中国におけるソフトウェア/ビジネス関連発明の保護適格性(2)(第3回) - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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中国におけるソフトウェア/ビジネス関連発明の保護適格性(2)(第3回)

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中国特許判例・審決紹介:中国におけるソフトウェア/ビジネス関連発明の保護適格性(2)(第3回)

~ビジネス関連発明の保護適格性と審査~

河野特許事務所 2011年9月22日 執筆者:弁理士 河野 英仁

雅迅ネットワーク有限公司
                       復審請求人

 

4.復審委員会の判断

争点:現有技術と比較したその差異が単に商業規則にあるのではなく、新たな技術的手段を用いて技術的課題を解決し技術的効果を奏する場合、保護される。

 復審委員会は、請求項1に係る発明と現有技術との差が単に商業規則にあるのではなく、新たな技術的手段を採用していることから、請求項1に係る発明は、専利法第25条第1項(2)には該当しないと判断した。

 

(1)BM関連発明の保護適格性判断基準

 専利法第25条第1項(2)は,「知的活動の法則及び方法」は専利法の保護客体に属さない旨規定している。最初に、請求項に係る発明の保護を求める方案と現有技術とを比較し,相違する部分が単に商業規則であるか否かが判断される。

 

 請求項に係る発明と現有技術との相違が単なる商業的規則ではないと判断した場合、以下の判断が行われる。請求項に係る発明が新たな技術手段を採用し、当該採用した現有技術に対して作り出される貢献が、解決課題及び獲得される効果面において、技術性のものであるか否かが判断される。

 

 ここで貢献が技術性のものである場合、技術三要素の条件を具備することから、専利法第25条第1項(2)に規定する「知的活動の規則および方法」に属さず,専利法の保護客体外として排除されない

 

(2)請求項1に係る発明に対する判断

 請求項1が保護を求めるものは、タクシーメータの税管理情報転送方法である。当該方法では,収集したタクシーメータのデータを、RS232通信ポートを通じて車載移動端末へ送信し;

指令に基づき、送信された車載移動端末のデータを無線デジタルセルラー電話ショートメッセージに基づき伝送し;あるいは、送信された車載移動端末のデータをその内部のメモリに保存し,再び設定された指令に基づき、車載移動端末内部メモリのデータを取り出し,かつ無線デジタルセルラー電話ショートメッセージに基づき転送し;

ショートメッセージ通信器の制御指令に基づき、ショートメッセージ処理に応じたデータをGSMシステムのショートメッセージサーバへ伝送し;

GSMシステムのショートメッセージサーバによりデータを、DDN専用線を通じて制御管理センターのSMSフロントエンド装置へ転送し,かつメモリに保存する。

 

 これに対し、現有技術は運行データをICカード上に記録し,タクシードライバー及び管理部門はICカードの交換を通じてタクシーの運行状況を把握する。この種の方法はタクシー運営管理部門に、タイムリーにかつ全面的に税管理情報を獲得させることができない。ひいては、タクシードライバーに多くの不便をもたらすことになる。

 

 請求項1は車載移動端末、RS232ポート、無線デジタルセルラー電話ショートメッセージ通信機器等により組成したシステムを採用し信頼性があり、タイムリーで、全面的で、有効的に関連する運行データを管理している。しかも,タクシードライバーによる人的作業をなくし,獲得したデータをより客観的で全面的なものとしている。

 

 以上のことから,保護を要求するタクシーメータの税管理情報転送方法がなす貢献は,車載移動端末、RS232ポート、無線デジタルセルラー電話ショートメッセージ通信器等の組成システムにより、技術手段を採用したことにあり,かつ、当該技術手段は本領域の慣用技術の簡単な積み重ね或いは寄せ集めではなく,同時にタクシーメータ運営データ伝送管理においてデータの信頼性、正確性、リアルタイム性を確保して問題を解決している。そして、それにより奏される效果もまた技術性のものである。

 

 以上のことから復審委員会は,請求項1が保護を要求するタクシーメータの税管理情報転送方法は専利法第25条第1項(2)に規定する「知的活動の法則および方法」には属さず,復審委員会は専利法の保護的客体に該当すると結論づけた。

 

(3)請求項2についての保護適格性

 請求項2はさらに請求項1のステップ3)が

「設定命令が設定された指令はショートメッセージ短信発信間隔時間あるいはメモリのデータ量であること」

と限定したものである。これは請求項1の技術方案に対するさらなる技術特徴の限定であり,同様の理由により,請求項2もまた専利法第25条第1項(2)項に規定する知的活動の法則には該当せず,専利法の保護客体に該当すると結論づけた。

(第4回へ続く)

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