会計課長団達也が行く!(日経BP社) - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士
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会計課長団達也が行く!(日経BP社)

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雑感 書評
今日は、会計が果たす経営のための役割について分かりやすく
小説仕立てにした林總の「会計課長団達也が行く!」
(日経BP社2008)を紹介します。
本書は、日経ビジネスオンラインで連載していたもののうち、
第1部をまとめて本にしたものです。
現在第2部が日経ビジネスオンライン上で連載中です。

林氏は、「餃子屋と高級フレンチではどちらが儲かるのか」
の著者として著名な方です。
会計に関する小説仕立ての作品は、山田真哉氏の女子大生会計士
萌ちゃんシリーズが有名です。萌ちゃんのシリーズのRPG
「もえビジ」が角川書店から19日に発売されています。
まだ手に入れていないので、読んだらここで紹介するつもりです。

さて、話は団達也に戻します。

団は「経営に使えない管理会計は意味を持たない。」(7ページ)
という指導教授宇佐美の薫陶を受けています。
「経験の裏づけのない知識は鋭利な刃物と同じ」(8ページ)であり、
「コンサルタントとなる必須条件は、血反吐を吐くほどの実務経験を
積み、極限まで勉強すること」(10ページ)だから、その実務経験を
積むために、指導教授の友人が創業したメーカーの建て直しのために、
そのメーカーに経理課長として赴任したのである。

ところが、いざメーカーに赴任してみると、数々の不正行為が
見えてくるのである。しかし、それはほんの序の口にしか過ぎなかった。
団は、信頼する女性職員とともに、監査を担当する公認会計士にも
気付かれなかったような不正を暴き、会社の正常化の道を作っていく・・・

本書を読んで頂ければ、林氏が本書や餃子屋・・・などで何を伝えようと
しているのか、良く分かると思います。
宇佐美のセリフに「有能な経営者は、会計を経営戦略の柱と位置づけている」
(321ページ)というものがありますが、これこそ、林氏が言いたいこと
であろう。というよりも、この本を紹介する私の本心でもあります。

ここまでも会計書を何冊か紹介してきましたが、
ようやくズバリの本が出てきました。

ご興味がおありでしたら、本書だけではなく、日経ビジネスオンラインで
連載中の第2部「熱血!会計物語〜経理部長 団達也が行く〜」を
読んでみて下さい。

会計というのは、ドラスティックに社会を浮き彫りにする道具なんですよ。