- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
So, what did you observe today? 日本の生徒へのチャレンジ
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カナダ大学進学予定の日本の生徒2人がEdmontonを訪問中です。
北の果ての都市と、アルバータの息を飲む広大な自然とを間近に体験し、大学に備えたクリティカルシンキング特訓のために。
日本の教育制度で優秀な成績を残した生徒は、学習意欲も高く、「勉強しなくちゃ」という自己動機も素晴らしい。
そんな日本の生徒への大特訓は、クリティカルシンキングです。
クリティカルシンキングなしでは、英語圏の大学の授業を理解することすら無謀な試みですから。
クリティカルシンキングの第一歩は、まず自分の周りを常に観察し「なぜ?」を考えること。
この「観察」が実は日本の教育制度と日本社会で育った生徒にはとてつもなく難しいプロセスです。
そこで、毎日夕食時に “So, what did you observe today?” と会話を進めることを習慣にしました。
カナダビーフを食べながら。
2人の生徒の観察と「なぜ?」をご紹介します。
アルバータ州ドラムヘラーの恐竜博物館での観察
8歳位の男の子が突然大声で幼児のように泣き叫んでいました。
日本では、普通そのくらいの年齢になると、公の場でそんな泣き方はしないので驚きました。
面白いですね。
人種・文化が異なると子供の育て方も異なりますし、周りの反応も異なります。
自分の育った日本の環境と、様々な多様な人たちが普通だと思っている環境とを、同じだと認識してしまうのは危険ですね、今のglobalization の世界では。
もちろん、もしかして、その黒人の男の子がちょっと変わっていただけかも知れない可能性もあるかも知れないこと。
これもクリティカルシンキング思考過程の重要な部分だと釘をさしておきました。
この男の子の行動を基に、世界中の多様な人たちの実に多様な行動形態を思慮に入れるようになると、そこからクリティカルシンキングが始まりますよ。
街の通りでゴミ箱をあさっている人を見ました、ホームレスでしょうか?
日本でも見たことがある光景かも知れませんが、カナダの社会事情を理解する扉が開けそうな観察です。
レストランの裏などなら、食べ物をあさる人もいるかも知れませんが(悲しいことですね)ゴミ箱から缶やプラスチックボトルなどを探して集めている人が多いです。
Bottle Depotと呼ばれる所に持って行くとお金に換えることが出来るからです。
家庭のゴミ出しでも面白い行動が観察出来ます。
back alleyと呼ばれる家の裏の通りにゴミを出しておくのですが、その裏通りをスパーマーケットのカートなどを押して「売れそうな」ゴミを集めて行く人達がいます。
大抵、母親と子供のペアが多いですが、生活費の足しにするのでしょうね。
その人たちと出会うといつも挨拶してきます、とても陽気で礼儀正しく。
散歩している家の猫にもやさしいです。
考えさせられる風景です。
生徒たちがカナダ社会を理解するきっかけになりますね。
お祭りでHomosexualのカップルを見ました。 同じジャケットを来て手をつないでいました。
堂々とし、隠すふうもない様子にこっちが幸せになりました。
そう、カナダは様々なSexual Orientationを持った人たちにやさしい国です。
同性婚もかなり前から合法です。
人間はそれぞれ違って当たり前、その違いを認めることがとても大切と、カナダは考えています。
「みんな一緒であるべき」という日本社会を外から客観的に見るいい機会になりますね。
客観的な分析はクリティカルシンキングに必須の要素です。
EdmontonのCaribbean FestivalでラスタカラーのBob Marley シャツを買った生徒。 すぐにそれを着て歩いていたら周りの黒人の人たちから笑顔で声をかけてもらった! 嬉しかった!
世界に数え切れないほどいる多様な民族・人種。
それを理解する第一歩は、その人たちの中に入ってみること。
これに尽きます。
入ってみると? みんな親切ですよ。
もちろん個人によって色々ですので、なかには嫌なヤツに出会うかも知れませんが、それはそれ。
また観察が始まります。
同じ食べ物を食べてみる。 同じシャツを着てみる。 少なくとも挨拶くらいは同じ言葉を使ってみる。
ここから多民族理解が始まります。
カナダにはそんなチャンスが山程転がっていますよ、日本の若いみなさん!
靴屋さんに行き、自分のサイズを探してもらいました。 日本なら、店員が箱から靴を出してくれ、合うかどうかも確認してくれるんですが、カナダではポンと箱をおいて店員は去って行きました。
なんか気楽で買い物しやすかったです。
ははぁ、サービスの定義そのものがかなり異なるからですね。
またしても、日本社会を外から客観的に分析出来る観察が出来ました。
日本は「お客様は神様」ですので、手とり足取り世話を焼くのが店員の仕事。
カナダでは、個人の自由を大切にしますので、自分でじっくり靴を合わせたい人、そうでない人も色々います。
その自由に踏み込まないのがサービスです。
また、日本のように客と店員の上下関係など存在しませんので、客の足元にかしずく必要などもありません。
例えば、ゲストに飲み物を出す時、日本ではもてなし側がすべて用意することが普通だと思います。
カナダでは、「何がいいですか? コーヒー? お茶? ジュース? あ、ワインもあるよ、ははは?」など、実に盛りだくさんのチョイスをくれます。
日本人は結構とまどいますね、チョイスが多すぎて。
なぜそんなことを聞くんだろう? ホスト側が用意してくれたらいいのにと思う日本人も多いかも知れません。
でも、それはカナダでは個人の選択の自由を無視していることになります。
どちらがいいとかの判断は出来ませんが、相当異なりますね。
マナーもサービスも文化により大きく異ることを学ぶところから、多様性の理解が始まります。
一方向からだけ物事を見るのではなく、多角的な見方が出来るようになるスタート。
これぞクリティカルシンキングです。
生徒たち、日々大きく成長しています。
Critical Thinkerになるために。
このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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