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松島 康生
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閲覧数順 2016年12月02日更新

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耐震診断と耐震補強の落とし穴

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災害リスク評価研究所 災害リスクアドバイザーの松島康生です。

 

今回は最も問い合わせが多い建物の耐震性や「耐震診断」「耐震補強」について気をつけなければならない点をまとめてみましたので、耐震診断や耐震補強工事を検討されている方は参考にしていただければ幸いです。

 

■地震防災の要は建物(家)!
建物を地震から守ることは極めて重要です。その理由に阪神・淡路大震災で亡くなった方の約8割が建物の倒壊によるものということは周知のことと思います。東日本大震災では津波による流出全壊の印象がありますが、全半壊建物396,900棟のうち、124,800棟が津波による被害数で、残りの272,000棟以上の建物は地震の揺れによる被害です。また、東日本大震災は震源から遠く揺れの周期がゆっくりだったため、被害が少なかったとされていますが、震源が近くもっと激しい揺れになった場合は建物被害がさらに拡大していただろうと言われています。

今後、予想される大地震に対して、家具の転倒防止などを行うことは大切なのですが、住んでいる家が倒壊しては意味がありません。まずは建物の耐震性をチェックすることからはじめましょう。

阪神・淡路大震災と東日本大震災の揺れの違い

 

 

■地震で壊れる住宅「6つの弱点」

日経ホームビルダーで「リフォームしたばかりの家が倒れた」というタイトルで2007年の新潟県中越沖地震において、リフォームしたばかりの家が倒壊した記事が掲載されていました。地震による弱点を明確に書かれていた記事だったので箇条書きに整理してみました。

地震で壊れる住宅「6つの弱点」

 

 

■新耐震基準の盲点

昭和56年(1981年)に建築基準法が改正され、新しい耐震基準が施行されました。これがいわゆる新耐震基準と呼ばれている建物ということになります。よく言われるのが新耐震基準の建物は震度いくつまで耐えられるのかという事です。震度は気象庁が定めたものであり、建築基準法上では建物が瞬間的に移動する速度(加速度)にどれだけ耐えられるのかを基準としているので整合がとれていない現状があります。 一般的な目安としては震度6強よりも少し上程度だと認識しておけばよいかと思います。

この新耐震基準を要約すると「致命的な損害を回避し、すぐには崩壊しない程度に人命を保護する」こととされています。

このため施工会社によっては耐震基準ギリギリで設計・施工されていることもあり、最初の大地震には耐えられても余震など複数回の地震によって倒壊することも考えられるのです。 また、軟弱地盤や液状化地盤では揺れがもっと増強されるため、損害がもっと大きくなることも予想されます。 このようなことから新耐震基準をクリアした建物であっても震度6強以上の地震に対して「絶対に安全」という保証はないということを認識しておく必要があります。

 

 

■耐震診断の費用を補強工事に上乗せされていないか

都道府県や市町村などが行っている質問形式の机上の耐震診断とは違い、最近では耐震診断が無料~数万円程度の安価なものが増えてきました。その一方で悪意のある業者は耐震診断の費用を耐震補強工事代金に上乗せしているケースがあるようです。極端に安い耐震診断には注意をして信頼ある会社に依頼しましょう。

  

■耐震補強工事を複数の会社へ相見積(比較)がしづらい

上記と同様に、耐震診断した会社がそのまま補強工事を請負うことが多いため、実質は相見積(比較)をしていない現状があります。これは他の会社が作成した耐震補強工事設計書で相見積をすることを嫌う傾向にあるからだとされています。

 

■地盤に合わせた耐震補強をしていない

一部の建設会社や工務店は液状化や軟弱地盤に関係なく建物だけを補強する傾向にあります。本来であれば地盤状況(揺れの増強)を建築業者さんが把握できていれば、それなりの耐震補強がされるかと思いますが、現状では把握しづらい状況にあります。 また、液状化が疑われる土地では地盤改良や液状化防止工事、基礎コンクリートの補強も必要となります。
一つの例として、阪神・淡路大震災で同じ時期に建てられた新興住宅地の数棟だけが倒壊した事例がありました。これは倒壊した家の地盤が旧河道(昔河川だった場所)に位置していたため、液状化によって揺れが増強して倒壊したとされています。

このような事からも耐震診断と共に建物が建っている地盤にも注意が必要なのです。

地盤による揺れの違いの仕組み

 

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