- 野村佳代
- 出版/広告プロデュース〜企画・ライティングからデザイン・印刷まで 株式会社アスラン編集スタジオ 代表取締役
- ライター
文章力は身につけられる!
格段に文章が書きやすくなるとっておきのコツ(2)
筆が進まない本当の理由
私たちは、メールや年賀状は書きやすいのに、「文書」「書式」「書類」と形式が異なってしまうと、とたんに筆が進まなくなりがちです。
この原因は、「読み手をイメージできていない」ことです。
伝えたいこと、伝えるべきことは、すでにあなたの中にあります。
論文やエッセイを書くわけではありません。ビジネスで伝えたいことははっきりしていますよね。
つまり、筆が進まない原因は、「何を伝えるべきか」ではなく、「どう伝えるべきか」について悩んでいるからなのです。
ここで、再度、前回のメールや年賀状の例を思い出してみましょう。
メールや年賀状が書きやすいのは、「読み手をしっかりとイメージできている」からです。
相手を知っている、というのも大きな要因でしょう。
その人に向かって書くのですから、書きやすいのです。
一方、不特定多数の人が読む情報サイト、小冊子、メールマガジンなどは、読み手をイメージしづらい傾向があります。
報告書や社内文書についても同様です。
これらも、社内の複数の人が読むものですから、どうしても「どう書くか」について悩んでしまうのです。
結論です。
文章は「1人に向かって書く」と、格段に書きやすくなります。
メールマガジンを例に取りましょう。
メールマガジンは本来、不特定多数に送るものです。
しかし、これをあえて「1人に向かって書く」わけです。
1人は、あなたがビジネスをしたい中心ターゲットです。
たとえば「30台の専業主婦、サラリーマンの夫と幼稚園に通う子ども1人の3人暮らし」がターゲットだとします。
あなたの周りに、そのターゲットにぴったりの人はいませんか?
たとえば、「お隣に住む主婦」「友人の奥さん」「親戚の○○さん」など、必ずそのターゲットの中心となる人はいるはずです。
そうしたら、その人をモデルAさんにしてしまいましょう。
そして、Aさんに伝わるように書くわけです。
すると、「どう書くか」が見えてきます。
「Aさんは、この言葉は知らないだろうな。説明しなければ」
「Aさんは、こういうことを悩んでいるだろうな」
「Aさんが○○で困っている時は、○○のアドバイスをしたい」
ここで、不特定多数を意識する必要はありません。
なぜならAさんは、あなたのビジネスのコア・ターゲットなのですから。
これは、取扱説明書やマニュアル本などでも使用されるテクニックです。
コア・ターゲットを決めて、1人に向かって書きます。
すると、自然とターゲットが求める文章になるはずです。
こちらとしても、書きやすくなるのですから、使わない手はありません。
次回は、最低限、知っておきたい日本語の文法について紹介します。