こちらも「会計士Sachioのブログ」に載せた記事の転載(一部改)です。
監査法人に興味のある方はぜひ。
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GW後の会計業界の二大事件簿、
ふたつめは衆議院議員河野太郎さんのブログ「ごまめの歯ぎしり」の5月6日の記事。
河野太郎さんは私の実家がある平塚の選挙区から出ている自民党の議員さんで、
いわゆる「若手」の中心的な議員さんです。よくTVにも出ているので見たことはあると思います。
色々な問題に厳しく突っ込んでいく感じの人です。
その河野さん、その日のブログのタイトルは「全ては監査法人次第か」というものでした。
東電救済の問題で、だれも責任を取らない現在の政府案ではだめだと、いう内容の記事なのですが、
以下のような記述があります。
(以下、一部抜粋)
財務省は、損害賠償を財政で負担することにさえならなければなんでもよい。
電力料金が値上げされようが、電力会社がこれからつくる「保険」で、
既に起こってしまった事故の賠償を、後出しじゃんけんで払うことにしようがどうでもいいのだ。
財務省からしてみれば、監査法人がどう対応するかだろう。
いやいや、監査法人にどう対応させるかだと思っているかもしれないが。
りそなやJALと同じようなあやまちが繰り返されることになるのだろうか。
またしても監査法人のありかたが問われる。
そもそも賠償金どころか廃炉費用もわからない状況で、決算を出せるのだろうか。
当然に、決算はまず、3ヶ月延期されるべきだろうし、その時点でも上場廃止はまぬがれないだろう。
野田大臣が監査法人に圧力をかけますというならば別だが。
(抜粋終わり)
どう思いますか?
どうも思わないですよね(笑)
当の監査法人や会計士たちには思うところがままあるわけです。
上場会社の決算では、会社が作った決算書が合っているか間違っているかを、
会社と利害関係のない第三者がチェック(=会計監査)しています。
その第三者が監査法人や会計士なのです。
河野さんのブログを見ると、あたかも誰かの圧力によって、監査の結論を変えているように見えるし、
もっと深読みすると、「りそなやJALに多額の税金を突っ込まざるを得なくなったのは、監査法人がすべきジャッジをしなかったから」、と言っているように見える。
と、憤慨する会計士が多いのです。
そりゃそうです。
独立の第三者だから公正なジャッジができるんだし、
会社の決算書を作る責任は会社にあり、ましてや破たんの責任なんて、
どうひっくり返っても監査法人側にあるわけがないのですから。
もう、みんな怒り心頭ですよ。
何なんだこの国会議員は!なんもわかってない!!!と。
私はというと、
ここまで書いておいてなんですが、
そうは受け取りませんでした。
いや、私が大きな監査法人で働き続けていたなら、おそらく同じように憤ったかもしれません。
しかし、独立して数年、少ないながら色々な経験をしていくと、
今まで当たり前だと思っていた世界が、実は全然ちがうということに気付きます。
どう違うのかは書きませんが ←逃げた(笑)
ともかく、
意図的か否かは知りえませんが、
こういう発言する国会議員に文句を言うより、
国会議員という、国の方針を左右する重要人物に、そして発信力のある人に
「監査」の在り方を誤解されているという点を憂慮すべきだと思っています。
声高に「監査法人次第」なんて言われちゃうくらい、
本来の姿を知られていない業界。
むしろこっち側の問題。
「接点がないから一般に知られにくい」なんていう言い訳を言ってる場合ではなく、
会計士の役割をもっとPRしていかないといけません。
このままいくと、
ただでさえ、健全ではない市場(前回記事のように)が、取り返しのつかないものになってしまいます。
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このコラムの執筆専門家
- 岸井 幸生
- (東京都 / 公認会計士・税理士)
- LBA会計事務所 代表
社外から会社のビジネスを支えるプロ社外役員
顧問税理士以外で何でも相談できる人が欲しい、を提供しています。クライアントの皆様と夢を共有し、ビジネスに興味をもって最適なアドバイスを行っていくことが一番の貢献です。
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