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なぜ日本の住宅寿命は短い:法定耐用年数

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家の寿命を科学する

■ 住宅の法定耐用年数


今日は、法定耐用年数について考えてみたいと思います。

日本の税法では、建物は、減価償却資産(固定資産)です。
減価償却資産は、取得価格からその使用可能期間に応じた価値が減少する資産とされます。

この税法上の使用可能期間を法定耐用年数といい、建物の場合、用途と構造により細かく規定され、木造住宅は、22年とされています。

法定耐用年数は、事業用資産で法人税・所得税で、経費として利益から差し引く費用(減価償却費)を算出するために用いられます。

法定耐用年数は、このような税金を算定するための便宜的なもので、個人用住宅でずっと住んでいる分には何の関係もありませんし、実際の耐用年数と何の関係もありません。

ところが、日本の中古住宅価格は、法定耐用年数をベースに考えられていると思われます。
欠陥住宅でも、堅牢で美しく100年後でも通用する家でも、同じように価値が下げられてしまいます。


イギリスの場合は、居住用住宅は減価償却対象ではありません。

市場価格でも、住宅が古くなることで安くなることはほとんどなく、古い方が高いこともあります。

暖房、水回り、内装などに改修を加えると、売る時にはその改修費用を正当に評価し、上乗せしてくれます。
100年前の建物であっても、入れ物自体は減価せずに、新しい暖房に替え、各タップからお湯が出るようにして、気の利いたカーペットや壁紙、照明にしたら、その改修費用は現在価値で評価されるということです。

全く日本と事情が違いますね。


繰り返しますが、法定耐用年数は、実際の耐用年数とは何の関係もありません。
「法定耐用年数を過ぎたから、そろそろ建て替えようか」、と考えるのは大きな勘違いであり、このような理由で家の建て替えが促進され、建て替えられているとしたら、不幸なことです。

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