- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
日本から訪問中の生徒を連れてアルバータ大学を訪問しました。
9月からはBC州の大学に入学が決まっている生徒と、来年のカナダ大学留学を目指して頑張っている生徒の二人です。
世界からの留学生に向け、2年前にプログラムを一新したそうで、「真剣で優秀な留学生がほしい」という意気込みが感じられましたね。
そして、日本の生徒全般については、正直な辛口の方針も知ることが出来、なかなか有意義な訪問でした。
2年前までは、アルバータ大学のInternational Program には2種類のコースがあり:ひとつはBridge Programという「正式なアルバータ大学入学を目指す留学生ようの本格的アカデミック英語訓練コース」、もうひとつは「いわゆる英語を話せるようになりた~い」という一般的な日常英語のコース。
その後者の「英語を話せるようになりた~い」コースは「役に立たない」と廃止したんだそうです。
やりますね。
もともと英語能力が高い留学生を呼び込み、本格的にアカデミックコースの準備をするコースだけに集中したアルバータ大学のBridge Program。
なかなか気になる内容でした。
日本でクリティカルシンキングの訓練をし、もともと能力の高い高校生がカナダの大学進学を目指している場合、かなり魅力的な内容です。
Bridge Program (以下BPと呼びます)Stage 1 (一番下のコース)に入るためにはTOEFLiBTならば65が必要です。
日本の高校で普通に英語の勉強をしていた生徒には、なかなか取れないスコア。
IELTSなら5.0以上。
このレベルは大学の授業に必要なReading/Writingに特化しているそうです。
BP Stage 2はTOEFL70以上(IELTSは5.5)。
英語のReading/Writing + One academic courseを履修することが可能。
BP Stage 3はBP Stage 2に合格した生徒が上がれます。
このレベルはアルバータ大学ESLのユニークなところで、すでに希望するFaculty(学部)を選択し、それに直結したアカデミックコース履修が可能。
下記が希望出来るFacultyです。
Agricultural, Life and Environmental Science
Arts
Native Studies
Kinesiology
Science
この最後のStageは留学生にはかなり大きな利点だと思います。
このアルバータ大学のESL大改革は、日本で優秀な成績を上げ、英語のReading/Writingを高いレベルで訓練した日本の生徒のみに門戸を開く形になったようです。
真剣にカナダの大学学位を目指す人には、選択肢に入れる価値は十分ありますね。
学費も、BC州やオンタリオ州の大学よりは楽なアルバータ州です。
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そして。
ここからが、日本の高校生・大学生のみなさんに注目してもらいたい部分です。
「日本からの生徒はBridge Programにはほとんどいませんよ。 その代わり、夏の短期プログラムにはPartnershipのある日本の大学から学生がやって来ます。 内容は、「実際にカナダで使える実用英語」が主体で、色々なアクティビティも用意したプログラムです。」
どうやら、日本の学生はこんな短期プログラムの上客のようでした。
アルバータ大学もお金儲けしたいですから、絶好なのでしょうね。
ちょうど私達が訪問した前日にも100人ほど日本人大学生がどっとエドモントンに到着したところで。
International Programのあるダウンタウンの教室(大学キャンパスは使いません)にあふれていました。
「きゃぁきゃぁ」と。
かなり下品な振る舞いの学生がいたことは非常に残念に思いましたけどね。
ESL担当者からの質問
「日本からの学生は、本気でカナダの大学を卒業したいとは思ってないですね。 なぜですか? 日本の教育制度が素晴らしすぎるからでしょうか?」
ははは。
そこで私の反論。
「カナダの大学に留学したい日本人は相当数いますよ。 でも、なぜBridge Programのような足切り点のあるコースに来ないで、夏の遊び短期コースにしか来れないかというと。 一言で言うと英語が出来ないからです。 日本の高校までの英語訓練は、時代錯誤も甚だしく、未だ暗記、訳読に頼っている状況が大問題。」
担当者の目がマジになりました。
「大学留学します!と威勢のいい掛け声だけはありますが、現実を知らずに、日本の高校卒業の英語力だけですぐに入れると勘違いしている日本人が山程います。 そこにつけこむエージェントが『語学学校』というイカサマにわんさか送りこみますが、そこから上には上がれず、大学の門にもたどり着けず、何の資格もなしに帰国。 残念ながらこれがパターンです。」
もっとマジになった担当者に更にたたみかけました。
「日本の政府も企業も、英語圏の学位を取り、英語と日本語でレベルの高い専門分野をこなせる日本人をよだれを垂らして欲しがっていますが、現実問題、学生の能力が低すぎて思うように進まない、日本の若者のglobalizationです。」
「で。わたしが長年やっていることは、カナダの大学にたどりつくために、中学生の頃から長年かけてクリティカルシンキングを教え、クリティカルシンキングに基づいてreading/writingが出来る高校生を育てることです。 そうやって準備した生徒がたくさんカナダの大学に留学し、卒業しましたよ。 今日ここにいる生徒も同じく長年の訓練を経た二人です。」
そこで担当者「クリティカルシンキングなしではカナダの大学では勉強出来ないですから、その準備は絶対必要ですよ。 そういうことですかぁ。」
膝を乗り出した担当者「ぜひ、一緒にそんな日本人生徒を育てたいですね。 協力出来ると素晴らしい!」と興味津々でした。
少しだけ学費の安いアルバータ州エドモントンのUniversity of Alberta留学に興味のある日本人高校生の方は、いつでも連絡下さい。
クリティカルシンキングを理解し、高いレベルのReading/Writingまでの道筋をアドバイスしますから。
このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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