クラウド革命がもたらす未来の経済と社会の変化 その３

クラウド革命がもたらす未来の経済と社会の変化 その３


皆さん、こんにちは。
日本クラウドコンピューティング株式会社の新井です。


今日は前回の続きで、クラウド革命がもたらす未来の経済と社会の変化の３つ目について、説明していきます。


その三つ目の変化とは、「人間の定義が変わる」です。


私たちは、日常の生活や交流をオフライン、ネット上の生活をオンラインと呼んでいます。つまり、日常の自分達が本来の自分であり、ネット上のオンラインの世界は、もう一人の自分ということなのです。


ですので、ネット上ではあえて、実名ではなく、ハンドルネームに代表されるようなネット上の名前が使われてきました。


しかし、最近、ネット上の世界でも、ハンドルネームではなく、実名で登場する人が多くなりました。特にビジネスでネットを使っている人は、ほとんどが実名です。
また、最近、急激にユーザーを増やしているfacebook、twitterも実名で行う人が圧倒的に多くなってきています。


今までは、ネット上の世界というのは匿名参加が前提でしたが、実名参加が増えてきたということは、言い換えれば、今まではオンライン上の世界とオフライン上の世界が逆転しつつあるということにもなります。


そして、この流れが加速しているのは、ビジネスでもプライベートでも、人との出会いと交流が、ネット上を起点とする場合が多くなってきていることです。


私自身も、現実的な出会いよりもネット上で知り合った方とビジネスをすることになったり、新たに友人になったりと、ネット上を起点とする機会が圧倒的に多くなってきました。


つまり、その人の性格とか実績とか人柄、能力といったものは、ネット上の情報で判断されて、それがオフラインの現実世界のビジネスや人間関係へと繋がるようになってきているのです。

そして、ネット上に、その人の名前、情報がなければ、存在してないのと同じになってしまうのです。


皆さんも経験があると思いますが、知人やビジネスパートナーから、誰かの紹介を受けて会うことになった場合、その人の情報がネット上に全くなかったりすると、逆に不安になりませんでしょうか？


私は、仕事柄、初めて当社のホームページから連絡を頂いたり、あるいは他のお客様の紹介をで、企業経営者の方にお会いすることが多いのですが、その人の経営している会社のホームページがなかったり、また、経営者に関する情報が検索エンジンなどで見つからない場合などは、逆に不安になってしまい、実際にお会いするまでは不安な気持ちになりますし、場合によっては、お会いしないケースなどもあります。


つまり、ネット上にその人の情報がなければ、信用されない時代に入りつつありますのです。

そして、プライベートでもビジネスでもネットの世界から出会いがスタートすることが多くなった昨今、ネット上に情報がないということは、存在もしないということになります。


人間という定義は、今までは「社会にある人」を指していました。

アリストテレスは「人間は社会的動物である」と説いています。

しかし、これからは、クラウド革命によって、クラウド上の私たちの情報、発言、行動履歴などが蓄積され、その内容や、その内容に関わる人達がネット上に残した口コミや評判でその人の信用度や人柄が判定されるようになってきます。


つまり、人間であるという定義が変わってしまうのです。

「人間は現実社会とクラウド化されたネット社会にある人」となるのです。

そして、人間が社会にある出発点が、現実の社会からネット社会にシフトすればするほど、「ネット社会にない人」は、「現実社会にもない人」になってしまうのです。


今も、現実に起きています。

どんなに家の近所に素晴らしい料理を出すレストランがあったとしても、ネット上にそのレストランの情報がなければ、誰も行くことはありません。そのレストランは存在しないのと同じです。


クラウド革命が「人間の定義を変える」時代は、もう、始まっています。

これを上手く利用するか、拒み続けるかは、貴方次第です。