付加価値の高い商品カタログを 作ろう。(9) - グラフィックデザイン - 専門家プロファイル

上田善隆
オフィスゼンリュウ 代表
京都府
広告プランナー

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対象:イラスト・グラフィック

古庄 伸吾
古庄 伸吾
(グラフィックデザイナー)
すずき かずたか
(絵本作家・絵本作成出版代行者)

閲覧数順 2024年04月26日更新

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付加価値の高い商品カタログを 作ろう。(9)

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 入社して半年が経ちました。それまではチラシ作りに追われていたのですが、翌年1月に発行する総合カタログ作りの仕事が入ってきました。まだ半年しか経たず、広報の年間活動スケジュールもはっきりせず、夢中で仕事をしていたのですが、この作業のおかげで企業をある程度理解することができるようになりました。それまでのカタログ作りは開発室長(当時は部長)と社長が中心になってやっていたのですが、それを広報企画室(部)で全面的に受け持つことになったわけです。といっても僕の入社時に広報企画部ができたわけで最初からこういうことをする計画だったわけです。

 まず予算を尋ねました。昨年は制作印刷コストがいくらかかったのか。そのコストの範囲内で今までになかったようなびっくりするようなカタログを作ろうと考えました。クリエイティブ出身だから前年度の予算内で、少なくとも同じものを作るなら2/3のコストで作る自信がありました。総合カタログ(3万部)のコストは、印刷費と制作費がだいたい1/2に分かれます。そのうち制作費の利益はほとんどが人件費ですから、その企画制作部分を社内で行えばその利益分は大幅に抑えることができます。印刷費も15%はカットできると皮算用。そう考えながら前年同予算でハイクオリティーのものを作ろうと考えたのです。

 今までの新商品を大きく紹介する「見ごたえのあるカタログ」から「読みごたえのあるカタログ」へ転換しようと考えました。ただのカタログではなく、本のように読み物の要素を取り入れたものです。そうした方が読者が増えるだろう、次号も読んでみたくなるもの、そんなものが作れればいいなと漠然と考えました。幸いにして僕のまわりには、仕事上、一流のコピーライターやタレント本などを手がけるゴーストライター、グラフィックデザイナー、脚本家、映画やCM監督等知り合いがたくさんいます。この中から気の合う仲間や、何か手伝ってもいいぞというスタッフを頭の中で数えました。しかしこれはあくまでも営業用カタログなのであまりに風変わりなことはできません。

 数人から「仏壇」を題材にしたエッセイを書いてもらうことにしました。テーマは自由です。僕も名前を変えて数人分のエッセイを書きました。いろいろな職業人になって「仏壇」を題材にして書いてみるのって面白いですね。こういうエッセイを集めて仏壇の各「商品シリーズ」のページの前に挿入しました。また前に紹介したような「仏壇の歴史」や、「現代仏壇のルーツ」をたっぷり紹介するページを前半部に作りました。


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