内定取消騒動の日本総合地所、経営破たんへ - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士
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内定取消騒動の日本総合地所、経営破たんへ

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5日19時40分asahi.comネット記事は次のように報じた。

マンション分譲大手の日本総合地所(凍傷1部上場、東京都港区)は
5日、東京地裁に会社更生法の適用を申請し、受理されたと発表した。
負債総額は1975億円。
マンション販売不振に金融市場の混乱が加わり、資金繰りに行き詰った。
同社は昨年11月、学生53人の採用内定を取り消し、社会的な話題を集めた。

東京都内で記者会見した西丸誠社長は「金融機関の締め付けが非常に
厳しく、想像を絶する変化だった」と経営環境の激変を強調。
内定取り消しが報道で大きく取り上げられ、社会的な批判を浴びたが
「マンション販売現場では(お客さんに)怒られたが、販売には
影響なかった」とした。

日本総合地所は93年の設立。
主に首都圏で、ファミリー層を狙った「ヴァレーナ」シリーズ
マンションを分譲。
団塊ジュニア世代のマンションブームに乗り、業績を拡大し、
01年に東証2部、03年に東証1部上場。
08年3月期の連結決算は売上高1189億円、純利益46億円を計上していた。

しかし、一昨年夏のサブプライムローン問題浮上後、
拡大路線が裏目に出て、業績が急速に悪化。
昨年10月以降は資金繰りが切迫するようになったという。
今月3日には、09年3月期の連結業績が305億円の純損失に落ち込むと発表。
最後は、今月上旬の建設代金支払いのめどが立たず、行き詰った。

民間の信用調査会社、帝国データバンクによると、今回の負債総額は
08年度では、昨年8月に倒産したマンション分譲大手の
アーバンコーポレーション(負債総額2558億円)に次いで7番目の規模となる。


同じく5日20時50分共同通信ネット記事は次のように報じた。

今春入社予定の学生の内定取り消しが問題となったマンション分譲大手の
日本総合地所は5日、自力再建を断念し、東京地裁に会社更生手続きの
開始を申し立て、受理されたと発表した。
内定を取り消した53人すべてに対し、補償金100万円を支払済みと
している。
負債総額は1975億円。
不動産市況の悪化を受け、マンション販売が低迷。
金融機関が融資姿勢を厳格化し資金繰りも行き詰まり、事実上破綻した。



昨年、今春卒業の大学生53人に対して突然内定取消を言い渡して
社会問題化された日本総合地所が経営破綻した。

建築基準法の改正後、建築確認がなかなか通らなくなり、
事前の土地投資を自己資金ではなく、金融機関からの借入によって
行っていた不動産業者にとって、金利負担は馬鹿にならないものである。
さらには、リーマンショックに端を発した金融不況が、貸し剥がしを
引き起し、建築確認がおりずに塩漬けになってしまっているマンション
開発が不良債権化した案件とみなされ、返済を迫られるわけですね。

そういう意味では、デベロッパーの不動産会社は非常に厳しいですね。

この図式を変えないと、不動産業者の経営破綻はまだまだ起きる
可能性がありますね。


ところで、日本総合地所が内定を取り消した学生に支払った補償金って
所得になるんですかね。
学生時代から可愛がっていた後輩のT君が、色々と調べてくれています。
(彼は昨年末、国士館の学生向けに採用枠を採ってくれました。
税法の授業中に紹介した会社の人事部に勤務するFPです。)
彼が問い合わせた限りでは、国税庁では揉めているようですね。
所得なのか、損害賠償なのか。
この点については、2月中に彼と共著で論文にまとめる予定です。
これから掲載してくれる雑誌を探さないとなあ。