ミラーレス一眼のデメリットも知っておこう - 写真撮影レッスン - 専門家プロファイル

宮本 陽
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兵庫県
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閲覧数順 2024年04月26日更新

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ミラーレス一眼のデメリットも知っておこう

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カルチャーカメラ教室よりフィードバック

カルチャーカメラ教室よりフィードバック:ミラーレス一眼のデメリットも知っておこう

【ミラーレス一眼と従来タイプの一眼レフで迷っている...】

カルチャー教室では、進捗具合とともにデジタルカメラ購入のご相談もいただくようになります。

近年注目度が高い「ミラーレス一眼」と呼ばれるカテゴリのカメラと、頭の部分にプリズムを装備した従来タイプの「一眼レフ」と、どちらを選択したらよいだろうか?というご質問が増えてきました。(この記事はデジタルについての記述です。フィルムカメラは除外しています。)

1.小さい、軽い、ことが最優先

2.カラーバリエーションから選ぶ、といったファッション性を求めたい

といった場合には、従来からの一眼レフではなく、ミラーレス一眼を選択して間違いないと思われます。ですが、小さく・軽いことだけを最優先にしたいのであれば、コンパクトデジタルカメラで良い場合もあるはずです。

ミラーレス一眼は、コンパクトカメラをベースにしながらセンサーを大型化するなどにより画質向上を狙った点にメリットがあるので、画質に対して少しでもこだわりを求めるのであれば、コンパクトデジタルカメラは候補から外れるわけですね。そこで「ミラーレス一眼と従来からの一眼レフ」のどちらを選ぼうか?ということになります。


【ミラーレス一眼を買う前に知っておきたいこと】

ここで知っておかなくてはならないことは、写真撮影にはカメラの持つ機能や画質という性能とは別に「自分の手で写真を撮る」という非常にアナログ的な要素があることです。言い換えると、「撮影という行為自体を楽しむ」といった五感に直結した部分です。それはシャッター音やミラーが上下することによる振動が手に伝わる...といった感覚でもあります。ミラーレス一眼は、ミラーが無い訳ですから、こうした物理的なメカが発する音や振動はありません。シャッターを押しても擬似的に作られた電子音が鳴るため、”今、撮ってるんだぞ!”という感覚になりにくいものです。これはあまり語られませんが、カルチャーの教室でも、皆で撮っている一体感というものは「結果」に影響します。

そして更に重要なことは、こうした感覚的な部分とはまた違った「機能を操作する部分」「構図を決めるためのファインダーの性能」といったところに、実はとても大切な要素が隠れています。

1.ファインダーには必ずタイムラグがある

2.露出補正がメニューからしか操作できない機種が多い

これらは、撮影時の操作性に直結しその結果に影響します。ファインダーは電子ファインダーであるため、レンズを通ってセンサーが受けた光をデータに変換した後、そのデータを人間の目に見えるようにビューファインダーに投影しています。このプロセスのために僅少とはいえ必ずタイムラグが発生します。動きが無いものを撮るのであれば影響はありませんが、いくらかでも速さのあるもの(走る子供さんや走行している電車など...)であれば影響が出ます。撮影者は目で見てシャッターを押すわけですから、人間自身のタイムラグも合わせると結構な遅延になります。決定的瞬間を狙うには適しないということになります。

また、露出補正は撮影しながら刻々とプラス、マイナスと操作して行きたい時があります。子供さんやペットの撮影をする、といったシチュエーションでも、左から撮ったり右に動いたり、それに、意図的に明るく、意図的に暗めに...という操作は「露出補正」によって行います。ファインダーをのぞいたまま、指先で連続的に操作することが撮影のリズムを崩さず、結果としてアピール度の高い写真が撮れるかどうか?の分岐点になります。

こうした露出補正の操作は、背面のモニターにメニュー表示させ、露出補正の項目を出してからその度合いをコントロールする、という方法になっているのがミラーレス機では多いようです。こうした方法では機敏に操作ができません。ボタンやダイヤル操作でできるようになっている、としてもその度合い(プラス一段明るく補正...)は、メニュー画面の数値を確認しなくてはなりません。


大人気のミラーレス一眼ですが、こうしたあまり表に出てこないデメリットがあることを知っておく必要があるように思います。また、コンパクトデジタルカメラからステップアップするには、より表現幅の広い、説得力のある写真を撮ることができるようになる、という意味で一気に従来タイプのミラーを備えた一眼レフを選択するのが良いように思われます。

ミラーレス一眼は、コンパクトデジタルカメラでは実現しなかった画質を手に入れられる点と、大きさ・軽さによる手軽さといった点が最大のメリットであり、それを享受する代わりに、上記のようなデメリットがあることを知っておいても良いように思います。

(写真はイメージです)


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