- 高荷 智也
- ソナエルワークス 代表
- 静岡県
- 備え・防災アドバイザー
対象:防災
- 松島 康生
- (危機管理/BCP/防災計画コンサルタント)
- 松島 康生
- (危機管理/BCP/防災計画コンサルタント)
こんにちは。備え・防災アドバイザーの高荷です。
世界でも有数の豪雪地帯に都市を多く保有する日本、冬期における暖房は社会を維持する為に欠かせない要素です。今回はこの暖房用のエネルギー備蓄について考察してみたいと思います。
防寒対策には2つの考え方があります。
1)外部の冷気を遮断できる空間を作り出す。・どれだけ暖房を入れても外部からいくらでも冷気が入ってくるのであれば意味がありません。
→自宅の耐震化、余分な衣服や防寒着を防災用品と一緒に用意、が有効でしょうか。
2)エネルギーを消費して熱を作り出す。
・まずは暖房のことを考えます。・また人間自体にも寒さに耐えるエネルギーが必要ですので食事も重要です。
→電気を使わない石油ストーブ、カラダの内部を温めるために食品とカセットコンロ&ボンベ、が有効でしょうか。
(1)について
・究極的には、高気密・高断熱に優れる住宅にレベルの高い耐震処置を施して、震災時に自宅から外へ出なくて済むようにするのが理想です。
・次点としては寒さをしのげる空間、倉庫、物置、車などを用意(または人が入れるようにしておく)か、テント、ビニールシートなどを用意しておいてこれらに準ずる空間を作り出せるようにしておくことです。
・身近には防寒着を防災用品と一緒に保管しておく、毛布やブランケット、アルミの断熱シートなどを用意して置くことも考えられます。ただ防寒着は必須ですが、日常生活を送る上での防寒を考えるのであれば毛布などは少し意味合いが違ってきます(毛布を被ったまま生活はできません)。
(2)について
・非常時の暖房として優れているのは、下記の様に単体の燃料で稼働するストーブです。
1)薪ストーブ
2)灯油ストーブ(電気式のファンヒーターをのぞく)
3)コークス(石炭)ストーブ
薪ストーブなどは燃料の現地調達も可能ですし(そういった意味ではBBQ用のコンロなどもいいのでしょうが)、灯油ストーブは上にヤカンを置いたり餅を焼いたりできるあの形が望ましいです。
一方、ガス・石油などのファンヒーター、灯油FF(北海道限定?)、エアコン、電気ストーブ、ハロゲンヒーター、オイルヒーターなど、電気がなければ稼働しない暖房器具は今ひとつ、ということになります。
・また寒冷地で活動するためには人間自体にもエネルギーが必要ですので、食品の用意が必須です。またできるだけ暖かいものが望ましいことは言うまでもありませんので、熱源となる調理器具も必要です。
→カセットガスコンロ&ボンベ(気温がマイナスになるような場所の場合は、ハイパワーボンベ(中身がブタンではなくイソブタンやプロパンのもの)が必要)は使うシーンも多く便利です。
→石油ストーブも、ある意味調理器具になりますので便利ではないかと思います。最近のアパートやマンションでは使用が禁止されている場合もありますので確認が必要なことや、また換気をしないと一酸化炭素中毒で死んでしまうことがネックですが。
カセットガスは、ガスストーブ用ではなくガスコンロ用に備蓄をするのがよいかと思います。
燃料について
・灯油ストーブを準備する場合は、灯油が必要です。灯油は冷暗所に保管すれば急速に劣化するものではありませんので、灯油を満タンにしたポリタンクを夏場でも高温になりすぎない物置などに保管できればベストです。ワンシーズン程度は問題が無いようです。
・カセットガスボンベは、外部のボンベ缶が腐食しない限り消費期限はありませんので、密封した袋などに入れて置けば数を揃えておけます。この場合も高温になりすぎない場所であれば、むしろ室内でもかまいません。ちなみにワタシの場合は寝室に50本近くのカセットガスを保管しています。
・太陽光発電システムも有効です。日中限定ですが電気系の調理器具を動かして暖かい食べ物を作ることができますし、またエネループなどの充電池と充電池式のカイロを用意して置けばそれを使って暖を取ることもできます。
以上
このコラムの執筆専門家
- 高荷 智也
- (静岡県 / 備え・防災アドバイザー)
- ソナエルワークス 代表
備え・防災は、日本のライフスタイル。
「自分と家族が死なないための防災対策」と「経営改善にもつながる緊急時に役立つBCP」のポイントを解説するフリーの専門家。自然災害から原発事故、企業の危機管理まで分かりやすく実践的なアドバイスに定評があり、テレビや各メディア媒体への出演多数。
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