東日本大震災 - 毎日のつらさ - 専門家プロファイル

銀座泰明クリニック 院長
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茅野 分
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閲覧数順 2016年12月03日更新

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東日本大震災

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医療ニュース

このたびの東日本大震災におきましては、関係者の方々へ心よりお見舞い申し上げます。銀座泰明クリニック は、通常通り、診療 しております

さて、1000人をはるかに超える死者・行方不明者を認めている今回の大震災ですが、まずは人命救助が第一です。まだ津波・洪水の中に閉じ込められている方をはじめ行方不明となっている方々の捜索に全力を注がなければなりません。次に、被災者への援助が求められます。安全な場所、衣食住、現在の状況、今後の見通しなどを、迅速・正確に提供することが必要です。

そして、これらを通じて精神的な安定、すなわち「安心」をもたらすことも大事です。今回の災害で身の危険を感じられた方のほとんどが大変、強い精神的ストレスを受けています。本人自身「死」に瀕する思いをし、さらに家族や友人が亡くなるのを目撃していることもあります。そして地震や津波が収まった後は、多くの遺体を目の当たりにすることでしょう。このため人によっては、取り乱し、じっとしていられなくなったり、呆然とし、言葉も出なくなってしまうことがあります(急性ストレス反応)。

急性ストレス反応
とは、強い身体的・精神的なストレスに反応し、数時間から数日間でおさまる、重篤な一過性の障害をいいます。ストレスの原因は、本人または愛する人の安全や健康に関する重大な脅威が含まれます(例、災害、事故、暴行、死別など)。症状は、困惑(意識や注意の狭小化、理解の困難、失見当識など)からはじまり、ひきこもり・過活動、およびパニック発作・自律神経失調症状(動悸、過呼吸、発汗など交感神経の亢進症状)を生じます。

このような状態に対し求められる心理的援助は、自分は一人でないという心のつながを提供することが重要です。心配なことは我慢せず、話せる相手がいることは心づよいものです。相手は精神医療の専門家である必要はなく、家族、近所の方、行政の方、ボランティアの方でも構いません。困っている方へ、誰かがそっと寄り添い、困っていることはないか声をかけてあげるとよいでしょう。ただし、無理に聞き出すことは禁物です。傷口に塩を塗るようなことはせず、本人が自ら話し出すのを待ちましょう。

急性ストレス反応は数日間で治まるとされていますが、1ケ月以上続く場合は二次性の障害を生じていると考えます。Post-Traumatic Stress Disorder, 心的外傷後ストレス障害です。強いストレスを負った後しばらくしてから、様々な精神症状と生じる心の病気です。具体的には以下のような症状が認められます。

・精神的不安定による不安、不眠などの過覚醒症状
・トラウマの原因になった障害、関連する事物に対しての回避傾向
・事故・事件・犯罪の目撃体験等の一部や全体に関わる追体験(フラッシュバック

この結果、精神的苦痛もさることながら、その後の生活・人生においても回避歪曲といった行動をもたらすことになります。また地震に対しても自分が悪かったからと自責的になっていたり、周囲に対して被害的になったりしてしまいます。具体的には、地震に関わる情報を避け、現実的に必要な行動をとれなくなったり、家族が亡くなったのは自分が適切な判断をしなかったからと後悔したり、思い通りの援助を得られないと周囲に不満を覚えたりしまうのです。

このような状態に対しては、SSRIをはじめとした抗うつ薬による薬物療法と適切な精神療法が求められます。精神療法は本人の心理的な苦痛に対する支持的な対応と、それに伴う様々な認知・行動の歪に対する再構成が求められます。治療は長期間にわたる場合が少なくありませんから、信頼できる治療者と根気強く改善に向けて取り組むことが望まれます。

まだ余震が続いています。原発も爆発しました。二次被害を可能な限り回避し、安全・安心を感じられる日が一日も早く訪れることを期待しております。

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