強い家造り  16 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

中舎 重之
建築家

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対象:住宅設計・構造

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強い家造り  16

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  スジカイの部材に「フシ」のあるのは、避けて下さい。

圧縮がかかれば、フシの所で折れます。 スジカイの材料は無ブシが基本です。

  90mm角をタスキで使用するのは感心しません。 意匠として見せるのならOKです。

耐力壁としてならNGです。 壁倍率が2x3.0=6.0となり、

建築基準法・施行令の壁倍率5.0以下とするをオーバーします。

壁倍率5.0以下と抑えているのは、木造住宅では高い倍率の壁を少なく入れるよりも、

低い倍率の壁を建物全体にまんべんなく配置しなさいとの事です。 

それが、在来木造軸組工法に一番フィットするからです。


  「四分割法」の話です。

耐力壁の配置が片寄らずにバランス良く入れなさいとの主旨です。

南と北、東と西を等しく成るようにとの意味です。此処に間違いの元凶があります。

中央部に付いて明確に触れていない事が誤解を生みました。

 基本的な解説をします。 規準の本質は必要壁量の1/4を両側にいれ、

残りの2/4は中央に配置すべきなのです。 

実際の設計と検査機関への申請では、必要壁量の2/4を両側に入れて、

中央部が0/4になっている例が多いと思われます。 

勘違いも度が過ぎています。


  建物に風圧力が掛かる場合は外壁側のみです。

耐力壁は4隅に配置するのが有効です。 

地震力は建物の中央部で重量が大きい所に発生します。

その力は、当該重量の20%が水平に掛かるとしています。

  建物の中央部にサイズの大きい梁があれば、 その梁を受けている柱の前後左右に、

重量の20%の水平力に見合う耐力壁を配置すべきです。

その場所で耐力壁が取れない場合は、

近くの耐力壁に力が伝達できる様に2階の床剛性を高めて下さい。

 繰り返します、建物の外側の耐力壁は風に対して有効です。

建物の中央部の耐力壁こそ地震に抵抗する期待の壁です。

耐力壁の配置は建物の両側には1/4、中央部にこそ2/4として下さい。


  耐力壁の使い分けの話です。

当方の設計では大別して、2階部分にはスジカイを使用し、1階では構造用合板を採用しています。

構造用合板は柱の間隔が610~910mm迄が最も合理的です。

柱の間隔が1365mmですと構造用合板は横貼りになりますし、受け材が横に2カ所必要です。

スジカイですと、柱の間隔が1365~1820mmでも無理なく設置できます。

此の使い分けはコストダウンにもつながります。

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