スベラない賃貸経営 (1)〜不動産賃貸とは - 資産運用・管理 - 専門家プロファイル

小林 治行
株式会社コバヤシアセットマネージメント 代表
ファイナンシャルプランナー

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対象:お金と資産の運用

柴垣 和哉
(ファイナンシャルプランナー)

閲覧数順 2024年04月19日更新

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スベラない賃貸経営 (1)〜不動産賃貸とは

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今回は不動産賃貸経営の運営と留意点を私の経験も踏まえて検討して見ましょう。
今回は日本FP協会発行のFPジャーナル10月号も参考にしています。

1."不動産賃貸とは"
投資とは将来に向かってする物です。
投資には金融資産投資と不動産投資がありますが、投資の原則として長期保有と分散投資があり、
その目的は安定収益とリスクの分散です。
従って金融資産も不動産も投資の対象として併行して進めるのが原則です。

一般的に不動産投資は金融資産のように大きく変動する物ではありません。
賃貸料が急に変動する事は少ないからです。
不動産投資には、二種類あります。
キャピタルゲイン(不動産の譲渡により得る利益)とインカムゲイン(賃貸料による収入)です。
投資としては両方に目を配っておく必要がありますが、不動産業者でもありませんので ここでは不動産の賃貸を新規に始めるという設定で以下を進める事としましょう。

2."不動産賃貸投資とは"
賃貸が目的ですから長期の投資となりますので、10年以上先までの調査が必要です。長期になりますから、無理のないスタンスで始めます。
賃貸収入が80万円あるが、借入金の返済に90万円のケースなどは投資として成り立ちません。

又不動産環境の長期的トレンドを見て見ましょう。
都心部ではここ1〜2年上昇傾向が見られたものの、昨今の景気減退の中で賃料も下降しています。
投資時期としては現在(H20年11月)が最安値とは言えません。
後半年、1年待っても良いように考えます。少なくとも底値の特徴が出てくるまでは待ちです。
その特徴とは株式指数とか、REIT指数、又は賃料指数、建築着工指数などを見ておきます。

3."検討段階"
実際に着手するまでの検討段階があります。

ステップ1 "目的・調査・シュミレーションプラン作成"
先ず自分のライフプランに基ずき、あらゆるデータを織り込んだキャッシュフロー表を 作成します。
当然金融資産の運用も織り込んで自分の99歳までの生活が、キャッシュの面から俯瞰できるように作成します。
そこから見えてくる事は、案外早く資産が目減りして、後期高齢者に入ってくると侘しい生活が出ようとしてしてきます。
夫婦二人である程度の余裕がある生活には全国平均で月37万円が必要、大都市では40万円以上になるでしょう。
収入は年金だけではとても足りません。
又、年齢を重ねていくと介護のリスクも出て来ますので、健康面も含め思わぬ出費が出てくる事も予測しておかねばなりません。

こうした不測の事態の為に余裕資金を確保しておくのが将来に備えて資産運用です。
こうして目標額を定めます。

ステップ2 "投資期間"
投資は早く始めるに越した事はありません。
複利の原則はご承知のうように、長ければ長いほど運用の成績は良くなってきます。
若いうちから始めるのが理想です。すべて自己資金と言う方は多くありません。
当然、銀行や公的機関からの借り入れを基に検討することになります。無理のない借入金にするためには自己資金も必要です。自己資金の積立から始めます。

ステップ3 "投資対象物件の選定"
1)ワンルームマンション一室からスタートするか、又は2)マンション型を複数保有するか、又は3)アパート・マンションの一棟を選ぶか。

ワンルームマンションは1,000万円台から投資できますが、比較的入居者の出入りが多く空室のリスクが高く、又近くの環境によって賃料が左右されますので、分散の観点から 資金繰りで苦労する事があり得ますので、一室単体買いは敬遠するべきでしょう。
他にも倉庫経営や駐車場経営がありますが、これらは土地を保有している人には向いているかも知れませんが、新規不動産としては除外します。

よって投資対象としては2)のマンション複数型か、3)一棟買いの方となります。
当然資金的にも5〜6千万円以上が必要になってきます。一棟となると1億前後と額も上がってきます。
物件は必ず現地視察をすること。
特に交通機関へのアクセスや買い物の利便性、日照や騒音問題など現地に行かないと分からない物です。
所轄市役所の建築課で建築基準法による建築規制(用途規制や建ぺい率や容積率、高さ規制など)をチェックし(不動産業者に頼りすぎないこと。彼らは売ることが目的です。)、又見逃してはいけないのが将来計画です。将来道路拡張予定地になっていないかなどを調査します。

(第1回了)


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