- 堀江 健一
- カウンセリングルーム エンパシィ 代表責任者
- 東京都
- 恋愛恐怖症・心の問題カウンセラー
-
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人の「陰の顔」とも言える心理学用語「シャドー」について書いています。
マツコ・デラックスさんが、よく「ぶりっ子」の女性タレントや女子アナに対して攻撃するという例を出して書いて見ます。
マツコさんに限らず、「ぶりっ子」はよく、ぶりっ子ではない女性から攻撃の的にされるようです。
「ぶりっ子」とは、十分大人として計算高く、頭も良いくせに、物を知らないフリをしたり、まるで子供かの様に無邪気に振る舞い、男性に甘え、寵愛を得ようとする女子の振る舞いの事だと思います。
「天然」の人は、本当に、物を知らないか、自由奔放な発言をする人、つまり自然な状態で「表裏」の無い人の事を指すものかと思います。
では、マツコさん側の想いはどんなものか?(すみません勝手にマツコさんを引き合いに出して。ここではマツコさん個人ではなく、マツコさんを代表とする、反ぶりっ子の方たちと解釈してください)
マツコさんの日ごろの言動からして、見栄を張ったりカッコをつけたりしないで、等身大の自分を率直に表現なさる事を心情としており、そのため、自分に対して甘いところ(自分にもダメな所があるけど、多少はしょうが無いよね、みたいな)もあるけれど、人に対し、計算して甘えて自分に優位になるような振る舞いをする事は、良しとしない方のように感じます。
つまり、自分に対してなんだかんだ言って厳しいのですね。
たまに自虐的にさえ感じられる発言もあるように感じますが、とにかく「表裏」全部晒しておられるのです。
天然の方と比べて、意識して、なるべく「裏表」がないように振る舞っておられるのではないでしょうか?
ですが、やはり心は女性ですから、人に甘えたい時もあって当然だと思います。
でもそんな器用に甘えられるものではないので、葛藤もあるのではないかと勝手に推測します。
甘えてはいけないと、自らに禁じておられる(我慢している)フシがあるようです。
つまりマツコさんにとって「人に甘える事」とは、
やりたくても出来ない、もう一人の影の自分
なのだと思います。
一部の女子アナさん(例えば田中みな美さん)は、ペルソナ(表向きの顔)では、おバカな仮面を被り人に甘える。シャドー(裏の顔)では大人の計算をして「したたか」に生きることも出来る(という風にマツコさんからは見える)。
マツコさんは、ペルソナでは誰にも媚びず、裏表がない仮面を被り、シャドーでは人に甘えてみたい願望もある。と言う図式かもしれません。
ちょうど、ペルソナとシャドーが、コインの裏表のようだとすれば、二人は裏と表がちょうど逆の関係なのですね。
こうした、裏表が逆同士の人は、お互いに反目しあってしまうことが多いようです。
誰に対しても反目したり、反感を買ってしまう人ももちろんたくさんいるのですが、ある特定の人同士の間で起こるこうしたお互いの「気に障る」感じは、
こうした「自分が生きられなかった、もう一人の自分」を投影してしまっているケースが多いように思います。
以前、
「不思議と相性が悪い人と縁がある」
というブログでも少し書きましたが、どちらが性格が悪いとかいうことではなく、そんな表裏が逆の関係の人はいるものです。
「優秀」であったり、「頭が良い」ことで、親や人に評価されて来た方は、常に全力でがんばることを周りから期待されてしまいます。
あるいは親から褒めてもらえなかったら、もっと親に認めてもらおうと、一層がんばってしまうものです。
そして、がんばったら、がんばっただけ周りも喜んでくれた。ある種のサービス精神もあって、もっとがんばろうとしてがんばってしまう。周りからは、「ガンバリ屋さん」「優等生」「頼れる人」という役割のレッテルが張られる事になります。
すると、「いつもしっかりしていないといけない」「出来ない自分であってはならない」と言う自分の存在意義が出来てしまいます。
自分が「出来る人」「がんばる人」であることにプライドも持つでしょうし、もう「出来る自分」から、「さほど出来ない自分」へと階段を下りることが出来なくなってしまうこともあるでしょう。
いつも荷が重い思いをして苦労されてしまいます。
そこで、目の前に「出来ない自分」「おバカな自分」を売りにして、ゆる~く人に甘えて生きているかのような人物がいたら、そりゃ腹が立っても無理もないです。
自分の中のペルソナとシャドーの折り合いが付いていて、シャドーの側の自分の気持ちも受け入れられていたら、そこまで人に対しても「気に障らないで済む」ものかも知れません。
例えば田中みな美さんが、もし本当に天然ではない「作られたぶりっ子」なのだとすれば、ペルソナの自分も、シャドーの自分も上手く受け入れ、使い分けておられる方なのかもしれません。
それは時と場合によって自分でコントロールして「階段を上ったり、下りたりすることが出来る」大変器用な人だと言えるでしょう。
つまり、「ぶりっ子」のキャラにたいするバッシングというのは、
人に甘えて、がんばらないでいても、人に評価される人
しかも「表と裏」を自由に演じ分けることが出来る、器用な人
という2つのことで、気に障るのではないでしょうか?
「ぶりっ子」では無いし、「天然」でもない人からすれば、ぶりっ子は
ずるいし
うらやましい
と感じられてしまうかも知れません。
「天然」は、なろうと思って、なれるわけではないですから、
もう「こう言う人なんだ」と素直に認める
しかない存在ですね。
続く
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このコラムの執筆専門家
- 堀江 健一
- (東京都 / 恋愛恐怖症・心の問題カウンセラー)
- カウンセリングルーム エンパシィ 代表責任者
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2021年公認心理師(国家資格)取得13年間で1万人以上の相談実績を基に、深く人を理解し心のもつれた糸を解きほぐします。恋愛が出来ない、自己否定感、人と接するのが怖い、夫婦間の亀裂など、人間関係全般、アスペルガーの方の社会適応などのご相談。
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