木造住宅の耐震補強計画 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

中舎 重之
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木造住宅の耐震補強計画

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                木造住宅の耐震補強計画
     

   木造住宅の耐震診断では、建物の現況の耐力を計算します。 

 計算した耐力が、国が定めた規準の耐力に対して、可か不可かを判断します。

 判断の基準の4段階を記します。  

  評点            判定   

 1.5以上         :倒壊しない。   

 1.5未満~1.0以上 :一応倒壊しない。   

 1.0未満~0.7以上 :倒壊する可能性がある。   

 0.7未満               :倒壊する可能性が高い。

 

     ここでの倒壊とは、地震の震度5強において、建物が損壊しても、  

 倒壊しない事を目安とし、 そのラインを評点1.0 としています。

 

    一般的には、評点1.0未満で補強を要する建物として、   

 耐震補強計画の対象とします。  

 耐震補強の計画目標は、評点1.0以上にするのが最低ラインです。 

 評点1.5を目標にするのは、理想ですが、物理的に補強の限界を  

 超えて、補強コストの面で無理があります。


  目標の設定は、建物が平屋なら評点1.0を超えるとOKです。  

 2階建ての建物ならば、評点1.25を目指すのが良いでしょう。


 但し、現況の建物の評点が0.7としますと、評点1.0にするには、    

 補強の耐力壁を現況の1.0/0.7=1.4倍にする  

 必要があります。


  これが、評点を1.25にする場合は、補強の耐力壁を現況の  

 1.25/0.7=1.8倍になりますので、容易ではありません。  

 この目標を達成するには、現況の開口部(窓・テラス戸)の小さく  

 して壁の量を増やす必要があります。   


   開口部を小さくする話は居住者から拒絶されます。  

 将来の地震からの安全より、現在の住環境の快適さを優先されます  

 ので、補強計画そのものが、NGになります。     

 建物の耐震補強工事が進まないのは、費用の面もさる事ながら、  

 此の技術面での満足感が、ネックになっているのかも知れません。     


   耐震診断において、建物の中で比較的強い部屋を見付けるのが、  

 当方の診断方法です。補強計画では、補強する建物の最も弱わい  

 場所を見付けて、その場所を補強します。  

 地震に弱い箇所を無くするのが、当方の補強の第一歩になります。


   例えば、建物の診断結果が評点で1.5であっても、2階建ての  

 1階部分に、四方当たりの柱が1本あれば、その柱の部分が破壊し、  

 2階が1階に着地します。いわゆる倒壊です。    

  四方当たりの柱とは、柱の東西南北に壁が付かず、テラス戸、襖、  

 障子などの開口部になる中心の柱です。  

 古来、大工さんが忌み嫌う柱の事です。


  当方も新築の構造設計を依頼された時に、此の場面に遭遇します。  

 当方は迷わず、四方当たりの柱は大黒柱として、大きいサイズを  

 採用します。 すなわち、6寸(180mm)~8寸(240mm)の  

 角柱や丸柱にて設計します。 サイズが5寸以上であれば、地震でも  

 破壊しません。 勿論、梁も8寸以上のものを採用します。  

 いわゆる、木造でラーメン構造を造り出すのです。     


  此の四方当たりの柱を、当方は「孤独な柱」と呼び、  

 補強の対象の一番目にランクします。     

  ですから、診断と補強に当たり計算された数字は参考値として、   

 診断者は自らの経験と知識により、建物を見るべきです。   

 でなければ、補強しても意味の無い結果になります。 怖いですね。


      当方が耐震診断を依頼された時には、診断の数値を基本にして、  

 強い部屋や弱い柱を見付けて、補強計画を立てます。     

 強い部屋を識別するのは、強い部屋は補強の対象から外して、  

 弱い部屋の補強を優先させる為です。   

  そして、補強する工事費用を概算にて算出して、お客様に提示します。   

 耐震診断+耐震補強計画までが当方の耐震診断の範囲になります。
 

                           一級建築士: 中 舎 重 之              

              綜合企画設計工務一級建築士事務所                            

               大和市中央5-2-25~703                           

              TEL:046-263-5029 FAX:046-263-9324               

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