アコード租税総合研究所の委員会活動、今後の予定 - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士
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アコード租税総合研究所の委員会活動、今後の予定

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発表 税務セミナー
昨日16日夜、財経詳報社の会議室にて、アコード租税総合研究所の
理事会(運営会議)がありましたので、出席してきました。

8月3日の設立シンポジウムの打ち合わせも兼ねておりましたが、
年2回発行する機関誌や今後の委員会活動の方針が決まりました。

設立初年度の平成21年期は、税理士会の認定研修を毎月1回開催し、
委員会は国税通則法検討委員会と所得課税検討委員会を各毎月1回開催
する予定です。

国税通則法検討委員会は酒井克彦所長(国士舘大学法学部教授、国税OB)
を、所得課税検討委員会は今村隆研究主幹(駿河台大学法科大学院教授、
法務省OB)をそれぞれの座長としてリードして頂くことになりました。
お二人を含む顧問(品川芳宣早稲田大学会計大学院教授、国税OB)、
研究主幹(玉國文敏中央大学法学部教授、吉村典久慶應義塾大学法学部教授、
経団連の阿部泰久氏)の全員と、秋山高善上席主任研究員(税理士)と私
の8名は各委員会に共通委員として参加し、研究顧問の各先生方の所属
委員会を暫定的に決めさせて頂きました。

国税通則法検討委員会は「加算税制度のあり方」についてまず検討し、
今後の課題として、立証責任の問題や納税者番号制度の問題にも取り組む
予定です。
所得課税検討委員会は「年末調整制度の再検討」についてまず検討し、
今後の課題として、信託課税の問題や事業体課税の問題にも取り組む予定です。

また、今後のセミナー開催の予定は以下のものが決まっています。

8月3日(月)18時〜20時40分、東京税理士会館2F会議室
創立記念シンポジウム「納税者の保護と納税義務の履行の確保」
(東京税理士会認定研修)
基調講演:品川芳宣顧問「租税が抱える課題―租税は国家―」
講演:今村隆研究主幹「納税義務の履行に関する問題」
講演:吉村典久研究主幹「納税者の保護に関する問題」
パネルディスカッション:上記3名に加え、酒井克彦所長、玉國文敏研究主幹
資料代として、一般1000円、会員無料

9月14日(月)18時30分〜20時30分、東京税理士会館2F会議室
「税務調査の法律問題―税務調査における具体的法律問題とその対処法―」
(東京税理士会認定研修申請中)酒井克彦所長
資料代として、一般1000円、会員無料

10月19日(月)18時30分〜20時30分、東京税理士会館2F会議室
「重要租税判例解析講座(導入編)
―税理士が知っておくべき重要租税判例の解説及び分析―」
(東京税理士会認定研修申請中)酒井克彦所長
資料代として、一般1000円、会員無料

特に最後の重要租税判例解析講座(導入編)は、11月、12月に同内容の
セミナーを、東京以外の会場で開催する予定でおります。
これは、来春に予定している「重要判例解析講座」(全5回、参加費1回
につき一般30000円、会員15000円)の入門編として考えています。

判例が税法改正に与えた影響も大きく、判例や裁決の結果、通達が改正
されたり、取扱いが変わったりすることも多いのですが、我々税理士は
判例に射程距離があることをほとんど理解していないように思います。
判例の結果は、特殊事情を踏まえたその事例の結果に過ぎず、法律としての
機能を持たないのですが、何故判例がこのような判断をしたのか、という
判決理由は、他にも使える一般化可能な部分も多いのですね。
複雑な税法を解釈する上で、利用価値が高いものなんです。

にもかかわらず、勝った負けただけが議論されているように思います。
これからの税理士制度が税の計算屋としての役割ではなく、税法の解釈の
交通整理の役割が求められると私は思います。
税法の解釈が争われる現場こそ、税務調査であり、税務訴訟だと思うのです。

税法解釈の回答を、国税職員の書いた指南書に求めれば、税務当局よりの
回答が出てくることは必定です。
しかし、それが常に正しいとは限りません。
ロースクールで税法を学んだ弁護士から見れば、正しい税法解釈を考えない
税理士は、税理士賠償訴訟のカモにしか見えないでしょうね。

私が税理士登録した時の登録時研修で、鳥飼弁護士が、ちゃんとした仕事を
しないのであれば、私が訴えるという趣旨の話をしていたのを思い出します。

私が実務研究者として、判例研究をベースにした実務研究を続けているのも
原点は、責任あるプロフェッショナルの仕事を追及するためです。
大学院に進学したから見えた道ではありますが、専門家責任が果たせない
のであれば、国家資格を付与されたプロフェッショナルの意味がありません。

アコードの話があったときに、メンバーを見て場違いな気がしたけれども、
私が入ることで、実務家の声が当局よりの方々に届くのであれば、と
考えたのも事実です。

アコードが名前の通り、税務関係者の橋渡しになるよう、頑張ります。