阪神大震災から15年、役目と責任 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

樋口 好伸
LIVES FACTORY ライブスファクトリー 代表
大阪府
建築プロデューサー

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対象:住宅設計・構造

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阪神大震災から15年、役目と責任

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higuchi
こんばんは!higuchiです。

阪神大震災から15年。

今日、その震災を新聞社の立場から綴ったドラマを見た。


当時、私は型枠大工を生業とし、地震が起きた時間はちょうど起床した直後でした。

突然、初めて経験する激しい揺れに身動きもとれず、

壁に手を付け 揺れが収まるのをじっと我慢するのがやっとのことでした。

それは本当に突然の事でした。。



でも、その時はまだ、あれほどの大惨事になっている事など分ってはいませんでした。

そして出勤時間、いつもの様に仕事に出たのです。

現場作業、作業中にそんな情報など入る訳もなく普段と変わらず仕事をこなしていた。


目ばたきが止まるような情報は突然、昼食中のうなぎ屋でした。

飯屋でよく見かける、隅っこの高い位置にある小さいTVから、

突如、戦争を伝えているとしか思えない映像が流れて来ました。


高速道路は倒れ、町は火の海。

激震から約6時間後 初めて、事を理解した。

14インチの小さな画面から、経験のない大きな暴力を受けた様に感じました。

そのまま、仕事をやめ、飛び帰ったのを憶えています。


数日後、被災地の仮設住宅建設にボランティアで参加しました。

現地の詳しい情報はなく、とにかく普段 神戸に向かう時間より2時間程早く出発をした。

現地での食事調達は難しいだろう、という事からコンビニで弁当を2食分買い込んで出た。

それは、行きつくのか?そして帰れるのか?そんな不安からでした。。


実際に見る、被災地の生々しい状況は想像していた以上。

それ迄の報道で見る、非現実的で、どこか人ごとのような。。そんな物ではなかった。

そこにはまだ、絶望と戦いの生臭い匂いが残っていました。

そして人間のエゴも。。





ドラマ中、涙が止まらない。

僕が少しだけ見た震災の姿からでも、簡単に想像できるような場面が流れる。

実際の現場は、それ以上の惨劇が数えきれない程たくさん、ここでも、あそこでも、

これでもか、これでもかと襲いかかって来たんだろうと思う。


淡路島、北淡震災記念公園で見た、赤と黒のみで描かれた子供の絵を忘れられない。

立ち向かう事の出来ない恐怖と不安が、その絵には描かれていた。


以前にもこのブログで書いたが、
もう、子供にあんな絵を描かせたくない。。。



たぶん、すべての大人が思う事だと思う。 


何が出来るのか?

それは、それぞれの関わりの中から 自分の出来る事を考えていかなければいけない。






何より、忘れてはいけない。

そして伝えなければいけない。

ずっと語り続けることで、未来に繋げよう。

ほんの一部だろうけど、僕も僕の見た震災を ずっと伝えていこうと思う。







『未来への警鐘を鳴らし続ける』
今を生きる僕たちの役目と責任だとおもう。





鎮魂をこめる。






for the children
すべては未来の子どもたちのため。



higuchi