- 松原 好克
- 日刊美容液新聞 編集長
- 岐阜県
- スキンケアカウンセラー/美容液研究家
対象:イメージコンサルティング
注目化粧品成分│ビタミンC誘導体/APPS(パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)など
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科学の進歩で、近年は様々な化粧品成分が開発されており、どれも最新の研究を駆使した素晴らしいものばかりです。
このコラムでは、エビデンス(科学的根拠)の評価が高い成分を、定期的に解説していきます。
今回取り上げるのは、「ビタミンC誘導体」という美容成分です。
ビタミンC誘導体とは
ビタミンCは、昔から肌に良いと言われてきましたが、浸透性に欠けている為、その効果を十分に発揮できません。
そこで、浸透しやすいように改良したものが、ビタミンC誘導体です。
化学の分野では、アスコルビン酸と呼ばれています。
ビタミンC誘導体の効果・効能
分かり易く、箇条書きにまとめてみました。
■メラニンの生成を抑制してシミ・そばかすを防ぐ。(厚生労働省が認可した医薬部外品有効成分の1つ)
■肌の引き締め・ハリ・弾力を担うコラーゲンとの親和性が深い
■皮脂の分泌・酸化にブレーキをかける
■ニキビなどによる赤みを防ぐ
■活性酸素の緩和
ビタミンC誘導体の種類と特徴
ビタミンC誘導体と言っても、多くの種類が存在し、その特徴は様々です。
代表的なものを挙げてみました。
アスコルビン酸グルコシド
アスコルビン酸にグルコースを結合させた、水溶性のビタミンC誘導体で、別名はL-アスコルビン酸-2グルコシド。グルコシド基は、肌内部で分解されにくいため、ビタミンCとしての効果が弱いという意見もあります。
アスコルビルリン酸Na
アスコルビン酸にリン酸基を結合させたもので、浸透性に優れています。肌の内部で、ホスファターゼという酵素によって加水分解され、ビタミンCとしての効果を発揮します。
リン酸アスコルビルMg
別名はリン酸L-アスコルビルマグネシウムで、アスコルビルリン酸Naと同様のメカニズムです。効果は、アスコルビルリン酸Naよりも高いようですが、沈殿しやすいため、高配合が難しいビタミンC誘導体です。
3-0-エチルアスコルビン酸
別名はビタミンCエチルで、酵素による加水分解などが必要なく、そのままの形でビタミンCとしての効果を発揮します。即効性・浸透性・持続性の3拍子を兼ね備えた、優秀なビタミンC誘導体です。
テトラへキシルデカン酸アスコルビル
別名はテトラ2-へキシルデカン酸アスコルビルで、油溶性のビタミンC誘導体です。安定性が抜群で、液体状のため高配合しやすく、また、肌馴染みが良いため使用感も良好です。ただ、リン酸型よりは若干浸透性が劣るようです。
パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na
別名はAPPSもしくはアプレシエで、リン酸基とパルミチン酸基を結合させた、新型ビタミンC誘導体です。(水溶性と油溶性の両方を併せ持つ) 従来のものよりも、数十倍の浸透性があると言われており、たぐいなる美肌効果が得られるでしょう。
開発した昭和電工株式会社のホームページに、科学的データが記載されています。
《引用リンク元》
昭和電工株式会社
http://www.sdk.co.jp/(トップページ)
http://www.sdk.co.jp/products/43/58/1147/detail.html(製品紹介ページ)
ビタミンC誘導体入り化粧品の選び方
肌への効果は、配合濃度にも左右されるため、各ビタミンC誘導体のタイプを理解し、できるだけ多く配合されたものを選びたいですね。
そのためには、化粧品アイテムの形状を考慮すると良いでしょう。
アスコルビン酸グルコシド | 化粧水/ローション |
アスコルビルリン酸Na | 化粧水/ローション |
リン酸アスコルビルMg | 化粧水/ローション/サラッとした美容液 |
3-0-エチルアスコルビン酸 | 化粧水/ローション |
テトラへキシルデカン酸アスコルビル | 美容液/クリーム |
パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na | サラッとした美容液/化粧水/ローション |
上記の各ビタミンC誘導体が、同時に複数配合されている化粧品も魅力的です。
ビタミンC誘導体入り化粧品の最適な使い方
紫外線が多い夏だけしか付けない、あるいは部分使いという人も結構いますが、予防効果を高めるには、1年を通して朝晩顔全体にしっかり塗ることが大切です。
また、ビタミンCは、ビタミンAとの相性が良いため、パルミチン酸レチノール入り化粧品やレチノイン酸トコフェリル入り化粧品と併用すれば、相乗効果が期待できます。
ビタミンC誘導体入り化粧品の注意点
ビタミンC誘導体は、乾燥したような突っ張り感が出る人もおられますので、保湿美容液や保湿クリームをしっかり塗布しましょう。
加えて、処方内容によっては、使用感がベタつくことがあります。
ご自身に合ったものを使いましょう。
化粧品は予防である
ビタミンC誘導体入りの化粧品に限らず、どの化粧品にも言えることは、肌の老化を改善するものではなく予防である、ということを肝に銘じましょう。
加齢により進行してしまった皮膚は、構造そのものが変化してしまっているため、化粧品で以前の肌状態に逆戻りさせることはできません。
どれだけ老化肌の進行を緩やかにできるかを重点にした、予防力に優れた化粧品を見極めることに徹しましょう。
最後に
ビタミンC誘導体は複数あるため、どれが良いのか迷うところですが、総合的に判断すると、パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS/アプレシエ)が頭一つ抜け出ています。
効果の面でも文句なしに優位ですが、従来のビタミンC誘導体に見られた、付けた後の乾燥感がほとんどありません。
高い美容効果と、幅広いマルチな機能を持ち合わせたビタミンC誘導体を、是非毎日のスキンケアに取り入れてみましょう。
文献: 日刊美容液新聞
URL: http://bijin-essence.com/2266
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