- 堀江 健一
- カウンセリングルーム エンパシィ 代表責任者
- 東京都
- 恋愛恐怖症・心の問題カウンセラー
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このブログでは、最近はアニメ「鬼滅の刃」を題材に特に「呼吸の大切さ」について書いています。
恋愛相談を主に扱うカウンセリングをしている私がなぜ「呼吸」の話なんて事をここまで細かくしているかを少しお話ししてみましょう。
人と接する時に緊張してしまう人にとって、緊張をほぐして会話する事は非常に重要な事となります。
後半では特に初対面の人と話す「婚活パーティ」などで深い呼吸を少し意識して緊張をほぐしておくメリットについて書いてみます。
カウンセリングの場で、初対面の方と話す時の注意点
人の中には「人と会って話などすると非常に緊張してしまう」タイプの方がおられます。
人見知り程度であれば良いですが、酷いと「社交不安」「対人恐怖症」なんて病名が付いてしまうほど緊張が強い場合もあります。
カウンセリングでそうした方とお話しをしていると、相手の相談者の方の呼吸が「止まっている」ような事があります。
本当に呼吸が止まってしまってたら失神してしまうでしょうから、正確には「非常に浅い呼吸」になっているのです。
カウンセリングの技術の一つにミラーリングというものがあります。非常に重要な技法の一つなので結構有名で、一般の人でも聞いた事があるかも知れません。
相手の話を聞く時、相手の姿勢や仕草、呼吸などを相手のマネをして、同じ様にシンクロさせるというものです。
私の場合は無意識的に真似をしようと思わなくてもそうなってしまいます。
すると上記のような方と相対していると私も息苦しくなって来て、「あー呼吸がとても浅くなっているな」と気付いたりします。
相談を始める最初で「この方は緊張が強そうだな」とすぐにわかりますが、話が進んでその方への理解が進んでくると、より共感する事が増えて来るものです。
そうした時にこのような同調する現象も、より同調率が高まって来るものです。
カウンセラー側からしても「もっとこの人の事を知りたい!」と興味を抱く気持ちが無いと、半減してしまうものです。
ここまでの段階ですでに「初対面の他人同士」であった二人の関係性に変化が起こります。
なかなか人には言えない悩み事を打ち明けているのですから「人には言えない秘密」を共有する特別な人間関係です。
相談者はカウンセラーに対して「この人は私の話を真剣に聞いてくれて、深く自分の事を理解しようとしてくれている人だ」と感じることでお互いの信頼感も深まり、その事だけで心が落ち着き安心感が芽生えて来るものです。
カウンセリングの効果が生じる第一段階です。
すると初めはカウンセラーの方が相手に同調して呼吸が浅くなるなどの影響を受けていたものが、今度は相互的に相手も無意識的にカウンセラーの影響を受けて変化する状態になります。
まさにミラーリング(向き合っている二人が鏡の様に同調し始める)効果と言えます。
具体的に言えばカウンセラーの私は、最初は前のめり気味で聞いていた姿勢から椅子の背もたれに深く体を預けリラックスしやすい姿勢に変えます。
そして呼吸も意識的に深くゆっくりとした呼吸にします。
すると相手の相談者の方もおそらく無意識でしょうが椅子にもたれ、段々呼吸もゆったりとしたものに変化して行きます。
相談者の心境としても「初対面だし緊張していた」ものが、緊張が段々がほぐれ、
「上手くきちんと状況を説明しなければ」と言う使命感や義務感みたいなものからも解放され出し、
頭で考えて少し焦って話していたものから、
今ここで頭に浮かんだ自分の深い感情を率直に思いつくままに話せる心の余裕が生じて来るものです。
初めはなにか解決策のアドバイスを欲しいとは思っているものの、ひょっとしたらカウンセラーに「非難されてしまうのではないだろうか?」「ダメ出しばかりされてしまうのではないか?」と言うような不安や恐れも緩和されて来ます。
そのため表情も初めは強張っているものですが、徐々に表情筋もゆるみ、時には自然な笑みが見られる様にもなります。
一般的に言えば「会話が弾みだす」のです。
大体順調にここまで関係性が上手く築けるようになるまでには30分ほどはかかるものかと思われます。
婚活パーティーなど初対面の場での場合
さてここで婚活パーティなどの状況と合わせて考察してみましょう。
特に「人と話をするのが苦手」と言う方が婚活していてのお悩みをご相談に来られることも多いので、そうした方々へのアドバイスとなります。
「婚活1000本ノック!」と言うドラマが最終話まで放映され、私も面白く観させて頂きました。
コメディーですが女性が抱きがちな「婚活」や「結婚」に対する心の葛藤がリアルに描かれていた様に感じます。
お笑い女芸人「3時のヒロイン」福田麻貴さん演じる主人公は、特に「人と話をするのが苦手」なタイプではなく、どちらかと言うと社交的な彼女でしたが、婚活・結婚に対してはかなり自分と向き合わざるを得ない苦難が伴っていました。
野球の補修の練習である1000本ノックをする位、経験とトライを繰り返す鍛錬が必要だとのネーミングでしょう。
それが主人公の成長物語となっているのです。
パーティーの始まりの自己紹介
大抵の婚活パーティでは最初の方で男女の参加者が初対面の自己紹介を次から次へとグルグル回って行います。
時間にして一人3分から5分程度でしょうか。
この3分から5分と言う時間にはメリットもデメリットも両方あると思います。
●メリットとしては
人と話をするのが苦手と言う方は、人と話をすることに苦痛を感じるものです。
でも人と仲良くなりたい、恋人も欲しいとも思っています。
仲良くなりたいけど、話をするのは苦痛なのですから大変な葛藤状態です。
相手と仲良くなる為には相手に気に入られたい。
そのためには相手を喜ばせてあげなくてはいけない、と言う様に考えておられる(あるいは無意識的に自動的にそう思い込んでいる)ので、会話中の沈黙を酷く恐れていたりするものです。
沈黙=気まずい=相手がつまらないと思わせてしまう、そのような配慮が働いている事が多いようです。
ですので水面上のアヒルは優雅に泳いでいる様に見えても、水面下では足の水かきを絶えず必死で動かしている様に、脳の中は大慌てです。
余裕が無いので笑顔が引きつっていたりしたら、それはマイナス要因になってしまうでしょう。
5分でも相当気を使って疲れてしまう事でしょうが、5分ならまだ頑張れば話せる!と思わせる時間かと思います。
次の人と交代すれば、緊張もややリセットされ、また一から話を出来るでしょう。
しかしそれが7人とか繰り返されると、その時点で「もう疲れて帰りたくなる」かも知れませんね。多くても5人位が限度ではないでしょうか?
「もう早く終わってくれ」と心の中では悲鳴を上げるかも知れません。
●デメリットとしては
たった5分程度では本当に自己紹介程度にしか相手の事もわからないし、相手にも自分の良さみたいなものもわかってもらえないであろうと言う所です。
まぁ自己紹介なのですから仕方ないとも言えますが、関係性を築くには到底至りません。
パーティ中盤のフリータイム
次にフリータイムと言う自由に話してみたい相手と個別にお話しする時間が設けられています。
では一体誰と話すのか?
5分間の自己紹介で得られる情報は「外見」の情報がせいぜいです。
私の好みの顔だわ、とかおしゃれそうとか。
ある程度普段から社交的で心に余裕がある人はもう少し相手の雰囲気から「気が強そうな人そう」とか「優しそう」「文化系の人そう」位の印象を読み取れる方もおられるでしょう。
感覚が鋭い人であれば、人の内面も顔に表れていたりしますから、それを感じ取る能力がある人は好みの合う人を選び易いものかと思います。
でも婚活の場で恋愛経験が少なく、尚且つ人と話すのが苦手な方は、そのような見た目以外の情報を感じ取る心の余裕が無い事が多く、誰に対して自分が興味を抱いたかを感じる余裕も無かったりするようです。
そもそも恋愛経験が少ないと、人に好意を感じる経験や付き合って見てどう言う人が自分にとって合っているのかもわからないのですから、選びようもかなり曖昧なものになってしまい、
選びようが無い
とも言えるでしょう。
漠然と「好みの顔=イケメン」みたいな人を選ぼうとしてしまうかも知れません。
ですから「話してみたいと思った人は誰ですか?」と聞かれても、それが誰だかも途方に暮れたりしてしまうようです。
言い方を変えると誰にも興味を抱けていないのです。
工夫をしているパーティだと、あらかじめ参加者の趣味だとか職業とか、場合によっては年収なんてものも書きこまれたプロフィールが書かれているものが配布されており、じっくり吟味できたりもするようです。
中には男性側の参加者が医者限定とか弁護士限定で集まるパーティもあるようですが、その様なタイプのパーティーに参加する女性は相手に「経済的な条件」を求めている選択肢が明確な女性で、そう言う意味では参加する女性のタイプもある意味限定されたパーティと言えるでしょう。
あなたが結婚相手に求める条件がそこまではっきりしているのであれば、参加するのも有意義かも知れません。
会話が苦手な人は、会話中も
「自分が相手にどう思われているか?」
に神経が使われており、相手の顔色は非常に観察していたりしますが、頭はほとんど「自分が何を話すか」「嫌われていないか?」を考えるのが精一杯で、自分が相手に興味があるかどうかなんて、実はそこが一番重要なはずであるにも関わらず、感じてる余裕が無い人が多いようです。
しかも誰に対しても「嫌われたくない」「嫌われたらどうしよう」と言う不安を感じておられる方が多いので、受け身になりがちです。
自分から話してみたいと思う人に積極的に話しかけるのは、そう言う人からすればかなり敷居が高い行動となるでしょう。
それでも積極的な男性(あるいは女性)から「お話ししませんか?」と誘ってもらえるような事があれば非常にラッキーと言えますが、それが自分にとって相性が合う人かどうかはまだまだ未知数です。
多くの女性が「今日も良い人いなかったな。せめて参加費の元を取ろう」と虚しさを抱きながら出されているおつまみとお酒を一人飲んで帰路に着くと言う結果となりがちです。
「好みの顔の人がいなかった」と言うことになるのでしょうが、自分が相手に好意を感じる条件が
「イケメンかどうか?」
と言う事以外は自分でもわかっていないから、と言えるのではないでしょうか?
誰にでも「好感を持たれる顔」と言うのはあるものでしょうが、
それが一般的に誰が見ても「美しい顔=イケメン」と一致しなくても良いのではないでしょうか?
でも誰が見ても「イケメン」と感じるような顔が良いと思う人が多い様な印象です。
それはテレビやSNSが作り上げた幻想的な価値観なのかも知れません。
それに実際イケメンの方はそうした「イケメン好き」の人が群がり、競争率も高くなるでしょうから、競争に勝ちたい思いが強い人がアタックすることになるでしょう。
あなたが競争を好みトライする人ならチャンスを勝ち取る可能性もあるでしょうが、
すでに競争に勝つことが目標となり、自分にとって良い人とお近づきになると言う目標とは異なるものになってしまっているかも知れません。
あなたはそもそも競争するのが好きで勝ちたいと思えるタイプなのでしょうか?
もっとこの人の事が知りたい!と感じられるか?
そんなある種のタイプの人が婚活パーティに参加する際に、頭の片隅に置いておいて欲しいと思うのは
相手の顔色ばかりに神経を使うのではなく、自分が相手と話していてどの様に感じているのか?を感じる余裕を持つように心掛けて見て欲しいと思います。
なんとなく楽に話せる気がする、
なんとなく楽しい、
ウキウキする様な感覚を感じる、、、。
何となくが大切だと思います。
まだ最初なんですから何となくとしか感じる事が出来ないのは当たり前ですし、なんとなくから始まるものでしょう。
イケメンが目の前にいたら「そりゃテンション上がる!」と自分の感情の高ぶりがわかると言う人も、顔の善し悪しばかりに判断を任せていると、顔がそんなに好みでは無いと言う時点で相手への興味も湧かなくなってしまうかも知れません。
でもそれだけだと、現実的に自分にとって必要な「合っている人」との出会いをみすみす見逃すことになってしまう危険性が生じるでしょう。
一人でも良いから、自己紹介の時点で「気になる人」の目星が付いていたら、次のフリータイムの時にもターゲットを絞り易いものとなることでしょう。
自分の感情を自分で捉えられる心の余裕が大切
そのような出会いの場で、少しでも自分と相手とのやり取りから生じる感覚を感じ取る心の余裕を、
自分に作ってあげるのに役立つのが
「深い呼吸」
だと提案します。
出来るだけ余計な事は何も考えず、自分が相手の事をどう感じているのか?だけに集中出来ると、
大分心の余裕が持てるものではないでしょうか?
「全集中」ですね!
それがとりあえず言いたい事です。
そのために「深い呼吸」が心身にどのような影響を及ぼすものなのか、を書き綴っています。
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このコラムの執筆専門家
- 堀江 健一
- (東京都 / 恋愛恐怖症・心の問題カウンセラー)
- カウンセリングルーム エンパシィ 代表責任者
何より優しく共感を持って、あなたの味方になります
2021年公認心理師(国家資格)取得13年間で1万人以上の相談実績を基に、深く人を理解し心のもつれた糸を解きほぐします。恋愛が出来ない、自己否定感、人と接するのが怖い、夫婦間の亀裂など、人間関係全般、アスペルガーの方の社会適応などのご相談。
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