文明社会は、進歩、成長、発展を旗印にして突き進んできました、
新しいことが良いことであり、古いことは良くないことで投げ捨てられる考えかたです。
ふる～い、
と言う言葉は、若い人が良く使う言葉ですが、一般的になった時代でもあります。
老人は老いを否定して、若さの価値を追求することになります。
若作りをして、アンチエイジングに励み、「老いてもこんなに若々しいワタシ」が出来上がることになります。
アンチエイジングは女性を中心に大きなマーケットを形成していますが、
これからは、男性にもアンチエイジングの商品は大きな市場であり戦略的なマーケットです。
1 近代化の過程と反比例の関係
2 人口の高齢化が低いほど
3 定住が高いほど、
4 文字を持たない社会ほど、
5 大家族であるほど、
6 財産の所有権を持っているほど高くなる。
アメリカでは、
成長するに従って責任とともに個人の自由度が高まってくるのに対して、
日本では子どもと老人が自由度が高い時代が長く続いていました。
成人になると、
義理としがらみに拘束されて、責任ばかりが重くのしかかり、
ぜんぜん自由になれなくなってしまいます。
アメリカでは子どもと老人は無力な存在として制約を受ける場合が多いようです。
子どもには、見せてよい映画と悪い映画がハッキリしており、
老人は、ゆっくり家で、余生を送ってほしいと思う傾向があります。
日本の子どもたちは、
「おとなになんか、なりたくない」
と言うし、老人たちが老いを受け入れたくない気持ちも良く分かります。
今の時代は、老いや、死について、大切なテーマを覆い隠してしますような風潮があるようです。
この日本と、アメリカの違いは、文化差などではなく、歴史の時差だったことが戦後に判明します、
戦後日本の、近代化、アメリカ化、経済成長の過程で、日本の高齢者の地位は急速に低下してゆくのです。
近代以前の停滞社会に戻ることが良いことでもなく、出来るわけでもありません、
戦後の日本の歴史は、長く続いていた長老支配を破る民主化の時代でもあったのです。
この、アンチエイジング・ビジネスはある意味、今始まったばかりの市場とも言えます。
参考出典：東京大学教授 上野千鶴子 2008/7/17 やさしい経済学
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