高齢者向けリノベーションのチカラ

現在計画中のリノベーション。

古い一戸建て住宅を耐震補強とリフォームを施し再生させるという計画です。

クライアントは、高齢のご両親と二女ご夫婦。

現在の住まいは、高齢のご両親の二人くらしですが

お二人とも入院しています。

とくにお母様は寝たきりの状態で思わしくない状態。

介護を前提としたリノベーション計画です。

打ち合わせには、二女ご夫婦に事務所まで起こし頂いています。

週末の打ち合わせが終了すると、その足で病院に向かい

報告するのだそうです。

最初は寝たきりで内容を聞いていたお母様が

身体を起こして聞くようになり

そのうち、介護付きで歩行できるようになり

最近では自立歩行ができるようになり

医師からは劇的な回復力だと言われているそうです。

打ち合わせ資料には図面、模型、CGなどを用い

出来るだけ空間を認識しやすい打ち合わせを心がけています。

とくにCGは、高齢のご両親にとってわかりやすいようです。

リフォームやリノベーションは、機能的なプランやデザイン性も大切です。

それ以上に大切なことは、ライフスタイルを提案すること。

週末子供たちや孫たちが集まれる空間。

そして、心地よい空間があること。

とくに高齢のご両親のことを考え、今までの家の記憶を

考慮した設計を心掛けています。

今回のリノベーション計画は、子供たちや孫たちの意見も

加わってきています。

「両親の最後はこの家から送りたい」という意見も出てきました。

離れていた家族が、もう一度家族のあり方について考える機会に

なったのかもしれません。

お母様の劇的な回復は、偶然だったのだと思います。

今までの打ち合わせがほんの僅かの役に立っているのだとしたら、

リノベーションのチカラなのかもしれません。

一級建築士事務所　プラネット環境計画
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