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大澤 眞知子
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閲覧数順 2024年04月26日更新

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「自由」の意味を知らず「自由」の幻を求め留学し、カナダを追い出された日本人留学生へ

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カナダ・アルバータ州大自然から、迷える日本の中学生・高校生たちを心配する2023年が始まりました。

年末に公開したコラム「カナダ留学−2022年のWorst4」で取り上げたケースが増え続けているようです。


「日本の教育制度には合わない。もっと自由なカナダに行く。」と、恐ろしく間違った思い込みにより、日本の学校を辞め、基本学力も英語運用能力もなく、精神年齢も非常に幼いままカナダに来てしまう中学生・高校生が跡を絶ちません。

「やった!金づる!」とニンマリするエージェントの大嘘と、また授業料のタダ取りが出来るとニンマリするカナダの高校。

カナダの国も残念ながら「留学生は大切な収入源」という一大方針を掲げていますので、エージェントやカナダの高校のやることには「見てみぬフリ」です。


在東京カナダ大使館の場所を提供し、ずるいエージェントやカナダの学校が有る事無い事を並べ立て、日本の親子を勧誘するのを黙認しているのもカナダ政府です。

「大使館で紹介された学校なら大丈夫なはず。」とまんまと騙される親子がいることを、一体カナダ政府はどう思っているんでしょうか。 カナダのMedia介入のタイミングですね。


「日本には自由がない。カナダは自由だからカナダに行きたい。」という声が私のところにも届きます。

 ここが一番の問題であり、大間違いのとても危険な思い込みです。

日本の未成年がカナダに来ても「自由」などないですよ。


何を持って「自由がある」などの大間違いの勘違いを起こすのか。

そこには、実はカチカチで旧態依然、子供の個々の違いなど全く無視の日本教育の無残な姿があります。

日本の教育制度下で「呼吸困難」に陥っている生徒は無数にいることでしょうね。

このまま日本の教育に息の根を止められるのを待つのか、それとも逃げ出すのか、その二者択一のはざまから「カナダ」を見てしまっていますね、きっと。


この問題は、実は二者択一だと捉えると、どんどん底なしの穴にはまり込み、そこから前に進めなくなりますよ。

説明してみます。


日本:


日本の教育は受験を目的に組み立てられています。

とにかく受験で少しでも高い成績をあげ、少しでも良い学校に行くのが教育の目的だと思えます。


本来、教育とは、個々が持っているギフトを伸ばすヘルプを行うのが目的のはず。

自分の観察・経験をもとに、成長に従い周りの社会を客観的・論理的・科学的・批判的・具体的に理解するプロセスをカリキュラムとして用意し、試行錯誤しながら子どもたちが自分の考えを持ち、それを発信出来るよう奨励し、導くのが教育者のはず。


教育でのInputはその先にあるOutputを目的として行われるもの。

学校とは、それぞれが大きく異なる個々の生徒が自分でOutput出来る学びを助けるところ。

教育とは、個々の子供がそれぞれの学びをそれぞれの方法で行うことを助けること。

「これを覚えろ」「あれを覚えろ」と強制するところではないはず。

みんな同じ教材で同じ事を覚え、同じテストで点数をつけ、順位をつけるところではないはず。

本を読む時間の余裕もなく、自分で考えることを否定され、迷ってしまった生徒たちを「勉強の出来ない怠け者」と呼ぶのが教育ではないはず。


その慣れの果てが、「勉強することに全く興味を失った」日本の子どもたち。

前回のPodCastでも述べたように、「学び=苦痛」としか思えないまま成長した「学ばない大人」のあふれる日本の姿。

日本の教育が全く戦後から変わらないまま(恐ろしい怠慢ですよね)、迷いに迷う子供たちが増え続けています。

その迷いに迷った日本の子どもたちが崖から飛び降りるように、やけくそで向かう先がカナダでか。。。。。


ちょっと立ち止まって考えてみましょう。

よくわかりますよ、日本の学校が息が詰まりそうなのは。

でも

「高校留学したい!自由になりたい!」とカナダにやって来る、精神的にも危ういほど幼い日本の未成年たち、「日本には自由がない!」とは一体何を指しますか?

日本で何をしたかったの?

日本で一体何をさせてもらえなかったの?

カナダなら「日本でしたかったこと」「日本ではさせてもらえなかったこと」が出来ると思ったの?

それがあなたの言う「自由」ですか?


また、窮屈な教育制度であることはよ〜くわかりますが、その中で出来る限りの努力はしましたか?

それでも息切れしたんですか、それとも、何もしたくないので逃げたいだけですか?

よ〜く考えてみること、まずはそこから。

 

カナダ:


教育は根本的に異なります。

幼稚園から高校までのカリキュラムは、個々の生徒が”Who I am”を知ることが出来るよう組み立てられています。

”Who I am”つまり、自分は誰でどんなIdentityがあり、自分はどんなギフトを持って生まれて来ており、そのギフトをどう見つけるのか、そのギフトをどう伸ばすのか、そのギフトを持った自分の社会での居場所とは、社会での価値とは何か、などをクリティカルシンキングを使い分析していきます。


Grade9になる頃には、多くのカナダの生徒は「自分をよく知り」高校ではどんな知識とスキルをつけることが自分の特性を伸ばすことになるのか。 ひいては、大学での専攻を考えて行く手段ともなります。

クリティカルシンキング思考法の運用能力もGrade10になる頃にはかなり高いレベルでついており、特に深いクリティカルシンキング理解力のある高校生のみが大学進学を目指します。

カナダの大学レベルは半端なく高いので、深いレベルのクリティカルシンキング応用力がないと全く歯がたちませんから。


もともと、カナダの社会全体・国全体に存在するのがクリティカルシンキングです。

生まれた瞬間から、その影響を濃く受け、すでに3歳児の質問はクリティカルシンキングだらけです。


カナダの生徒は本を相当たくさん読みます。

本を読み、考え、自分の考えを発信することがFormal Reasoning(クリティカルシンキングを土台とした論理的考え方)を育てる最良の方法だからです。

日本の生徒のように、学校・宿題・塾・部活三昧で読書など物理的に無理という悲惨な生活とは全く逆です。


個々の経験・観察力を高いレベルに育て、そこから社会が恩恵を得る。

これは正に「民主主義」の考え方。 末端から上に思考が伸びて行く形です。

日本のように、「上から、これが正しいからこれを覚えろ」と、個々の生徒の思考能力など全く無視される教育はフランス革命などで倒された「独裁専制主義」そのままが亡霊のように生き残っているようで不気味です。

「お上が決めたことを覚える」のが日本の教育。

「自分の考えで国を助ける」カナダとの大きな大きな違いです。

  

ほらぁ、やっぱりカナダがいい!

ですか?

いや、違います。

カナダか日本かの”either ~ or ~”(二者択一)の罠にはまらないように気をつけて。

例えばGrade10からカナダの高校留学を夢見ているみなさん。

カナダのGrade9までの教育を全く抜かしたまま、いきなりGrade10に受け入れられると思いますか?

本気で思いますか?


クリティカルシンキング能力もカナダの3歳児にも及ばない。

もちろん、英語でのコミュニケーション能力さえカナダの3歳児にも及ばない。

カナダの同級生がおそらく3桁に上るほど読んできた、英語のストーリーも読んだことがない。

しかも、カナダの同級生は英語が母国語。あなたはカナダの幼稚園児の本さえ理解出来ない。


あなたは自分の考えをCritical ThinkingとFormal Reasoningを土台にし正しい英語の形でOutputすることが出来ますか?


出来ない? じゃぁ

カナダに来る前に、英語母国語の幼児が言葉と考え方を覚えていったような年数を費やす気がありますか?

カナダのGrade1〜9までのカリキュラムをすべてこなし、その間に英語の本を山程読み、Critical ThinkingとFormal Reasoning訓練を9年間やる覚悟がありますか?


全く制度も言葉も考え方も異なる国にGrade10からやって来る。

いかに無謀であるか、わかりますか?


わかるけど、まだ、諦め切れない?

OK、では、一体カナダにはあなたにとってどんな「自由が待っているのか」考えてみましょう。


Grade9までの基本もなければ、英語力もカナダの幼児以下のあなたには学校での「自由」は相当制限されます。

もし、「髪を染めてもいい」「制服がない」「化粧してもいい」「昼ごはんは教室でなく、どこで食べてもいい」などもしょうもないことを「自由」と呼びたいならどうぞ。

それがあなたの未来に大きな宝となる自由だと思うならどうぞ。


高校での履修コース選択の自由を高校留学の理由にあげる日本の生徒が結構います。

本当に、自由に選べると思ってますか?Grade10の能力もないあなたが。

卒業に必修のEnglish10(アルバータではEN10-1 )などに入れてもらえる自由さえないですよ。

せいぜい英語の出来ない留学生用の「料理」とか「体育」とか「化粧を教えるクラス」「コンピューターのクラスでゲームをしてなさいクラス」などが関の山の「自由」でしょう。


学校外の生活も、日本の親元のほうがはるかに「自由」ではなかったですか?

ホストファミリーの家のルールに従わないといけないことをあなたは「自由」と呼びますか?

どこに行くにもホストの送り迎えを頼まないといけない(嫌な顔もされますし、拒否されることもありますよ)ことを「自由」と呼びますか?

友達をいっぱい作る!と夢見てカナダに来、日本人だらけの学校に放り込まれ、日本人とつるむしかないのを「自由」と呼びますか?

日本では高校選びに時間をかけ、自分に合ったところに行くくせに、エージェントの儲けの大きいカスみたいな高校に送られることを「自由」と呼びますか?


校則も親のいない未成年留学生には非常に厳しいですよ。

カナダの高校生なら「お説教」で済む行動は、ほぼすべて「退学」「強制帰国」の対象であるのを知っていましたか?

留学前に親子でそんな書類に(人間の尊厳が疑われるような内容)署名しましたよね。

そんな屈辱的な条件を飲み、同意することをあなたは「自由」と呼びますか? 

________________


ほらね、”either ~ or ~”「日本にいるかカナダに行くか」のお粗末な二者択一で考えると、こんな土壺にはまり込んでしまいます。

最良の方法は、日本で高校3年間基礎学力を確実につけ、大学からの留学を目指すこと。

日本の高校の数学・サイエンスは世界レベルです。

また英語文法も日本の高校で習うレベルは、将来英語を必要とする場合、必須の知識です。

そして、その3年間でカナダのGrade10に追いつく特訓をすること。

そんな頑張る生徒をカナダクラブから応援して8年目に入ります。

たくさんの「希望」をカナダに送り出して来ました。

 

え?でも。。。まだ、その決心がつかない?


アドバイス

“either ~ or ~”から抜け出したところに何が見えるか。

Out of the box「従来のカチカチの融通が効かない考えではなく、狭い箱から飛び出して考えてみること」で考えると、前の前にちょっとうっすら形が見えるかも。

一緒に考えてみましょうか。

そんな2023年にしてみましょう。


カナダから強制的に放り出されたくないですか?

じゃぁ、一緒に考えましょうか。

私も本気になりますよ。


「自由」の本当の意味を知ってから

カナダにいらっしゃい!

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カナダにいらっしゃい!

カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。

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