないのです。
親から子へ土地などの財産を借入金の残債と併せて贈与する場合、注意が必要です。
このコラムに類似したコラム
孫への教育資金贈与 藤本 厚二 - ファイナンシャルプランナー(2013/02/21 21:25)
相続時精算課税適用対象者の範囲の改正 大黒たかのり - 税理士(2013/02/21 09:00)
相続税の増税と贈与税の減税 大黒たかのり - 税理士(2013/02/21 10:00)
税制改正の目玉 教育資金贈与の注意点とは 大黒たかのり - 税理士(2013/02/01 10:59)
税制改正大綱 相続税・贈与税 大黒たかのり - 税理士(2013/02/01 08:00)