- 別役 慎司
- 代表取締役 劇作家 演出家 講師 カウンセラー
- ビジネススキル講師
対象:ビジネススキル研修
緊張する。これは誰にでもあることです。私は、演劇にも携わっていますので、緊張とのお付き合いは絶えません。俳優たちにも、「俳優にとって、緊張は最大の敵である」と教えています。
なぜ、「敵」かと申すと、過度の緊張状態のとき、自分の身体がうまくコントロールできなくなったり(震えたりするのは意識でコントロールできていない証拠です)、頭の回転も鈍くなって台詞を飛ばしてしまったり、良くないことばかり起こるからです。
緊張というのは、その人が本来持っている能力を、そのまま外に出すことを妨げます。緊張が強ければ強いほど、うまくいかないことが多いのです。それは、一流のアスリートでさえもそうです。イチローでさえ、記録達成が近づいてきたら、ヒットがなかなか出なくなるのです。(もっとも近年彼は、メンタルコントロールを意識しているようで、だんだんと好結果が見られてきました)
この緊張。まったく「ない」となると、逆に問題です。緊張に欠けすぎていると、エネルギーや集中力も低下しています。発表の場などで、あまりに緊張感がないと、見ている人たちも退屈して眠くなったりしてしまいます。
あくまで、「適度な緊張感」が大事です。
過度の緊張感を抑えて、適度な緊張感にするにはどうすればいいのでしょうか?
緊張というのは、実は、精神面と身体面の相互の影響です。もちろん、緊張は精神面から生じるものです。人間の心と体は密接に繋がっているので、心の状態は身体の状態に反映します。足がガクガク震えたり、汗がたくさん出てきたり、様々な影響が出てきます。
従って、心を落ち着かせるというのが、緊張に対処する通説となっていますが、実際にそれでうまくいくなら俳優やアスリートは苦労しません。落ち着かせようとすることくらい、いつでも誰でもやっているのです。
それでもコントロールしきれないから苦労するのです。
緊張に負けず、自分で適度な緊張にコントロールするためには、慣れることが必要ですし、トレーニングをすることが必要です。
そのために効果的なのが、ムーヴメントやシアターゲーム、インプロヴァイゼイションといったものです。これらは、欧米のプロの俳優たちが行っているトレーニングです。(実は日本の演劇界は遅れていて、日本では俳優たちですらこのようなトレーニングが不足しています。だから嘘くさい演技が多いのです)
これらは精神面・身体面の両面をカバーする効果があるので、継続して行っていると、緊張する場面でもその両面からコントロールできるようになってきます。
ゲームやインプロについては、また別の機会でお話しします。
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