店長のための「言える化」推進計画(その13) - コラム - 専門家プロファイル

松下 雅憲
株式会社PEOPLE&PLACE(ピープルアンドプレイス) 代表取締役
東京都
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閲覧数順 2024年04月25日更新

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店長のための「言える化」推進計画(その13)

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「リーダーシップを改善するって・・・どう言うことから始めれば良いんでしょうか?」

360度評価で部下であるスタッフ達から、厳しい評価を受けたスタッフリーダーのAさんは、困惑顔で質問してきました。そりゃあそうですよね。自分では、厳しい叱咤方式のリーダシップが一番良いと思ってやってきたのです。それを頭から否定されたのですから、悩むのは当然です。

昔はそれでも良かったのかも知れません。と言うのは、彼女は、昔、あるプロスポーツの選手だったのです。この競技で日本のトップクラスのチームに所属し、毎日厳しい練習をこなし、必死になって試合を戦っていました。そんな、プロ集団の中で若い時代を生きてきた彼女にとって、「勝つために必死でやる」「勝つためには何でもやる」「指示をすればチーム全員が脇目も振らずにやる」ことなどごく普通のことだったのです。

彼女の強烈な指示型リーダーシップは、そう言う環境の中で育てられてきたのです。そして、「責任」についての考え方もその環境で培われてきました。彼女にとっての「責任」は、チーム内の各個人が、「個人個人で自分の担当分野について全責任を負う」と言う考え方でした。だから、指示をして出来なかったり、ミスをしたりする部下については、その「責任」の追及を徹底的に行うというのが彼女の考え方だったのです。

しかし、今彼女が所属する「チーム」は、昔のトッププロチームとは違います。これから成長をしていこうとする、まだ若いチームなのです。その中で「スタッフリーダー」としての役目を担っている彼女もまた、リーダーとしてこれから成長していく過程にいるのです。それを過去の自分の基準で捉えてはいけないのです。ここが彼女の勘違いのひとつでした。

そして、彼女は、もうひとつ勘違いをしていました。それは、部下に対する考え方です。プロチームにいたときは、「部下」はいません。いたのはライバルとスタッフと監督です。ライバルとチームスタッフそれぞれが、監督の下でプロとしての役目を果たしていました。果たせないのならば、プロとしての仕事を失っていたので、プロ以外には存在しなかったのです。そこは、上司と部下ではなく、プロとプロの契約の世界です。

企業や店舗の中の関係も、本当はその厳しさは同じなんでしょうけれど、一番違うのは、「上司は部下の行動と結果についても責任を負う」と言うことなのです。もちろん、出来なかった、ミスをした部下にも責任はあります。しかし、させることが出来なかった、育てられなかった、ミスを見逃した上司にもっとも大きな責任があるのです。部下育成は上司の最も重要な仕事なのです。ここが、彼女が理解出来ていなかったポイントだったのです。

実は、上司という立場は、ここが一番苦しいのです。「部下がしたことは、部下にさせた上司の責任」なのです。しかし現実は、これがなかなかうまく行かない。目標に対しては、何とか達成させようと厳しく指導します。厳しいのは良いのですが、重要なことは「出来る様にする」ことなのです。指示や命令で達成できるのならば、誰も悩みません。それで高い成果が出れば良いのですが、そうならないのが上司の悩みなのです。指摘し、叱ればよい結果が出るわけでもありません。にもかかわらず、その結果は上司の責任なのです。そこが彼女のジレンマだったのです。

彼女の悩む「リーダーのあり方」、「リーダーシップの発揮の仕方」は、本当に深いものがあります。私は、彼女に、その基本を伝えました。

「まずは、よく観察しなさい。そして、まずは相手の話を聴きなさい。」
「あなたは、細部に渡って全てを観ようとはしていません。同時に観る事が出来ないのはわかりますが、巡回して確認をしていくことは出来るはずです。監視ではありません。観察して確認するのです。」
「更には、自分が先に話してはいけません。あなたが先に聴くのです。それもただ聞くのでは無く、傾聴するのです。観察し、傾聴すれば、部下やスタッフは、あなたの前で素直になります。リーダーシップが活きる大前提である『信頼関係』は、ここからスタートするのです。」

部下の話を聴けるようになると、自然と話し方が変化してきます。話すスピードが、ゆっくりになって来るのです。この変化がキーポイントです。

これについては、また明日お話ししましょう。

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