- 宮本 ゆかり
- マイウェイネットワーク
- ビジネススキル講師
対象:ビジネススキル
ラーメン博物館といえば、マスコミ等でも度々取り上げられ、今では新横浜でも有名な観光スポットになっているので、ご存知の方も多いと思います。
私は、同じ地域で事業を営む者として、ラーメン博物館の岩岡社長とは仲良くさせて頂いています。
地元で生まれ育ち長くこの地を愛する社長から、以前、新横浜の歴史についてお話を聞いたのですが、たまたま近隣の地図を広げながら、この地域の神社の話題になりました。
実は、半径2キロ位の地点に三つの神社があるのですが、この三箇所を結んだ三角形の真ん中に、ラーメン博物館が位置します。
昔、社長はある風水士から、「この三つの神社を参拝したほうが良い」というアドバイスをもらったとのこと。
そしてそれを機に、毎月1日に神社参拝と掃除をしているというのです。
社長いわく「別に自分は何かの宗教を信じているわけではないけど、なんとなく言われたからやったほうがいいかなと思ってもう何年も欠かさず続けている」とのこと。
「なんて素直で真面目な方なんだろう」と思いました。
そこでさっそく次の参拝時には私も便乗させてもらって、いっしょに掃除に行きました。
偉いのは社長だけでなく、自主的に社員さん2名もついて来ていること。バケツと雑巾を車の荷台に積んでしっかり準備しておられました。
ある一つの神社は、もう管理する人がいない小さな神社で、車では通れない幅50センチぐらいの山道を、徒歩で登っていくという目立たない所にありました。(横浜にこんな場所があるなんてビックリ!)
その神社は人々からは完全に忘れ去られたように寂しげに建っていました。
うっそうと茂る木々の中にポツンと古くて小さな(四畳ほどの)祠があるだけ。
その古めかしい扉を開け、木の板を打ち付けただけの床を皆で黙々と雑巾がけしました。
電灯もないので中は真っ暗でしたが、扉を開けると少し日の光が入りました。
最後に、綺麗になった床の上に座って祭壇のロウソクに灯をともすと、皆でお祈りをして帰りました。
岩岡社長は、多忙な業務の中にあって、毎月一度も欠かさずにこの掃除・参拝を続けているとのこと。もちろん近隣の住人も知りません。(神様は見ておられるでしょうが)
いっしょに同行している社員さんに「これは社長の命令ですか?」と、いじわるな質問をしてみたところ、「いえ。なんかこう・・・掃除をすると心がスッキリするんですよね」という返事。
「すごいなぁ・・・」と感心してしまいました。
こういう行為を『陰徳積善』というんでしょうね。
誰も見ていないところで、黙々と良い行いをする。
見返りを求めない無私の精神でやっているからこそ、結果的に守られて繁栄していくのでは・・・と思えました。