- 寺岡 孝
- アネシスプランニング株式会社 代表取締役
- 東京都
- お金と住まいの専門家
-
03-6202-7622
気軽に儲かると思って不動産投資を始めたサラリーマンの末路
著書「不動産投資は出口戦略が9割」
書店には投資マンションなど不動産投資で資産形成が簡単にできる書籍が多い。
しかしながら、実際にはそう簡単ではない。
特に、サラリーマンや公務員勤めであれば、安易に不労所得が得られる話に乗ってしまう。
投資マンション、特に新築を買うと後々厳しい現実が待っている。
■勧められるがままに投資マンションを買ってしまう
投資物件を扱う不動産会社はとくに“買わせてなんぼ”の世界ですから、セールストークも実に巧みだ。
特に、公務員や勤務医、看護師は注意した方がいいだろう。
それはなぜなんだろうか?
投資物件を売る場合、業者は買い手にローンを借りてもらうのが手っ取り早い。
代金回収も確実だ。
そうなると、銀行などの金融機関にとっては、貸しやすい人であれば問題はない。
そのため、貸しやすい人はだれ?となれば、収入が確実な公務員や勤務医、看護師などの職種に目が向く。
流れとしては、まず勤務先に電話をかけて営業する。
そのトークの内容はワンルームマンションのセールスの王道である
「節税できる」と
「生命保険の代わりになる」
「将来の年金になる」が中心。
そこで“脈あり”と思われてしまうと、営業マンと面談することやセミナーへの来場を勧められる。
実際に足を運んできたらしめたもの。
“飛んで火に入る夏の虫”よろしく、あの手この手のトークで畳み込む。
そしてあれよあれよという間に契約書にサイン。
「言われるがままに買ってしまった」ということになる。
私のところに送られてきたメールを紹介しましょう。
関西圏で投資用ワンルームマンションを2戸購入した人の話。
「大阪の不動産業者より電話勧誘があり、
『マイナスにならない』、
『税金対策になる』などを考慮して、営業マンの言うとおり新築のマンションを2戸契約しました。
始めは疑いの目で見ていたがセールストークに流され、また、『決算で早い者勝ちだから』と煽られ契約しました」
「契約後にまたすぐ電話がかかってきて、『また良い物件があるから特別に案内します』と長時間説得されて疲れてしまい、『わかりました。話を進めてください』と言ってしまいました」
「さすがに、そうそううまい話はないのでは、と不安になり、ネットなどで投資マンションのことを調べてみると、該当の物件が注意すべき項目として当てはまることばかり。
不安でたまらなくなり、仕事にも支障が出てきてしまったため、これ以上冒険はできないと不動産業者に連絡。
かなりキツい事を言われましたが、2時間以上の電話のやりとりでなんとか追加の3戸目の物件は断りました。安心を買ったつもりが、逆に不安を買ってしまったのかもしれません」
やはり不動産会社のセールストークは巧みである。
「そんなの、あり得ないでしょ」と思う人も多いようですが、実はこういう人、けっこういるのが現実だ。
■医者は特に狙われる
私がアドバイスした事例を紹介。
ある病院に勤務の医師のご夫妻。
なんとお二人で7戸の投資用マンションを所有していました。
年齢はお二人とも30代半ばくらいで、物件は節税を主な目的と称してそれぞれ独身の時と結婚後に購入したもの。
厳密な収支計算をしてみると、ご主人の方が年間35万円、奥さまの方が年間72万円の持ち出しをしていました。
奥さまが所有していた物件で中でも、特に驚いたのがある関西圏の物件です。
購入時3,200万円程のファミリー向けの3LDKのマンションでありながら、投資用として販売されていたものでJRの最寄駅から徒歩2分。
とはいえ、1時間に3本くらいしか列車が来ないローカル線の駅です。この物件だけで年間35万円の持ち出しだったので、迷わず「即、売ってください」と。
不動産業者の営業は必ず医者にはこう言う。
「高収入なので税金が高いですよね? マンションをローンで買えば税金は半分以下になりますよ」と気になっている
ところを突かれ、思わず営業マンの話に耳を傾けてしまったと…
そして「自己資金は要りません」がダメ押しとなり、ついつい買ってしまったそうです。
これには、普段の勤務が忙しすぎてあれこれ考えるのが面倒になってしまい、「プロに任せよう」と判断してしまう。
ところが、いざフタを開けてみたら節税どころではなく、たいへんな状況に陥ってしまっている場合がほとんどだ。
現在、お二人で5戸売却し、残りの所有は2戸で最終的にはすべて売却の予定。
たとえば、買ったときは1,500万円程の物件がいまの売買価格では900万円程度になってしまい、お二人とも損切りにはかなりの金額を自己資金で補てんする格好だ。
それぞれ築10年程度の物件だが、大阪は場所によっては家賃が徐々に下げられてしまい、また、賃貸借の契約期間も東京と違って2年ではなく1年などで空室期間が長期化したりと、商慣習や市場の違いが収支計画に大きく影響している。
この事例のような営業手法は今でも使われている。
医者というお客さまは、必ずと言っていいほど複数戸買わされている場合が多く、中には10戸以上所有という例もある。
最近ではこんな相談例があった。
投資マンションを8戸買い、うち99%はローンで2億以上の借金をして、しかも年間で数百万の赤字になっている現実を指摘したが、私もさすがに血の気が引く思いだ。
買った不動産業者からは、いまだに「もっと買った方がいいですよ、○○先生なんかも購入したので大丈夫ですよ。」と買いをあおるのである。
購入した物件すべての全体像を絶対に明かされないようにするため、巧みなトークで最後の最後までカネを引っ張るから恐ろしい。
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このコラムの執筆専門家
- 寺岡 孝
- (東京都 / お金と住まいの専門家)
- アネシスプランニング株式会社 代表取締役
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