米国特許法改正規則ガイド 第2回 (第2回) - 各種の特許・商標・著作権 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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米国特許法改正規則ガイド 第2回 (第2回)

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米国特許法改正規則ガイド (第2回)

 第2回

河野特許事務所 2012年5月28日 執筆者:弁理士  河野 英仁

 

(10)新旧規則対比表

改正前

改正後

 

 

1.20  特許発行後の手数料

* * * * *

(c) * * *

 (1)査定系再審査請求費用

(§ 1.510(a)) ............................ $17,750.00

* * * * *

 (6)規則1.550(i)( 査定系再審査手続の実施)及び1.937(d)(当事者系再審査の実施)に列挙される場合を除く、再審査手続における嘆願書の提出......................... $1,930.00

 (7)規則1.510に基づき拒絶された査定系再審査請求費用(査定系再審査請求費に含まれる) ........................... $4,320.00

* * * * *

 (k)補充審査手続:

 (1)補充審査請求の手続及び処理費     .........................$5,180.00

(2) 補充審査手続の結果命じられた査定系再審査費.......................$16,120.00

(3)補充審査手続における手続及び処理費であって、非特許文献で20頁を超える長さのものは、1頁当たり以下の料金となる。

  (i)21頁~50頁....................       $170.00

  (ii)追加の50頁毎、または、その端数・・     $280.00

 

§1.26 払戻

 (c) 長官が,§1.510に基づいて提出された査定系再審査に関し,再審査手続を行わない旨の決定をしたときは,再審査請求人に$1,690が払い戻される。§1.913に基づいて提出された当事者系再審査に関しては,再審査請求人に$7,970が払い戻される。再審査請求人は払戻の形式(例えば,小切手,電子送金,予納口座への振込等)を指示しなければならない。一般的には,再審査に係る払戻は,元の納付が行われた形式によって行われる。

規則1.26 払い戻し

* * * * *

 (c) 長官が,再審査請求または補充審査請求に対し再審査手続を行わない旨の決定をしたときは,再審査請求または補充審査請求に支払った料金は、本セクションパラグラフ(c)(1)~(c)(3)の規定に従い払い戻し、または、返還される。再審査請求人または補充審査手続を請求した特許権者は、必要に応じて、払戻の形式(例えば,小切手,電子送金,予納口座への振込等)を指示しなければならない。一般的には,再審査に係る払戻は,元の納付が行われた形式によって行われる。

 (1)査定系再審査に関し、長官が、査定系再審査手続を開始しないと決定した場合、査定系再審査請求人により支払われた査定系再審査請求費用は、規則1.20(c)(7)に規定された料金を差し引いて、請求人に払い戻しされる。

  (2)当事者系再審査に関し、長官が、当事者系再審査手続を開始しないと決定した場合、$7,970が再審査請求人に払い戻される。

  (3)補充審査請求に関し、長官が、再審査手続を開始しないと決定した場合、規則1.20(k)に規定された補充審査の結果として命じられた再審査費用は、補充審査手続を請求した特許権者に払い戻しされる。

 

 

規則1.550 査定系再審査手続の実施

* * * * *

 (i)査定系再審査手続における嘆願書は、規則1.20(c)(6)に規定された手数料を添付しなければならない。ただし、特許権者による対応のための期間延長に係る本セクションパラグラフ(e)に基づく嘆願書、特許権者による遅延対応を容認するための本セクションパラグラフ(e)に基づく嘆願書、故意ではない遅延利益主張を容認するための規則1.78(先の出願日の利益の主張及び他の出願との相互参照)に基づく嘆願書、及び、再審査手続における発明者名訂正のための規則1.530(l)( 査定系又は当事者系再審査手続による発明者名の訂正)に基づく嘆願書は除く。

 

改正後

副部E 特許補充審査

規則1.601 補充審査文書の提出

 (a)特許補充審査請求は特許における権利、権原及び利害の全体についての所有者により提出されなければならない。

 (b)特許権者は、請求の一部として、本章規則3.73(b)の規定に従う提出を行うことによりパラグラフ(a)の特許所有権の利害全体を確立しなければならない。

 (c)特許権者を除く者(すなわち第三者)は補充審査手続において、書類の提出またはその他いかなる形態での参加も禁じられる。

規則1.605  情報項目

 (a)補充審査の各請求人は、特許に関連すると思われる10を超えない情報項目をUSPTOが考慮、再考慮または修正するよう請求することができる。同一特許に係る2以上の補充審査請求はいつでも提出することができる。

 (b)「情報項目」は、特許権者がUSPTOに考慮、再考慮または修正するよう要求する特許に関連すると思われる情報を含む請求の部分として、提出された書類を含む。この考慮、再考慮または修正すべき情報が、少なくとも部分的にも、当該請求の部分として提出された何らかの書類に含まれておらず、またはそのような書類に依拠していない場合、その情報に係る請求本文中の議論は、情報項目の1つとして考慮される。

 (c)情報項目は規則1.2(手続は書面によること)に従い書面によるものでなければならない。音声または映像記録は、考慮されるためには、書面に書き換えた形態で提出しなければならない。

 (d)請求において、情報の一項目が一または複数の他の情報項目に組み合わされる場合(考慮、再考慮または修正すべき事項を提起するために情報項目を組み合わせる必要があると思われるケースを含む)、組み合わせのうちの各情報項目を別々に数えてもよい。非英語文献とその翻訳、及び、長さ50頁を超える文書と規則1.610(b)(11)に従うその要約の組み合わせは、例外である。

規則1.610 補充審査請求の内容

 (a)請求は規則1.20(k)(1)に規定する補充審査請求提出費用、規則1.20(k)(2)に規定する補充審査手続の結果命じられた再審査費用、及び、規則1.20(k)(3)に規定する文書量に応じた費用を添付しなければならない。

 (b)補充審査請求は、本セクションパラグラフ(b)(1)~(12)の各要素を含まなければならない。

 (1)請求の一部として提出される各要素を箇条書きにしたカバーシート

 (2)請求内容の目録

 (3)補充審査を請求する特許の番号、発行日及び第1発明者の特定

 (4) 考慮、再考慮または修正を要求する各情報項目のリスト、及び、各情報項目の公開日。該当する場合、以下の事項を記載する。

  (i)当該特許の先の審査で考慮されなかった各情報項目を特定し、かつ、情報項目の考慮を請求する理由を説明すること。

  (ii)当該特許の先の審査で適切に考慮されなかった各情報項目を特定し、かつ、情報項目の再考慮を請求する理由を説明すること。及び

  (iii) 当該特許の先の審査で誤りであった各情報項目を特定し、かつ、どのように修正されるかを説明すること。

 (5)他の先行または同時継続中の付与後特許に係るUSPTO手続(補充審査が請求されている特許に関する手続)を特定するリスト。これには、手続(例えば、査定系再審査、当事者系再審査、再発行、補充審査、付与後レビュー、当事者系レビュー)のタイプの特定、そのような手続の番号(例えば、管理番号または再発行特許出願番号)の特定、及び、そのような手続の提出日が含まれる。

 (6)補充審査が請求されている特許の各態様の識別。これには審査されるクレームにおいて、米国特許法第112条(f)に規定する各means-plus-function または step-plus-functionに対応する明細書の構造、材料または作用の識別が含まれる。

 (7)各情報項目により提起された各争点の識別

 (8)各特定された争点の独立した詳細な説明。これは各情報項目が審査のために特定される各特許の態様にどのように関係するか、かつ、各情報項目が審査のために特定される各争点をどのように提起しているかを論ずるものであり、以下を含む。:

   (i)特定された争点が米国特許法第101条(保護適格性)(重複特許を除く)または米国特許法第112条(記載要件)に関わる場合、当該争点に対して審査のため特定された各クレームの各構成要件の明細書中でのサポートを論ずる説明を含むこと。 及び

  (ii)特定された争点が、米国特許法第102条(新規性)、103条(非自明性)または重複特許適用に関わる場合、審査のため特定された各クレームの各構成要件が、各情報項目により当該争点に対してどのように合致するか、または、合致しないかの説明を含むこと。この詳細な説明には、当該クレームが当該情報項目といかに区別されるかについての説明も含んでよい。

 (9)補充審査が請求される特許の写し、及び、当該特許について発行された放棄書,訂正証明書、延長証明書、補充審査証明書、付与後レビュー証明書、当事者系レビュー証明書、または、再審査証明書の写し

  (10)非英語文献中の必要かつ該当部分の全てについての英語翻訳文を伴う、本セクションパラグラフ(b)(3)にリストされた各情報項目の写し。規則1.605(b)に規定された請求本文中で議論の部分をなす情報項目、及び、米国特許及び米国公開公報の写しは提出すべきものとして要求されない。

 (11)請求書を除いて長さ50頁を超える提出書面の関連部分の要約。当該要約は関連部分を含む特定のページに対する引用を含まなければならない。

 (12)規則1.601(b)に規定されているとおり審査するよう請求される特許における全所有権を確立する本章規則3.73(b)に従う特許権者による提出

 (c)請求にはまた、請求と共に提出された各情報項目が、実質的で新たな疑問を提起している理由あるいはしていない理由の説明を含めてもよい。

 (d)補充審査請求の提出日は、当該請求が規則1.605,1.615及び本セクションに従っていない場合、認められない。請求に不備があっても、USPTOの裁量により、本セクション(b)(1)または(b)(2)に規定される一つ以上の要件が欠けているという不備に限り、提出日を取得できる。

 (e)USPTOが、原提出に係る請求が提出日を取得するための本セクションパラグラフ(d)の要件を満たさないと判断した場合、特許権者にはその旨が通知され、所定期間内に当該請求を完備する機会が与えられる。特許権者が適時に当該通知に従わない場合、補充審査請求は提出日が認められず、規則1.20(k)(2)に規定する再審査費用は返還される。特許権者が当該通知に対し、通知に記された全ての不備に適切に対処し、かつ、その他規則1.605,1.615及び本セクションの全要件に従うよう修正請求を適時に提出した場合、補充審査請求提出日は、修正請求の受領日となる。

規則1.615 補充審査手続において提出される書類の形式

 (a)補充審査手続において提出される書類は、規則1.52(言語,用紙,記載,余白,コンパクトディスク明細書)に従い、特許権者/請求人により作成された補充審査請求書、及び、その他の書類、例えば、非英語文献の翻訳、音声または映像の筆記録、宣誓書または宣言書及び規則1.610(b)(11)に従う長さ50頁を超える書面の要約を含む形式でなければならない。ただし、目次、履歴(curriculum vitae)、クレームチャート、裁判所文書、第三者が作成した宣誓書または宣言書、特許公開公報及び非特許文献は例外である。全ての文書は、十分な明確性を有し、かつ用紙と文字または画像のコントラストをはっきりさせた形式で提示し、デジタル画像及び光文字認識を使用することにより容易に判読可能な写しを直接再現できるようにしなければならない。

 (b)裁判所文書及び非特許文献は編集されても良いが、編集部分以外の内容及び形式は原書類および裁判所文書に関しては裁判所に提出した裁判所文書と同一でなければならず、また、サイズを縮小したり、特にフォントタイプ、フォントサイズ、行間及びマージンを変更したりしてはならない。特許、特許公開公報及び第三者作成の宣誓書または宣言書はサイズを縮小したり、その他本パラグラフで規定される態様で変更したりしてはならない。

規則1.620  補充審査手続の実施

 (a)補充審査請求の提出日から3月以内に、USPTOは特許クレームに影響を与える特許性に関する実質的で新たな疑問が、請求において提示された情報項目により提起されているか否かを判断する。この判断は一般に、特許の特定された態様に対して適用されるように、請求において特定される争点のレビューに制限される。この判断は決定時において効力を有するクレームに基づき、特許のオフィシャルレコードの一部となる。

 (b)USPTOは、補充審査手続が規則1.625に規定する補充審査証明書の電子発行により終了するまで、補充審査手続で提出された嘆願書または他の書面における手続を保留する。

 (c)無許可の書類またはその他不適切な書類が補充審査手続において提出された場合、オフィシャルファイルには入れられずまたは考慮されない、若しくは、不注意で入れられた場合、当該書類は抹消される。

 (d)特許権者は、現在の補充審査が請求された特許に関する先のまたは同時に行われる付与後特許USPTO手続を他に発見した場合はできるだけ早く、付与後特許USPTO手続通知に限定される書面を提出しなければならない、ただし当該通知が当該請求以前になされていない場合に限る。当該通知は、現在の補充審査手続の発行について、または、特定された付与後特許USPTO手続について議論することなく、形式(例えば、査定系または当事者系再審査、再発行、補充審査、付与後レビュー、または、当事者系レビュー)、そのような手続を特定する番号(例えば、管理番号または再発行出願番号)、及び、当該手続の提出日を含む、付与後特許手続の識別に限られるものとする。

 (e)面接は補充審査手続において禁じられる。

 (f) 補充審査手続においては、特許のいかなる局面に対する補正も認められない。

 (g)補充審査または米国特許法第257条に基づき命じられた再審査の間に、USPTOが、審査請求された特許に関しUSPTOに対する重大な詐欺に気付いた場合、補充審査手続または米国特許法第257条に基づき命じられた再審査手続は継続され、当該事項は米国特許法第257条(e)の規定に従い司法長官に照会される。

規則1.625補充審査の結論;補充審査証明書の発行;結論後の手続

 (a)補充審査手続は補充審査証明書が電子的に発行された際に、結論づけられる。補充審査証明書は請求における情報項目のいずれかが特許性に関する実質的で新たな疑問を提起しているか否かの判断結果を示す。

 (b)補充審査証明書が、特許性に関する実質的で新たな疑問が、請求において一または複数の情報項目により提起されていると記載している場合、特許の査定系再審査が米国特許法第257条に基づき命じられる。

査定系再審査手続の結果に基づき、査定系再審査が米国特許法第257条に基づき命じられたことを詳述する声明を含む査定系再審査証明書が発行される。

電子的に発行された補充審査証明書は特許の公衆記録の一部として維持される。

 (c)補充審査証明書が、特許性に関する実質的で新たな疑問が、請求における情報項目により提起されていないということを示し、かつ査定系再審査が米国特許法第257条に基づき命じられない場合、電子的に発行される補充審査証明書は時期が来れば発行される。規則1.20(k)(2)に規定する補充審査の再審査費用は規則1.26(c)に基づき返還される。

 (d)米国特許法第257条に基づき命じられた査定系再審査は、以下の例外を除き査定系再審査について規定する規則1.530~1570に従い実施される。

 (1)特許権者は、規則1.530(特許所有者による査定系再審査における陳述;特許所有者による査定系又は当事者系再審査における補正;査定系又は当事者系再審査における発明者名の変更)に従う声明を提出する権利を有さず、かつ、当該命令はそのような声明を提出する期限を設定しない。

 (2)規則1.552(a)( 査定系再審査手続における再審査の範囲)の規定にかかわらず、特許のいずれかの局面に対する再審査は規則1.605に規定される情報項目に基づき実施でき、かつ、特許及び刊行物、または、再審査手続において追加または削除された主題に制限されない。

 (3)特許及び刊行物、並びに、再審査手続中に追加または削除された主題により提起された追加争点は、規則1.552(c)の規定にかかわらず考慮されかつ解決される。

 (4)特許性に関し重要な情報は、規則1.555(b)( 査定系再審査及び当事者系再審査の手続における特許性にとっての重要情報)の規定にかかわらず、規則1.56(b)( 特許性に関する重要情報の開示義務)により定義される。

 

(第3回へ続く)

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