- 沼田 順
- Office JUN 代表
- 兵庫県
- ファイナンシャルプランナー
対象:住宅資金・住宅ローン
- 伊藤 誠
- (ファイナンシャルプランナー)
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まず変動金利ですが、これは据え置きとなりました。5月20日に日本銀行で開かれた、金融政策決定会合でもゼロ金利政策が全員一致で決定されるなど、現在は金利を引き上げる環境にはありません。東日本大震災により、追加の金融緩和も行われた現状を考えると、変動金利の目安となる日本銀行の政策金利の引き上げは相当先になるものと考えられます。
次に固定金利です。6月の全期間固定金利は、三井住友銀行では5月より0.1%低い3.05%になっています。5月の0.01%に比べて大幅な低下となっています。
震災後の固定金利の目安となる、10年物の日本国債の利回りは、震災復興費用に伴う国債増発懸念よりも、むしろ中国などの金融引き締めによる、世界経済全体の景気減速懸念が強まり、これに12年3月期(来年度)から適用される保険会社の資本規制により、リスクのある株式よりも安全な国債を買う流れも強まり、5月はほぼ1ヶ月間、1.100%~1.200%の低水準で推移していたことが金利の引き下げに繋がったものと考えられます。
今後の見通しですが、変動金利はしばらく据え置きとして、固定金利についてはやっかいな問題があります。それは6月22日の会期末を控え、内閣不信任案の行方とともに、赤字国債発行法案の裁決を控えているからです。この法案は予算案が通過している時に、当然ながら可決されていなければならない法案ですが、ねじれ国会の下、今年度はいまだ可決されておらず、国債が発行できないという異常事態にあります。この法案も否決される可能性があり、そうなると日本国債への信認低下ととらえられ、金利が不安定な動きをする可能性があります。また本当に解散・総選挙となった場合も同様です。
政治の問題さえなければ、しばらくはこの水準からもう少し上の水準で推移するものと考えられますが、政局に伴う株価・債券の動きは本当に予想しがたいのが現実です。今が政局の時期でないのは誰が見ても明らかです。被災者の方のためにも、国会議員の方々には何を優先課題として処理しなければならないのか、大局的に考えて頂きたいと思います。なおフラット35の金利は月初の第2営業日にあたる、6月2日に発表の予定です。
沼田 順(CFP(R)認定者・1級FP技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー)
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