中古マンション 価値の目減り率と賢い購入タイミング - マンション売買 - 専門家プロファイル

田中 歩
株式会社あゆみリアルティーサービス 代表取締役
宅地建物取引主任者
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

中古マンション 価値の目減り率と賢い購入タイミング

- good

  1. 住宅・不動産
  2. 不動産売買
  3. マンション売買

マンションが建築されてから、時間の経過とともにどのように価値が目減りしていくのか、ということを知ることは、新築マンションを購入する方だけでなく、中古マンションを購入する方にとっても、極めて重要な情報ですが、

 

それぞれのマンション価格は、立地や建物の質、その時々の市況によって上下する面もあり、明確な基準というものはありません。

 

しかし、一定期間の中で取引された中古マンションの「築年数別成約取引単価」を調べることで、ある程度の推移が判ります。

 

財団法人東日本不動産流通機構が2010年3月に発表した「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」のデータがそれに当たります。

 

このデータは、2009年1月から12月に取引された首都圏中古マンションの築年数別平均成約単価ですが、価格推移をイメージしやすくするために、築0年~築5年時点の平均取引単価を100とした場合の推移を作成してみました。

 

築 0年~築 5年      100.0

築 6年~築10年       85.0(前期差 ▲15.0)

築10年~築15年       66.8(前期差 ▲18.2)

築16年~築20年       46.8(前期差 ▲20.0)

築21年~築25年       52.0(前期差   5.2)

築26年~築30年       46.0(前期差 ▲ 6.0)

築30年~                41.0(前期差 ▲ 5.0)

 

ちなみに2006年1月から12月のデータは次の通りです。

 

築 0年~築 5年      100.0

築 6年~築10年       84.3(前期差 ▲15.7)

築10年~築15年       60.1(前期差 ▲24.2)

築16年~築20年       54.8(前期差 ▲ 5.3)

築21年~築25年       54.8(前期差 ▲ 0.0)

築26年~築30年       51.9(前期差 ▲ 2.9)

築30年~                48.1(前期差 ▲ 3.8)

 

そして、2006年と2009年の調査平均値を作成してみると次のようになります。

 

築 0年~築 5年      100.0

築 6年~築10年       84.7(前期差 ▲15.3)

築10年~築15年       63.5(前期差 ▲21.2)

築16年~築20年       50.8(前期差 ▲ 5.3)

築21年~築25年       53.4(前期差 ▲ 0.0)

築26年~築30年       49.0(前期差 ▲ 2.9)

築30年~                44.6(前期差 ▲ 3.8)

 

見ての通り、築15年までで概ね36.5%の価値減少が見られます。

 

築0年~築5年の平均を100としていますので、新築分譲当時の価格は110~120程度になると考えれば、築15年で新築当初の半分程度になると考えてもよいでしょう。(一般的に、新築マンションは人が住んだら2割引と言われています。)

 

ちなみに、当初の15年間で価値が低下する割合は、1年あたり約2.4%強になります。

 

一方、築16年~築30年の15年間で価値が低下する割合は、1年あたり約0.55%となっています。

 

このデータから言えることは、目減り率をできる限り抑え、かつ極力新しい物件が欲しいと考える場合、築10年~築15年程度の中古マンションを狙うのがよい、ということになります。

 

中古マンションを購入する際、こうしたことも念頭においておくと、ご自身の資産を守ることにも繋がります。

 

ちなみに、かつて、一般的な中古マンションの流通寿命は約30年程度と言われていましたが、

 

同財団法人の調査では、築30年を超えるマンションの取引割合が、10年前は全体の約3%程度に過ぎなかったものが年々増加し、2009年調査では全体の15.9%まで取引割合が増えてきたことが判りました。

 

つまり、築15年程度のマンションを買って、将来は買換えも視野に入れたいという方でも、立地や建物の見極めがきちんとできれば、従来に比べて十分に買換えのチャンスがあると言える状況になってきています。

 

実際に、まだまだ長く住めるマンションも多いですし、ホームインスペクター(住宅診断士)などの専門家に依頼して管理状況や建物の劣化状況をきちんと確認することも可能です。(参考:日本ホームインスペクターズ協会 http://www.jshi.org/ )

 

リフォームやリノベーションを行ってゆとりある生活を楽しむという方が増えてきたということは、人口の減少と高齢化、経済成熟化といった様々な要素から、従来の新築神話がだんだん薄まり、住宅に対する考え方がだんだん変化してきた証かもしれませんね。

 

中古マンション、これから旬かもしれません。

 

株式会社あゆみリアルティーサービス

HP http://www.ayumi-ltd.com/

Blog http://ayumi-ltd.livedoor.biz/

このコラムに類似したコラム

中古マンション選びのチェックポイント 中石 輝 - 不動産業(2012/04/30 22:08)

買取業者 楯岡 悟朗 - 不動産コンサルタント(2011/08/26 17:02)

ローコスト住宅の新築vs中古住宅の全面リフォーム!安いのはどっち? 伊原 康浩 - 不動産コンサルタント(2019/10/04 12:27)

★中古住宅購入セミナー★6月7日(日)13:00~@アドキャスト恵比寿本店 藤森 哲也 - 不動産コンサルタント(2015/05/07 10:00)

中古マンション購入時の注意点 田中 勲 - 住宅Gメン(2015/04/18 17:45)