で、やっぱりミラーレス一眼を買うのなら... - 写真撮影レッスン - 専門家プロファイル

宮本 陽
And EM アンド・エム 代表
兵庫県
カメラマン

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対象:写真・ビデオ

宮本 陽
宮本 陽
(カメラマン)

閲覧数順 2016年12月10日更新

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で、やっぱりミラーレス一眼を買うのなら...

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カルチャーカメラ教室よりフィードバック

カルチャーカメラ教室よりフィードバック:で、やっぱりミラーレス一眼を買うのなら...

ケイタイカメラ、スマートフォン、あるいはコンパクトデジカメの写真に満足できなくなったら、次のステップは是非デジタル一眼レフカメラを手にして欲しいものです。

初心者だから...。使いこなせないから...。高いから...。と、一眼レフを我慢するのはどうでしょうか。私は、初めて手にするからこそ一眼レフを。とオススメしています。ですが、やっぱり一気に踏み切れない...と言う意見もよく理解できます。

それならば、段階を経てミラーレス一眼はどうなの?というお話になります。私は、一眼レフと名が付いても、「ミラーレス一眼は高級コンパクトデジカメ」と認識するのが、後々の間違いになることはないと考えています。


 1. 画質という観点から 

現在、画質が良いか悪いか、という基本的なレベルは十分にクリアしていると思われます。但し、小型化することによる弊害はどこかに出てきます。特にセンサーサイズが小さいこと、レンズが小さいこと、については設計に無理がなく旧来から熟成されつくした35mm一眼レフに敵うものはないと思われます。実際、35mm一眼よりはるかに大きなセンサーとレンズを備えたデジタル大判、中判が商業撮影分野では活躍しています。絶対的な解像度と画質が求められる分野では、センサーは大きくなければならず解像度も必要に応じ大きいものが求められるという事実が物語っています。

今後、狭小センサーによる弊害は、カメラ内で記録直前に行われる「画像処理」によって補正され改善されてゆくであろうことは容易に想像できます。が、同時にそれは「厚化粧」により作られた絵であることを知っておいても良いと思います。

 

 2. 大きさ・重さという観点から 

よく受けるご相談では、常に持ち歩きたいからできるだけ小さいほうがよい。何を購入すれば良いでしょうか?というもの。この「小さいことが第一条件」であるなら迷わずコンパクトデジカメになさってください。と回答します。最近のミラーレスは見た目以上に重量があるモデルも存在します。軽いからいつでも持ち運べる...ことにこだわるならコンパクトデジカメ以外にはありません。中途半端にブランドや流行に押されミラーレスを入手しても、結局は「それさえも大きい、重い...」となることが初めから予想できます。もっと言えばスマートフォンでも良いのかもしれません。荷物は一つ減ります。

でも画質もいいものを...。と仰るなら、ミラーレスではなく、大きな一眼レフに勝るものはありません。繰り返しになりますが、ミラーレスは高級コンパクトと理解すれば判りやすいはずです。そして、「写真を撮る楽しさや道具を操る悦びを味わう」ならば、大きな一眼レフ以外の選択肢はありません。

 

3. 自分の手と目で操作する道具としての観点から 

上記項目に関連しますが、実はこの部分に大きな違和感を残すことになります。

以前のコラム、「ミラーレス一眼のデメリットも知っておこう」  http://profile.ne.jp/w/c-59823/  

上記コラム記事に記載しているデメリットのうち、ファインダーのタイムラグは、近いうちに技術革新により問題ないレベルになるだろうと考えられますし、めまぐるしく動き回る被写体がターゲットでないのなら、ファインダーの遅延についてはネガティブな要因にはなりにくいでしょう。

ですが、肝心の人間が操作し写真を撮影するという感性に直結する感覚的な部分に問題が残ります。ステーショナリーの例を見るまでもなく、愛着の湧く道具というものは、自分の感性と一致しその道具が生み出す結果が自分の感覚の波長に合ってなくてはなりません。残念ながら、コンパクトデジカメ、そして現行の多くのミラーレスでは、この感性の部分で一級品の道具には成り得ず、中途半端な感覚しか得られません。もちろん、それを「撮影の道具」としてではなく、一つのコレクションやアクセサリー的な感覚で捉えるなら、これは客観評価の入る余地はありません。どうぞご自由に...という世界です。


4. 投資費用・価格という観点から

ここにも実は落とし穴があります。これだけミラーレスが注目されてくると、カルチャーでも購入のご相談の第一候補に入ってきます。が、「立ち位置」は高級コンパクトであるにもかかわらず価格だけは一眼レフを超えるゾーンまで達します。従来からのミラーを備えた一眼レフは、レンズも揃って5,6万円(参考です:価格は地域、販売店や時期によって変わります)程度から手に入るものもあります。

以前のコラム、「単焦点レンズの魅力って何だろう?」http://profile.ne.jp/w/c-59897/

ここで記載したように格安で非常に美しい描写をするレンズというラインナップ・バリエーションが一眼レフにはあります。これが熟成され尽くした一眼レフの世界です。これらを手に入れて大変魅力的でアピール度の高いブログ写真を撮影なさっている方が、数多くいらっしゃいます。

ところがミラーレスでは、最初にセットされている一本のレンズのみで上記価格を超えるのも当たり前で、2本のレンズとなると8,9万円(参考です:価格は地域、販売店や時期によって変わります)は必要になる場合が多いのではないでしょうか。

ここに、メーカーのマーケティングの成果が現れているのだと感じます。高級コンパクトでありながら、レンズ交換式にしてセンサーサイズを大型化、高画質化し一眼レフに迫るものを実現したのは事実で、技術的にも素晴らしいことだと思います。しかしながら、操作性の部分ではコンパクトデジカメと同等のものが多く、ファインダーのタイムラグも原理的に解消しません。そして価格はハイレベルをキープ。価格競争に陥ってしまったコンパクトデジカメに対し、ミラーレスはプロダクトとしてみた場合には優等生なのかもしれません。 自らの懐を開けるに際し、コストパフォーマンスの観点での判断も必要でしょう。


今、ミラーレスは転換期に入ってきたようです。コンパクトデジカメのステップアップ層を狙うという感覚とは別路線で、狭小センサーの画角を逆手にとり従来のレンズをアダプトし2.7倍の超望遠として利用する需要を狙う、などという荒業も出てきました。また、映像撮影機能を強化・ブラッシュアップ、ファイル形式の自由度を増したもの等々...。

ミラーレス一眼は、従来からのミラーを備えた一眼レフを既に体験し、使いこなしている層にとって魅力的な展開となるような新たな問いかけをするようになってきました。コンパクトデジカメのステップアップという単純発想ではなく...です。


単純にコンパクトデジカメのステップアップとして考えるのか?あるいは、アクセサリー感覚で入手するのか?それとも、写真を撮影する機器として自分の望むアウトプットが出せるレベルの道具を選ぶのか?もしくは、既一眼レフ所有者のお散歩カメラ、サブカメラとして活用するのか?

豊富なラインナップが揃い始めたのは喜ばしいことだと思います。機材購入前の検討は納得の行くよう行えば良いですが、評論に終始し撮影自体を楽しむことを忘れないようにしたいものです。


(参考画像:質感を伝えるには、解像度以外に低ノイズ高ダイナミックレンジであることが必要です。)


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