人探しの方法 - 営業戦略・販売計画 - 専門家プロファイル

水内 終一也
合資会社アクタリスト 
経営コンサルタント

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閲覧数順 2024年04月19日更新

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人探しの方法

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人探し 人探しの方法

人探しの方法


私の携帯電話が鳴った。


買ったばかりで家族にしか教えていない携帯電話が鳴った。


時計の針は深夜24時にさしかかろうといている。


着信番号を見ると「045」から始まる電話番号。




横浜からだ。




私は横浜出身なので、横浜からの電話は不思議ではない。




しかし・・・




誰だ?




しかも、こんな深夜に?








電話に出るか迷っているうちに、携帯電話は鳴り止んだ。


そして留守伝が残された。


恐る恐る、留守伝を聞いた。




「おぉ! 何と懐かしい声」と私は嬉しくなった。




「おーい! Sタローだよ! 元気かい? オマエの実家に尋ねて、携帯番号を教えてもらったヨ。 着信履歴が残っているはずだから、起きていたら電話をくれ〜!」




Sタローは、私の高校時代のバンド仲間。


私はボーカル、Sタローはドラム。


私が好きだったキーボードのAちゃんは、Sタローのファンで、いつもSタローにくっついて回っていた。ちょっと悔しい恋敵でもあった。


Sタローは、Aちゃんを別に何とも思っていないので、Aちゃんから私はSタローについての恋愛相談を受けていた。つらい相談・・・。


そんなことはあっても、Sタローと私は、とても仲が良かった。


一度もクラスが同じになったことがないが、音楽という共通の趣味があり、しかも、お互いの得意なジャンルやパートが異なっていたから、お互いに教えあい、刺激しあう仲だった。




高校時代によく通っていた音楽スタジオを思い出した。




お互い金が無いから、正規の金額ではなく半額の個人練習枠の金額を二人で割り勘にしていた。


Sタローがドラムの練習をするという名目でスタジオを借りて、当日は、私が見学者ということで、スタジオに忍び込み、2人で練習したっけ。


Sタローがドラムを叩き、私はマイク無しでボーカルの練習をした。


一番安い、6畳程度の狭いスタジオ。


壁4面中、3面は、ちょっと黄ばんだ白い壁。


1面は鏡になっていて、自分の演奏や歌い方を確認できるようになっていた。


Sタローも私も自分をカッコ良く見せることばかり、鏡を見ながら研究したっけ。


たしか、もうお亡くなりになってしまった、ロック・ミュージシャンの忌野清志郎さんの「雨上がりの夜空に」という曲で盛り上がったものだ。




今にして思えば、恥ずかしいが、懐かしい思い出だ。




そんなスタジオの風景がふっと目に浮かんできた。




高校卒業後も私の家にSタローが泊まりに来て、夜通し酒を飲みながら音楽の話をしたものだった。


時々、いっしょにライブハウスにも行った。


Sタローの専門学校の入学式の前日、私の家に遊びに来て、夜通し飲んだために入学式に遅刻するなんて珍騒動もあった。


Sタローは専門学校を卒業すると、海外の工学系の大学に進学した。


確か私がSタローと最後に会ったのは、海外の大学に行く間際の壮行会の時だった。


私はSタローのためにオリジナル曲を作り、プレゼントしたっけ。


今日、20年ぶりにSタローの声を聞いた・・・。






私はしばらく、昔の思い出に浸ってから、Sタローに電話した。


Sタローは、忌野清志郎さんの「雨上がりの夜空に」をふと耳にして、私のことを思い出したらしい。


「あの曲はオマエから初めて教えてもらった曲だから、オマエの歌っている姿と声が頭に浮かんだんだ。懐かしくてさ、で、電話したわけ」


お互い、深夜にも関わらず、お互いが会わなかった間の出来事や最近の仕事の事、そしてお互いまだ音楽を続けている事などで、話が弾んだ。


いつの間にか時計の針は深夜2時に近づこうとしている。2時間近くも話していた。




「今日は、もう遅いから、また今度、話さないか?」と私はSタローに言った。




そうしたら、Sタローは「実は・・・」と、今までの打ち解けた雰囲気ではなく、ちょっと神妙な感じで話を切り出してきた。


「ん? 何? どうした?」


「いやぁ、実はさぁ、キーボード弾いていたAちゃんを覚えている?」


「あぁ、覚えているよ。でも、結局、オマエ、Aちゃんと付き合わなかったよなぁ」


「そうなんだけど・・・。オマエさぁ、Aちゃんの連絡先知らないか?」


「たしか、風の噂で、中国の人と結婚したって聞いたけど?」


「オレもそこまでは知っている。その先をオマエ知らないか? オマエなら知っていると思ったんだ・・・」


「おいおい・・・。結局、何? Aちゃんと連絡とりたいから、この深夜にオレに電話してきたわけ?」


「・・・いゃ、そ、そういうわけじゃないんだけど」


「オマエ、"雨上がりの夜空に"を聞いて、俺を思い出す前に、キーボードのイントロでAちゃんを思い出し、次に歌が始まって、オレを思い出したんだろ?」



Sタローは口ごもって、色々と言い訳しているが、どうやら、図星のようだ。


「しょうがないなぁ。オレはAちゃんの連絡先を知らないんだけど、調べる方法なら分るよ」


「えぇ! そ、それ、教えてくれないか?」


「あぁ、いいよ。さっきさ、オレがマーケティング・コンサルタントをやっているって話したじゃん。ウチのクライアントに数件、探偵さんがいてさ、マーケティングに必要な、あるモノを時々、オレから買ってるんだ。それを探偵さんは調査に使うんだそうだ。で、あるとき、それをどう使うのかを、雑談してたら教えてもらったんだ。その方法はね・・・」


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