- 須藤 利究
- 有限会社RIKYU・コンサルティング 代表取締役
- 経営コンサルタント
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
今年の春にも金融庁が「貸し渋り集中検査」を実施したが・・・
でもその頃よりはるかに厳しい「貸し渋り」といえる状況に今ある。
融資の相談をすると一番最初に口をついて出るのが「保証協会融資」となる。
十分な不動産担保があっても、保証協会付融資となる。
細かくは書かないが、銀行サイドにとってリスクはなく、自己資本比率に優位に
働くからだ。
確かに自分が金融機関サイドにいたらどうしているかと問うと
多分余り変わらないことになる気がする。
この環境では、自行融資は正直出しにくい。3月の決算を目の前にして
この不況で中小企業全般の財務内容は悪化しているであろうし
不動産の値下がりも含め、貸倒引当額の増加は避けられないであろう。
更に倒産増加により貸倒償却も増えるであろうし、金融機関もアゲンストの風が
吹いてはいるのだ。
とにかくムードが悪い。品質のトヨタのリコール、アメリカの公聴会など
を見ていると日本の冠たる企業がもがく姿は日本人の自信喪失にもつながっている
気がする。 今回の不況はやはり異常だと感じ初めている人が多いのではないだろうか?
食品・衣料品関係の落ち込みは特に激しい。100円ショップも必要なものしか
買わないようだ。
銀行が貸せる仕組みを真剣に且つ速やかに講じないと、3月以降多くの倒産が
起きてしまう気がする。景気浮揚策も急務だが止血の応急措置も大事だと思う。
新たな信用保証枠の創設や政府系も新たな融資制度を危機シフトを組むべきとき
だと思う。
今の「緊急特別保証」は自民党時代のものだが、30兆円の枠に対して
17兆円の消化に終わっている。
半分強しか利用されなかった理由を良く現場の声を聴くべきだと思う。
利用が伸びない理由などすぐ分かる。制度設計の欠陥だからである。