先月末、愛知県豊田市民文化会館にて第24回管楽器個人・重奏コンテスト本大会が行われました。この大会はアンサンブルコンテストとソロコンテストの大会で、出場は愛知、岐阜、三重、長野、静岡、石川、福井、富山、滋賀の各県と名古屋市からの代表チームが出場されました。大会名は「管楽器コンテスト」ですが打楽器のソロもアンサンブルもばっちりあります。
私が聴いたのは2日目の中学と小学校(2チーム)の演奏でした。個人の部すなわちソロが小ホール、重奏の部(1チーム2人から10人以内)すなわちアンサンブルが大ホールで同時に進行されるため、小ホールと大ホールを行ったり来たりしながら聴きました。
この大会でソロコンテストを聴くのは初めてでしたがレベルの高さに驚きました。プログラムを見ると音大生の試験曲や大人のコンクールのようですが中身も素晴らしい。結果は優秀賞、優良賞、佳良賞と分かれてしまいました結果だけでは判断が難しく、どの出演者も素晴らしい演奏でした。音色の良さ、各楽器らしい音の響きがきちんと作られていたのが一番のポイントでした。
重奏の部門は全日本吹奏楽連盟主催のアンサンブルコンテスト全国大会も終了した時期でもありどの団体も曲想が練られており、何回かステージをこなしてきた感、場慣れした感が感じられ落ち着いた演奏が多くありました。50チーム中パーカッションアンサンブルが11チーム、管楽器との合同アンサンブルが4チームと、近年パーカッションアンサンブルの演奏チーム数や代表数が増えています。演奏内容もステージの上の打楽器も充実していました。
この日の演奏で印象に残っているのは名古屋市立神丘中の木管五重奏「イベール:3つの小品」、滋賀県立河瀬中の管打八重奏「ノルドグレン:小泉八雲の怪談によるバラード」でした。各楽器の音色の良さが目だちながらも楽器間のバランスが良く、中学生離れした演奏でした。
春休み中の開催ということもありこの大会で3月末に転任される顧問の先生との最後のステージという学校も見受けられ、ロビーでは心温まる光景も見られました。
このステージをステップに新年度もがんばって欲しいと思います。
◇平成23年度 第24回 管楽器個人・重奏コンテスト本大会◇
主催:中部日本吹奏楽連盟 中日新聞社
日時:2012年 3月28日(水) 高校個人・重奏の部、一般個人・重奏の部
29日(木) 中学個人・重奏の部、小学校重奏の部
会場:豊田市民文化会館 小・大ホール
このコラムの執筆専門家
- 成澤 利幸
- (長野県 / 音楽家、打楽器奏者)
- 成澤打楽器音楽教室
音楽はみんなのもの
楽器の演奏は専門家からのちょっとしたアドバイスによりスムーズに上達したり音楽の奥深さに触れることがあります。ドラムやマリンバ、いろいろな打楽器のレッスンを通して皆さんのお力になれればと思います。
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