ジャックと豆の木というお話をご存知でしょうか?
ジャックは貧しい家にお母さんと二人で暮らしています。
収入減だった乳牛もミルクを出さなくなったのでいよいよジャックが売りに行きます。
お母さんはジャックが市場に行って、乳牛をお金に変えてくれる事を期待して、
送り出します。
ジャックはお母さんの言いつけどおり市場に向かいますが、
途中で「魔法のマメ」を売る男に出会います。
この男を物語を大きく変える分岐を与える役割として、「トリックスター」と呼びます。
ジャックがトリックスターの「魔法のマメを買わないかい」という提案に答えると
物語が大きく展開します。答えなければ、予定通り市場に行って、乳牛とお金を
交換するというストーリーが進みます。
ジャックはトリックスターの求めに応じ、乳牛と魔法のマメを交換して家に帰ります。
変化の始まりです。
家に帰るとお母さんが激怒します。
「こんなマメに変えてきてしまうなんて!」
「トリックスター」の求めに応じて、人生の分岐を「変化」の方向に進むと
既存の仲間(お母さん)に理解されずに迫害されます。
夕食をもらえず、ジャックは部屋にこもって一晩を明かします。
翌朝、庭を見ると天まで届く豆の木が育っている事に気づきます。
これは私たちの人生の一面を良くあらわしています。
変化に向かう時のインスピレーションと迫害、そして、孤独や空腹感を経て、変化の兆しが訪れる。
「変化」をするきっかけはどんな時にでもあります。
「トリックスター」は誰なのか?
迫害を乗り越える勇気があるのか?
その条件がそろった時、私たちの人生が動き始めます。
「いつもと同じ」を疑ってみてください。
目の前にも変化のきっかけが転がっているのかもしれません。
セラピストは「トリックスター」の役割になることが多い職業です。
セラピーの中で新しい世界が見えてきて、変化を迎えるとセラピーが終わります。
その間、環境の変化、自分自身の変化に耐えられるようにサポートをしながら、
ハッピーエンドを迎えるまでがセラピストの仕事です。
それは物語をつむぎだす仕事のようでもあります。
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