その3D映像が話題となってます。米CNNによると、見終わって「うつ状態」を告白するファンがいるとのこと。なかには自殺を考えたというファンも出ているといいます。
その美しい映像世界から離れたときの喪失感からかもしれませんが、事実でしょうか。確かに、素晴らしい小説や映画ドラマを見終えたあと、その余韻とともになにかえもいえぬ気分を感じることがあります。それは、現実へ回帰し、感動や気持ちの高ぶりが消えていくときのわびしさかもしれません。あるいは、美しい山や海へのバケーションから帰ってきたときにも、同じような感覚が心に浮かんだりもします。
それがきっかけで、もともとうつ傾向だった方の症状が強くなることもあるかもしれません。ほかに考えられることとしては、大きな視覚刺激による神経機能の乱れが起きることです。
以前、大人気のテレビ番組「ポケットモンスター」を見ていた子供に、けいれんや意識障害が一時的に起きたとして、その後アニメ番組の冒頭には必ず注意を促すテロップが入るようになりました。
これは、「光誘発性てんかん」と呼ばれるもので、強い光の点滅を見つめることで大脳の機能が乱れて発作を起こします。これは、子供に多かったのですが、一部の大人にも同様の症状が現れていたことが知られています。
また、色彩刺激が気分に影響するという心理学的な傾向も報告されています。例えば、赤い色の部屋にいると、時間が早く過ぎるように感じたり、気持ちが高揚する傾向があるといいます。青い色は、逆に時間の流れを遅く感じ、また気持ちは鎮静されるというように、赤とは逆の傾向を示します。
さらに、アバターのような3Dで立体的視覚情報が脳に働きかけると、脳では三半規管や身体感覚から作り上げた位置感覚と、視覚からはいる位置感覚にズレを感じますが、それをうまく統合して「錯覚」を起こさせます。その錯覚が視覚に引きずられていれば映画を楽しめますが、そのために脳には普通の映画を見るより大きな負担がかかることも考えられます。
以上は、すべて仮説ですが、これから3Dのテレビなども普及する可能性もあり、そこでこのような問題が今後クローズアップされるようになるかもしれませんね。
とりあえず、一度どんなものなのかアバターを鑑賞に行ってこようと思います。
吉川祐介ウイケアカイロプラクティック