- 大川 美津子
- ミックMIC教育研究所 ミック幼児教室 代表
- 東京都
- 塾講師
対象:子供の教育・受験
小学校受験では、ペーパーテスト・行動観察・運動・絵画・制作・指示行動など試験の形式は違っても、
出題が全て「先生のお話」という音声言語を通して行われるという共通性があります。
そのため家庭における主に1対1での関係の中で育まれた聴く力を、集団の中でも聴けるようにしていくことが、
私ども幼児教室での重要かつ最も根幹をなす取り組みの1つになります。
「音」として1瞬で消え去ってしまう言葉を、一度頭にしっかりと溜めるイメージで聴き取り、
そのうえで行動するということを早期に習慣化することがとても大切になるのです。
今回は、小学校受験における「聴き取りの力」の重要性とその習得の方法を紹介します。
「お話を集中してしっかりと聴き取る」ための土台作り
まず必要なのは、いろいろな言葉(主に名詞)や指示に使われる言葉を
動詞・形容詞を含めたくさん身につけていることです。
英語の勉強でも、単語を全く知らない状態では「お話を聴く」という状態どころではありません。
同様に、小学校受験における「聞き取りの力」を身につける基礎的な段階では
まず、単語レベルでの語彙の習得が必要となります。
では、どのように名詞・動詞・形容詞などを子供達に身につけさせていくのでしょうか?
幼児教室では、「短文の復唱」・「なぞなぞ」・「絵本」・「発表」なども取り入れて、常に工夫を凝らした授業を通して、
子供達が楽しみながら自然と語彙を増やせるような指導を行っています。
ただ機械的に物の写真を見せて言葉を覚えこませていくのでは、その後の「聴き取り」という段階に行く前に、
苦手意識や拒絶反応といったマイナスの状態が出てきてしまいます。
徐々に、自然に語彙を増やしながら、集中してしっかりと聴き取ることができるように、
教える側が常に工夫を凝らした指導をしていく必要があります。
小学校受験準備の早期段階やどうしても「聴き取り」が苦手な場合には
年少の入塾後間もない子供達や、どうしても聴き取りが苦手という子供には、
「身近な生活音」や「楽器」、あるいは「鳥や動物などの鳴き声」をテープやCDを使って聞かせる
ということも教室では行っています。
言葉よりも分かりやすい音でまず、興味を持たせ、「音」そのものに注意を向ける習慣をつけることで、
「聴き取り」への集中度が高まります。
また、楽器の音がいくつ鳴ったのかを聴きとるトレーニングも、
集中力を高めながら「聴く」ということの習慣化に効果があります。
「お話」を聴き取る力をつけるために
物の名前や言葉などがある程度身についてきたら、徐々に主語と述語がある短文を聞き取り&復唱させ、
その中に、さらに知らない言葉なども織り交ぜていきます。
言葉を増やす工夫を一方で行いながら、聴くことに集中する訓練を並行して行っていきます。
意味が分からない言葉や、知らない言葉が出てきたときに
「○○ってなぁに?」と途中で口をはさむことが多かった子供も、まず「最後まで聴く」、
そして、前後関係などを頼りに意味を「推理して考える」、ということができるようになります。
それは例えば、大人にとって英語の文章を読んだ時に、わからない単語が
一つ二つ出てきても、大まかな意味が理解できることと似ているのです。
「聴き取りの力」は小学校受験の土俵にあがる第一歩!
このように、「聴き取りの力」を身につけるということは、
子供にとって「人の話を聴く」という将来あたりまえとされることの習慣化であり、
かつ、沢山の語彙を習得して「正しい日本語」の使い方を学んでいく大切なプロセスでもあります。
また、そのように考えると入学後集団生活の中で学ぶにあたり、
まず人の話をしっかりと聴けるかどうかを学校側が大変重視して考査を行っている、
という現状も理解できると思います。
したがって、「しっかりと聴く力」をつけることは小学校受験に向かうにあたって、最初の一歩であると言えます。
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