定年制 - 労働問題・仕事の法律全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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対象:労働問題・仕事の法律

村田 英幸
(弁護士)
田中 圭吾
(行政書士)

閲覧数順 2016年12月10日更新

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2 定年制

 定年制とは,労働者が一定の年齢に達したときに労働契約が終了する制度です。

定年制は就業規則に必ず記載されなければならない事項です(労働基準法89条3

号)。

(1)高年齢者等の雇用の安定等に関する法律

就業規則における定年制の定めを60歳未満にすることは,高年齢者等の雇用の

安定等に関する法律により,禁止されます(同法8条)。この規定に反して60歳を下回る定年の定めをした場合,その定めは,無効となり,定年の定めがないことになります。また,65歳未満の定年を定めをしている事業主は,その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため,①当該定年の引上げ,②継続雇用の制度の導入,③当該年齢の廃止のいずれか(「高年齢者雇用確保措置」)を講じることを義務付けられます(同法9条)。これらは,公法上の義務ですが,就業規則の合理性や解雇権濫用の判断において十分に考慮されることとなります(菅野和夫『労働法第9版』462頁)。

(2)個別の特約と就業規則

 例えば,就業規則上定年が65歳の企業に定年70歳の特約で雇用された者の定年

は70歳となり(労働契約法7条ただし書参照),就業規則を変更して定年を引き下

げても,その者の定年は70歳のままです(労働契約法10条ただし書参照)。また,

就業規則上定年が65歳の企業に65歳の定年までを保障されて雇用された者につい

ても,就業規則を変更して定年を引き下げても,その者の定年は65歳として維持さ

れます(労働契約法10条ただし書参照)。

(3)定年後の再雇用

 定年後の再雇用は,新たな労働契約の締結になりますから,使用者には,雇用の

自由が認められ,再雇用する者を選別したり,再雇用を拒否することができます。もっとも,一部の企業においては,定年到達者との契約を解消することなく,

そのまま雇用し続けているような場合があります。このような場合,労使間で慣例

として行われている労働条件等に関する取扱いが,事実たる慣習として労働契約の

内容となっていれば定年到達者との間に定年到達後も労働契約が認められ,定年延

長の拒否は,合理的理由のない解雇として無効となります(東京地判平成14・12・

25労判845号33頁)。そして,労使慣行が事実たる慣習(民法92条)として労働

契約となる要件は,①その慣行が長期間にわたって反復継続し,②それについて労

使双方が明示的に異議をとどめず,特に使用者のそれに従うという規範意識に支え

られていること(最判平成7・3・9労判679号30頁,東京地判平成14・12・25労

判845号33頁)です。

 

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