深きメルケルの悩み

最新金融情報徹底解読 ★伊藤誠の特選記事★
■深きメルケルの悩み■
～２０１１年１２月４日 日経ヴェリタスｐ１より～

メルケルとはドイツの首相。
今回は世界中が注目している
欧州債務危機問題についてのお話です。

■■■トピック要約

Ａ．世界各国から

米国のオバマ大統領をはじめ、
海外各国からもドイツの対応の鈍さを批判し、
大胆な行動を求める圧力が強まり続けている。

昨年５月、ギリシャ危機の不安が止まらず
世界市場が大揺れになった時、
メルケル首相は欧州金融安定基金（ＥＦＳＦ）
の設立など巨額の金融安定網を敷くことを
ギリギリの局面で了承した。

Ｂ．ドイツ国民から

ドイツ大衆紙ビルトの１１月の世論調査では、
回答者の６３％が、
ギリシャはユーロ圏から離脱すべきと回答した。

サービス業を営む５０歳代の女性は
「我々は働いて豊かになった。
わいろ、脱税がまかり通るギリシャを
なぜ助けなければならないのか」
と憤る。

Ｃ．ギリシャ国民から

アテネ市内のタクシー運転手
「ドイツはギリシャでしこたま稼いだはずだ。
それなのにいまになって支援を渋っている。
みんなドイツのせいだ」

ギリシャ国民はユーロ導入により
低金利のローンを組めるようになり、
こぞって「ドイツ製」の商品を買い求めた。

高級車ポルシェの国民１人あたり保有台数は、
ギリシャは欧州でトップレベル。
また、ユーロ安で輸出が好調なのは、
ギリシャのおかげという。

もし、単独ドイツの通貨マルクであったら、
マルク高になっている。

■■■

Ａ．海外からは欧州問題を解決してくれ
Ｂ．国内からは怠惰なギリシャを助ける必要はない
Ｃ．ギリシャからは俺たちのおかげで稼げているので
助けるのはあたりまえだ

あなたがドイツのメルケル首相の立場だったら
どうしますか。私だったら困りますね。

日本に置き換えると、
国民年金を１円も払わず、
あげく生活保護で生計をたてられる方が
将来爆発的に増加することは目に見えています。

この時、日本には生活保護の人を救うほどお金がなく、
年金を受給している人に負担を求められたら
どうしますか。

その時みなさんが総理大臣であったらどうしますか。

FP知恵の木では、少子高齢化時代の資産形成について、
毎週無料メールマガジンを配信しています。
よろしかったら、この機会にぜひご登録ください！
http://www.chienoki.com/seminar06.php